つわりや、日々重たくなる体を支える妊娠期間を経て出産すれば、ようやく体がラクに.....なると思いきや、実際は「出産後の体がこんなにボロボロになるなんて聞いてなかった......」と思うことがたくさん。出産経験者三人が、今だからこそわかる「せめて産む前に知りたかった!」情報を持ち寄って開催した「産後の体のリアル座談会」、後編です。

福井小夜子

yoi副編集長

福井小夜子

37歳 こども6歳(2018年・無痛分娩)
昨春からyoi編集部副編集長に。吸水ショーツやPMSサプリなど、フェムテック関連のアイテムは昔から積極的に試してみるタイプで、今いちばん気になっているのは「月経ディスク」。息子と過ごす時間が何よりも幸せ。

木土さや

ライター

木土さや

39歳 こども7歳(2017年・帝王切開)/5歳(2019年・帝王切開)
yoiライター。産後をきっかけに、ホルモンバランス&免疫力がガタ落ちしたのを痛感。医師もびっくりな高スパンでのトラブル多発に悩んでいたところに、yoiでの執筆の機会が。心身を立て直すべくフェムテック&インナーケアを導入し、現在の推しは、エクエルと婦宝当帰膠。来年の目標は、分子栄養療法と婦人科でのモナリザタッチ。

 

月島華子

ライター

月島華子

31歳 こども3歳(2021年・無痛分娩)/0歳(2024年・帝王切開)
1993年生。週刊誌記者、文芸編集者を経てフリーランスに。2児の母。

出産後のメンタルは不安定

産後 涙 ホルモン

月島:メンタルはどうでした?

福井:
うちは早産だったので、生まれてすぐNICUに入ったんです。 生死をさまようことにはならなかったのですが、出産直後なのに子どもが自分のそばにいないことを、本能が“異常事態”だと思っちゃったのか、毎日泣きまくってました。

月島:
私も、退院直前に急に猛烈な不安に襲われて、助産師さんたちに泣きつきました。出産直後の涙って「悲しい」というより、なんかもう「どうしよう、どうしよう」みたいなかんじがしませんでした? 今思えば、ですけど。

木土:なんだか
悲観的になっちゃうこともありますよね。

福井:
新生児を「かわいい」と思う余裕がない人もたくさんいるんじゃないかな。私は、ずっと「お世話しなきゃ」「大丈夫かな」って不安ばかりでした。二人目になると、最初から余裕が持てたりしましたか?

木土:
うーん、そこはあんまり変わらなかった気がします。

月島:
私も、正直「また子育て最初からか」とか思っちゃいました。

福井:私は
子どもが喋るようになってからのほうが素直に「かわいい」って思えました。世の中の親はみんな、この成長していく様子に癒されて、頑張れているのかも。

産後の生理再開も人それぞれ

産後 生理再開 いつ

月島:私は下の子が今9カ月。まだ授乳や夜泣きがあってしんどい日も多いんですが、お二人が産前と同じくらいまで体力・メンタルが回復したのはいつ頃でしたか?

福井:
調子を取り戻せたなと思えたのは、生理が再開した産後8カ月くらいの頃かな。実は妊娠前は子宮内膜症があったんですけど、ちょうど手術を検討していたタイミングで妊娠が発覚して。それから1年半以上、生理がストップしたおかげか、産後のほうが症状がやわらいでラクになってたんです。

木土:
それすごくラッキーですね! 私は生理再開が割と早くて、産後3カ月くらい。母乳も早々に出なくなっちゃいました。

月島:
私は産後5カ月目くらいで再開しました。経血量が増えて、生理はむしろ産前より重くなった気がしています......。

福井:
生理再開→次の妊娠が可能→体も元通り......ではないですよね。生理が再開しても子どもの世話に追われて満足に眠れないし。完全な復活というと、子どもが3歳になったくらいかも。

木土:
私は産後、夜中にアパレルのECサイトを見ることが唯一の楽しみになってたんです。実際に着る服はどれも機能性重視で、本当に好きなアイテムを買うことはできないんだけど、それでも、子どものもの以外にも目を向けられるようになった頃が回復の兆しだったように思います。
あとは、妊娠中にいろんな妊娠・子育て体験記を読んだんですけど、田房永子さんの『ママだって、人間』って知ってます? これ、面白くてめちゃくちゃおすすめです。

月島:
私も妊娠〜出産〜育児のエッセイ、たくさん読みました。さくらももこさんの『そういうふうにできている』とか、川上未映子さんの『きみは赤ちゃん』とか。今も他の人の体験談に励まされています。

出産後の体のことを、産む前にパートナーや周囲と共有しておくのが大切

産後 夫婦 理解

福井:こういう「産んだあと」の話、産む前にちゃんと知っておいて、夫とも話しておけばよかった。 

月島:
確かに。うちの夫は育児に積極的なほうなんですが、私の体調や気持ちが伝わってなくて、よくイライラします。

木土:
パートナーが親身になってくれるか否かによって、体やメンタルの回復スピードもきっと変わりますよね。特に、産前・産後の恨みは一生モノですよ。私は、臨月のときに夫がキャバクラに行ったこと、忘れてません!

福井:
私もあります。入院中に不安になって「しんどくて死にそう」って弱音をこぼしたときに、夫が言った「ここ日本だよw」ってセリフ、根に持ってます。

月島:
私は二人目が帝王切開だったので、「前回(無痛分娩)より早く終わったね」って言われてカチンときました。かかった時間の問題じゃないのに!

福井:
妊娠中からパートナーやサポートしてくれる人と「出産後の体」の情報を収集して共有しておくといいですよね。そして、私はパートナーに命を懸けて産んだってこと、何年経ってもちゃんと覚えていてほしいって思います。

木土・月島:
本当に!!

構成・取材・文/月島華子