自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン46 タンポン 腟 出産

Q46:タンポンを斜めに入れています。腟の向きによって、出産時などのリスクはありますか?

A46:特にありません

横から見た女性器の構造 タンポン 腟 出産

吉本先生:腟内は垂直ではなくやや斜め上を向いています。そのため腟口に対してタンポンを斜めに入れたとしても、経血が大量に漏れ出ることがなければ入れ方は合っているはず。そもそも、卵巣や子宮の位置によっては腟内が圧迫されていたり、腟口が大腸側に寄っていたり、腟口や腟の向きは人によってバラバラなんです。

これによる出産時のリスクは特にありませんが、妊娠中は筋腫の影響で卵巣や子宮頸管がねじれて腹痛を伴うことも。しかし、出産までは婦人科を受診していれば異常をすぐに見つけて対処するので、不安を感じたら医師に相談してくださいね。

取材・文・イラスト/井上ハナエ 構成/木村美紀