自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン42

Q42:生理痛がつらいとき、市販の鎮痛剤をすぐに飲んで大丈夫でしょうか?

A42:痛みはじめたらすぐに飲んだほうが効果的です

吉本先生:女性の体は、排卵期に子宮内膜が分厚くなって妊娠しやすい状態となります。妊娠が成立しなかった場合、分厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに体外に排出されるのが生理(月経)です。そして子宮を収縮して排出しやすくさせるために、月経直前からプロスタグランジンという痛み物質が急増。これが生理痛を招く原因のひとつです。
はがれた子宮内膜の量が多かったり、冷えなどで子宮口が狭く硬くなっていたり、痛みをずっと我慢しつづけていると、プロスタグランジンが大量に生成されて痛みを増加させてしまいます。こうなってからでは鎮痛剤の効果が現れにくくなるため、痛みを感じはじめたらすぐに服用するほうがいいのです。早めに服用すればプロスタグランジンの生成を早めに抑えることができます。
プロスタグランジンの生成を抑える薬はロキソプロフェン、イブプロフェンなど、NSAIDsといわれる非ステロイド性の消炎鎮痛剤です。市販でも入手できますが、自分の体に合うものを適切に選ぶためにも薬剤師や医師に相談することをおすすめします。

生理痛 鎮痛薬

取材・文/井上ハナエ 構成/木村美紀