自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。
Q6.ペニスや睾丸の正しい洗い方ってあるんですか?
6つ目のギモンは、【ペニスや睾丸の正しい洗い方ってあるんですか?】。幼少期に自分で体を洗えるようになってから大人になるまで、正しいかどうかを深く考えたことがない人が大多数であろう洗い方。女性器の洗い方は“指で優しくなで洗い”が基本でしたが、男性器の場合はどうなのでしょうか?
A6.ぬるま湯で洗い流す程度でOK
粘膜部分にはソープを使わず、優しく手洗いを
小堀先生:生殖器は皮膚が薄いデリケートな部分なので、基本的にはぬるま湯で優しく洗い流すくらいで十分とされています。シャワーでアンダーヘア、肛門、ペニスと睾丸は裏側まで濡らしながら、最後に亀頭部分を洗って恥垢や汚れを落とします。普段から亀頭が露出していない人は包皮を無理のない範囲で剥いて、洗った後はきちんと包皮を元に戻しましょう。女性はデリケートゾーン専用ソープを使用する人が増えているそうですが、男性は全身用のボディソープでそのまま洗うことがほとんど。アンダーヘアや表皮部分は泡で軽く洗っても多少問題ありませんが、くれぐれもゴシゴシ洗いはしないように。とくに皮膚が粘膜のように薄くて繊細な亀頭は傷つきやすいため、かならずぬるま湯のみで洗ってください。
男児のペニスの洗い方は、無理に包皮を剥く必要はありません
小堀先生:きれいにすることが目的ですので、男児の場合は無理に包皮をむく必要はありません。二次性徴とともに、皮は剥けやすくなってきますので、洗える範囲できれいにしてもらえば結構です。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。
取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)