自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン14

Q14.サウナや熱いお風呂に入るのは精子によくないって本当ですか?

14個目のギモンは、【サウナや熱いお風呂に入るのは精子によくないって本当ですか?】。サウナブームをきっかけに広まり始めたこちらのギモン。サウナや熱いお湯への入浴といった高温環境は、精子の運動量や生成に支障をきたすという説は果たして本当なのでしょうか?

A14.常識的な範囲で楽しむぶんには問題なし。妊活中は注意が必要

小堀先生体温よりも低い温度の精巣内にいる精子にとって、外的環境が高温になることが悪影響であることはデータとして出ています。だからといって、日頃からサウナ習慣のあるカナダ人やノルウェー人が、サウナが原因で精子が作られずに滅んだというデータはありません(笑)。あくまでも常識的な範囲で楽しむ分には問題ないのです

ただ、妊活をしている人と、精子の生成量と活動量が極端に悪い人は、サウナや熱いお湯への入浴を避けたほうがいいでしょう。ほどほどであれば絶対にNGというわけではないものの、やはり精子は熱に弱いのです。心配ならば精液検査して、精子の状態をチェックしてみるのがおすすめですよ。

サウナの精子への影響

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)