自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン14

Q14:婦人科にかかる患者さんに多いお悩みって何ですか?

A14:おりものに関するお悩みです

吉本先生:婦人科に来院するのは、おりもののお悩みを抱えている人がほとんど。おりものの量やかゆみ、おりものがいつもと違う、パートナーからにおいを指摘された…など、客観的視点を求めて受診される人も。自分では普通だと思っていても、実際に診察してみるとおりものに異常があるパターンもよくあります。

異常があるかどうかは、色と質感で判断できます。いつもより黄色い、生理期間ではないのに出血がある&茶色っぽい、ポロポロとカッテージチーズ状をしている。これらは感染を起こしている場合が多く、薬によって治療できます。

なお、閉経後に、女性ホルモンの低下が原因で膣の壁が乾いてただれてしまう萎縮性膣炎を起こしていると、おりものによる自浄作用が働かず、かゆみ症状が出たり感染を起こすことも。デリケートゾーンに違和感がある人は、迷わず婦人科を受診していただきたいですね。

婦人科 おりもの デリケートゾーン 性感染症 閉経

取材・文/井上ハナエ 構成/木村美紀