自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン15

Q15.勃起するとペニスが途中で曲がってしまうのは問題ないですか?

15個目のギモンは、【勃起するとペニスが途中で曲がってしまうのは問題ないですか?】。平常時は真っ直ぐなのに、勃起すると片方向へ曲がったり、反り上るように上向きにカーブしてしまうペニス問題。元からそうだったわけでなく、ある時を境に曲がるようになったら病気が潜んでいる可能性も……?

A15.セックスに支障がなければ問題ありません

小堀先生:勃起時にペニスが根元から左右どちらかに傾いていたり、中間からグイッと反るように曲がっていたり……これらは性器の形と同様、勃起したペニスの状態にも個人差あります。曲がる原因に医学的根拠があるわけではないのですが、勃起時に膨張する陰茎海綿体のバランスに左右差があることによって起こるのかもしれませんね。基本的には気にする必要はなく、セックスの際に痛みや挿入が困難であるなどの支障がなければ問題ありませんよ。

なお、可能性として低いのですが、陰茎海綿体を覆っている白い膜に炎症やしこりができる「ペロニー病」によってペニスが極端に湾曲してくることがあります。しこりが悪性のガンになることはありませんが、勃起時の痛みが強くてセックスに支障が出るなど性機能に問題があれば、泌尿器科で診てもらうといいでしょう。

曲がっているペニス 勃起

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)