自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン42

Q42.夏に股間がかゆくなりやすいのはなぜ?

42個目のギモンは、【夏に股間がかゆくなりやすいのはなぜ?】。男女共通の密かなお悩みの代表格ともいえる、デリケートゾーンのかゆみ。男性器にはペニスや陰嚢といった体外に露出したパーツがある分、下着と皮膚が触れてこすれる範囲も広く、デリケートゾーンのあちこちに不快感が出やすい! とくに夏場に多いというかゆみの症状、どうケアするのが正解?

A42.汗や蒸れ、雑菌の繁殖が主な原因です

小堀先生:まず前提として男性は筋肉量が多い&基礎体温が高く、汗をかきやすい傾向があります。さらに陰嚢は伸び縮みすることで精巣内を適温に保つ役割があり、温度調整のために汗腺が発達。そのためデリケートゾーンはたくさん汗をかいており、下着やアンダーヘアに覆われていることも相まって非常に蒸れやすい状態! これが原因でかゆみや皮膚かぶれを引き起こすほか、雑菌が繁殖して湿疹などの皮膚疾患に発展することもあるのです。季節でいうと夏場に多いお悩みですが、湿度が高い梅雨時期や、暖房がきいた屋内で長時間過ごす環境だと冬でも起こり得ます。


日常生活における対策は、清潔を保つ意識を持つことです。下着は通気性の良い素材や形を選ぶ、厚手素材のスラックスは避ける、ぬるま湯でやさしく洗うようにしましょう。下着のなかでじっとり汗をかいている自覚があれば、トイレットペーパーでサッと拭き取って蒸れを軽減するのも良いと思います。ただゴシゴシ強く擦るのはかゆみを悪化させてしまうのでご注意を。

男性器のかゆみ

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)