甲斐まりかさんインタビュー

“あなたが本当に願う「なりたい自分」を知っているのはあなただけ。だから、一人一人にフィットするあなたのための「美容(Be You)」がきっとある”。yoi、マキア、メンズノンノの集英社の3メディアがタッグを組み、新たな「美容」の価値観を発信するオンラインイベント「Be You フェス 2022」が12月11日に各メディアの公式YouTubeチャンネルで配信されました。

yoiのコンテンツとしてイベントで配信したモデルの甲斐まりかさんのインタビューを、WEB記事として拡大してお届けします。世界各国で生活するなかで自身のアイデンティティと向き合ってきた彼女が、自然と見つけ出した“自分らしさ”はオープンな心。他人の意見から新しい挑戦まで、すべてをオープンに受け止めることで得た学びと成長を語ってくれました。

モデル

甲斐まりか

タイ人の母と日本人の父をルーツに持ち、日本語・英語・ドイツ語のほか、フランス語、タイ語にも堪能なマルチリンガル。ドイツの中学・高校を卒業後、イギリス エジンバラ大学へ進学。卒業後は日本でモデル・タレントとして、広告や美容雑誌などで大活躍。現在、パーソナリティを務めるJ-WAVE 「BLUE IN GREEN」が 毎週土曜日12:00〜16:00に放送中。

オープンな心が“自分らしさ”につながっています

タイ人の母と日本人の父をルーツに持ち、日本のほか、タイ、ドイツ、スイス、イギリスなど、世界各国で暮らしてきた甲斐さん。さまざまな国の人に囲まれて育ち、幼い頃から自身のアイデンティティについて考える機会は多かったそう。

「小さい頃からインターナショナルスクールに通っていたため、さまざまな国の人に囲まれて育ちました。学生は国籍がバラバラで、私と同じようにミックスの学生も多く、“そういうもの”という認識でしたね。だからこそ、成長するにつれて自分のアイデンティティやルーツを考えるようになったときにも、一つの概念にとらわれずに済んだ。結局、自分は“日本人でもタイ人でもない”というところに落ち着いたのですが、悩むことなく“それが自分なんだ”と素直に受け入れられました。

“自分らしさ”について考えるようになったのは、イギリスの大学に通い始めた頃。親元を離れて暮らし始めたとき、“これからは自分で自分の将来を選択していくんだ”とはっきり意識したのを覚えています。イギリスの学生は自立心も競争心も強くて、自分から前に出て自己アピールしなければ認めてもらえない雰囲気があった。そんな環境で揉まれる中で半ば強制的に、“自分とは?”という大きな概念と向き合わされました」

「自分はどんな人間なのか」「人生で何をしたいのか」を自分自身に問い続けるなかで、“自分らしさ”の答えにたどり着いたといいます。

「私が思う“自分らしさ”は、オープンな心。振り返ると、幼い頃から“これを勉強したい” “将来はこれになりたい”という明確な目標は特になくて、つねに“とりあえず目の前のことを頑張ろう!”という精神で成長してきたんですね。人に勧められたことに挑戦してみることで、自分が思ってもみなかったチャンスを手にしたり、転機が訪れたり。間口を広く保つことが、今の自分を作り上げていると気づきました。

モデルの仕事もそのひとつで、もともとはすごくシャイな性格だったから、人前に出る仕事なんて選択肢にありませんでした。それが今では大好きになり、モデルの仕事を通じて世界も知識も広がっている。そんな自分らしさを最大限に生かすためにも、自分が“違うな”と直感したことも、いったん受け止め、しっかり考えることを心がけています」

甲斐まりかさん

人に言われた自分のいいところは素直に喜んで受け入れる

他人の意見も、自分とは異なっていたとしてもひとつの意見として取り入れる。そんな意識が、自分の好きなところを発見するきっかけにもつながったとか。

「仕事でもプライベートでも、“自分が後悔することはしない”のがマイルール。ある時、後悔しない選択をしたのだから過去は振り返らない、と友達に話したら、“すごいポジティブだね!”と褒められました。私としては、過去を振り返ってネガティブでいる時間がもったいないし、失敗するとネガティブになりがちな自分が嫌いだからこそ心がけるようになったことだったので、“ポジティブ”という真逆の意見に驚きました。

でも改めて考えると、前に進もうとする姿勢は確かにポジティブなのかな、と。自分のいいところって自分じゃ気づけないんだと気づき、それからは、人に言われた自分のいいところは素直に喜んで受け入れるようになりました。そして、自分のポジティブさを強みに変えるよう意識しているうちに、自信がついて、結果的に仕事の幅が広がるなどのいい連鎖が生まれた。そんな成功体験があるので、私自身も人のいいところは進んで伝えるようにしています」

甲斐まりかさん

ラジオの仕事がきっかけで、ライフスタイルが豊かに

自分の長所を強みに変える努力を続けた結果として手にした新しい仕事が、J –WAVE『BLUE IN GREEN』のナビゲーター。自分の意見を発信する楽しさを発見し、続けるうちに、ライフスタイルも豊かになったと語ります。

「最近見つけた自分の新しい一面は、コミュニケーションが好きなところ。シャイな性格で、会話では受け身になることが多かったのですが、ナビゲーターとしてゲストとのトークをリードしなければいけない。初めは緊張してばかりいましたが、会話を通じて新しい世界を知ることができる楽しさがモチベーションになりました。それまでラジオを聴く機会はそれほど多くなかったのですが、勉強のために聴いていたら、すごく有意義な情報にあふれていて。自分の言葉遣いや語彙力を見直すようにもなりましたし、日本語もうまくなったんじゃないかな(笑)。

番組ではさまざまな分野で活躍する方をゲストにお招きして話すので、自分自身の知識の幅を広げることを日頃から意識しています。オフの日には、積極的に美術館へ行ったり、本を読んだり、映画を観たり。もともと好きなことではあったんですが、触れたあとに、自分が感じたことを整理するプロセスが加わりました。自分に知識があれば、ゲストの方の発言に対して反応できて、深みも増す。ナビゲーターを始める1年前と比べると、今の自分もライフスタイルも、いい意味で別人のよう!」

甲斐まりかさん

批判もモチベーションに変えています

以前よりは人見知りしなくなったものの、今でも緊張や不安を覚えることは日常茶飯事。根っからの引っ込み思案を含めて、コンプレックスはいろいろあるという甲斐さんですが、それを無理に直そうとはしていないのだとか。

「コンプレックスにフォーカスしすぎてしまうと、自分に対してネガティブになってしまいそうだから。自分の一部として受け入れて、それをカバーするために長所を強化したほうがポジティブでいられると思うんです。悩んだときは、自分だけで解決しようとせずに、友達に相談。だいたいみんなも似たような悩みを抱えていることが多くて、話すことで安心します。友達がどうやって向き合ってきたかの経験談から、自分にはなかった発想を得られて、解決策も増える。

表に出る職業柄、世間から批判されることもありますが、“好みは人それぞれだよね”と流していますね。もちろん傷つかないわけではないけれど、世の中の人、全員に好かれるなんて不可能。それに、私を“イヤだな”と感じた人の言葉でくよくよ悩むよりも、“いいな”って思ってもらえるように頑張って見返すほうが、かっこよくないですか? 私にとって、批判はモチベーションのひとつ。意外と負けず嫌いなんですよ(笑)」

甲斐まりかさん

美容も、自分が心地よくいられることが大事

ピラティスとジムにそれぞれ週1回ずつ通うようになって2年。体重が変動しにくくなったことで、より充実した生活を過ごせるようになったそう。

「それぞれパーソナルレッスンで、その日のコンディションに合わせてメニューを組んでもらっています。せっかく頑張っているのだから! と、日々の食事も健康的になりました。代わりに、旅行中は好きなものを自由に食べることが、自分へのご褒美。普段は我慢しているスイーツやお酒も罪悪感なく楽しめるし、基礎代謝が上がったおかげか、体重も変動しにくくなりました。

そのほかは、基本のスキンケア以外、わりとルーズかもしれません。例えば、塗ったマニキュアが禿げたままでいたり(笑)。指摘されるとちょっと恥ずかしいけれど、人に嫌われなければよし。完璧でいようとするとそれがストレスになり、せっかくの美容が楽しめなくなってしまうんです。時には自分を甘やかしてリラックスすることも大事ですし、完璧じゃないところもまた、自分らしさ。私が自分らしくあるための美容のベースは、自分が心地よく暮らせるかどうか、だと思っています」

甲斐まりかさん

「Be You フェス 2022」のアーカイブはこちらからご視聴いただけます!

撮影/梶 祐輔 取材・文/中西彩乃 企画・編集/木村美紀(yoi)