世界的記念日、7月30日の「国際フレンドシップデー」に合わせて、人気podcast番組『Y2K新書』から小説家の柚木麻子さん、振付師の竹中夏海さん、DIVAのゆっきゅんさんに「友達」についてインタビュー！ 読者から募集したお悩みに、3人が出した答えとは？
お悩み① 気が付いたら“上辺”の友達しかいなかった…友達に心を開くには？
ーー小さい頃に引っ越しや転校が多く、その場その場の友達作りで頑張っていましたが、大人になった結果、友達全員と上辺の付き合いだったことがわかりました。9歳くらいから知っている友達にも心を開けず、つらいです。上辺以上の関係を築くには、どうしたらいいでしょうか。
竹中 逆に上辺で話できるの、すごくない？ 9歳からの友達って、気が合わなくなって当然だと思うから。
柚木 すごいよ。私は上辺の話すっ飛ばしてブワーっと話しちゃうもん。この方はちゃんとした人なんだと思うよ。まわりに好かれてるんじゃないかな、すごく。
竹中 転校するたびに友達作っているのも偉い。あきらめちゃう人も多いと思う。
ゆっきゅん きっと適応能力がありすぎて困ってるんだよね。
ーー前編のトピックにも上がりましたが、“素の自分”を出せないことに悩んでいる感じがしますよね。
ゆっきゅん 転校が多かったから、これまで「素の自分を出しても嫌われない、大丈夫だ」と思えるタイミングがなかったのかもしれない。
柚木 この方はきちんとした、過不足ない人間だと思うから、まずそれを自分で認めてあげてほしい。その上で、上辺・上辺・変・上辺・上辺・変という感じで、3回に1回くらい小出しにしていくのはどうだろうか。
ゆっきゅん いいですねそれ（笑）。あとはいっそ、これまで付き合いがあった人から少し離れて、新しい友達を作るとかね。私は仲良くなりたい人がいるとしたら、接近を試みるかな。
柚木 このお悩みを聞いて、大好きな、レベル・ウィルソンが出てた『ワタシが私を見つけるまで』という映画を思い出したんだけど。映画の中では、運命の人を探す子がいてね、婚活やらマッチングアプリやら色々試すんだけどうまくいかなくて、出会いの幅を広げるために子どもに本を読み聞かせるボランティアに参加するの。でも本を読んでる最中ふと何もかも嫌になって、「あー嫌だ嫌だ嫌だ！」って大暴れするんだよ。子どももドン引きするくらい、本とかぶちまけちゃってさ。そしたらたまたま本屋にいた男性が、「君いいね！」となって結局その人と結ばれる。
ゆっきゅん へーーー！
柚木 つまり、今いる世界の中だけでどうにかしようとしなくていい。意外と大騒ぎしてみたらまったく違うところから理解者が現れることは、まあまああるんです。それは嘘じゃないんですよ。だから今、狭い人間関係の中で苦しく感じているとしたら、「本音で話せる友達がほしいーーーー！」って大騒ぎしてみればいい。「私じゃダメ？」っていう人、いると思うから。
竹中 なるほどね。
柚木 私も大騒ぎするタイプなんです。大騒ぎして生きてきたので、この人もちょっとくらい騒いでも大丈夫だから。
お悩み② 自分に自信がなく、友達や職場の人とうまく喋れない。堂々と自分の話ができるようになるには？
ーー他人にうまく自分の話をすることができません。学生時代は友達とカフェで何時間も喋ったりすることが楽しかったのですが、社会人になって「自分って受け入れてもらえてないんだな」という経験を何度かして、ちょっとずつ自信を失ってしまいました。声も小さくなって、人の目が見られなくなり「すいません」ばっかり発してしまいます。だから、頭の中で自分自身に喋ったり、未来の自分に手紙を書いて数カ月後にその手紙を読んで「過去の私〜！ めっちゃわかるよ〜！」と相槌を打ったりして満足しています。久しぶりに友達と話すときも自信がない癖が染みついてしまって、「私の話って聞いてもらえるの!? みんな優しすぎ！ え、どうやって話すんだったっけ？」と自分のターンを3秒くらいで終えてしまいます。堂々と自分の話をしたいです。
柚木 可愛いなあ、この人は。カフェで喋るの楽しいよね〜〜〜。
竹中 このお悩みに書いてくれたことを、全部そのまま相手に伝えたらいいんじゃないかな！ それから、話したいことを箇条書きにして友達と会う日に持参する。「久しぶりに会うから話したいこと書いてきた！」って言われたら相手は絶対うれしいよね。
ゆっきゅん それ、私のファンの人がチェキ会でよくやってくれます。でも、書いて行ってうまく言えなかったらどうしよう…。
竹中 メモを相手に渡して見てもらっても全然いいと思うよ。
ゆっきゅん なんなら、自信がないって言ってもいいじゃんね。それが自分なんだから。
竹中 そうだね。書いてくれているお悩みはすごく健気だから、素直に伝えても相手は嫌な気持ちにならない気がするな。
ゆっきゅん そもそも、この人の声を奪った社会が悪いね。
柚木 本当に！！
竹中 この子のお悩みに「過去の自分と対話してる」って書いてあったけどさ、これ、すごくよいことだと思うんだよね。PART1でも友人関係は依存しないことが大切って話をしたけど、この子の場合、ちゃんと自分が自分の一番の理解者になってるから。自分で解決できるけど「＋αで友達と話したい・聞いてもらいたい」というスタンスを持っていると、依存することはないし、きっと友達とよい関係を築けると思う！ だから、悩む必要はないんだよね。
柚木 すごいなあ。自分でちゃんと解決しようとしてて本当に偉いよ。わたしもできるように頑張ります…。
竹中 あんたは大丈夫だって（笑）。
取材・文／中西彩乃 撮影／Kaname Sato スタイリスト／讃井理絵子 ヘア＆メイク／yukari clarke 企画・編集／種谷美波(yoi)
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