俳優・モデルとして活躍する新川優愛さん。2019年に9歳年上の一般男性と結婚、2023年に第1子を出産しました。現在は、子育てをしながら仕事を再開したばかり。母になって感じたこと、夫婦のパートナーシップについて、また、約2年ぶりとなる本格的な芸能活動復帰に感じた思いを、yoiだけに語ってくれました。

新川優愛

モデル、俳優

新川優愛

1993年生まれ。埼玉県出身。10代の時より芸能活動を始め、「Seventeen」「non-no」「MORE」「BAILA」など数々の雑誌の専属モデルとして人気を博し、俳優として、映画「老後の資金がありません!」(21年)、NHK 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(22年)などに出演。バラエティー番組、舞台、CMなど幅広く活躍。西武ライオンズファンとしても知られる。2024年7月11日スタートの ドラマ「クラスメイトの女子、全員好きでした」(NTV/YTV系)に出演が決定している。

1歳になった子どもと、1年目を迎えた母親として感じる変化

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——出産から約1年間、仕事をセーブし、子育てを中心にする生活はいかがでしたか?

新川さん 
新生児だった頃が懐かしい! 表情豊かになって、声を発する、寝返り、ハイハイ、伝え歩き……と、どんどん“進化している”というか、ポケモンみたいだな(笑)と感じることもあります。今は「着替えるよ、バンザイして!」と言うと、なんとなく着替えはこうだ、とわかって、バンザイするようになってきたり。意思疎通ができるようになってきました。うれしいけれど、ハイハイはもうしてくれないんだ、寂しいな、と思うときもあります。

——子どものいる生活を通じて、ご自身で感じた変化や、学んだことを教えてください。

新川さん 大きく変わったのは、“まあるく”なったこと。というのもこの1年、こんなにも思い通りにいかないことがあるのか!という実感を味わい尽くしたので(笑)。台本を読みたいときに限って叫んでくる、眠いときに限って上によじ登ってくる。私の目が冴えてるときには本人は寝てる、みたいな……。自分以外の人は、当然自分の思い通りにならない、大人になって頭では理解していたものの、笑うしかないほどほんとにそうで(笑)! すべての人に対するいい意味での諦めと、「なんだろうこれ、面白いなあ」と思える境地を、子どもが教えてくれました

頼り合うことで、夫婦のパートナーシップ、家族としてのチーム感が高まった

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——夫婦の関係性は、どのように変わりましたか?

新川さん この1年でお互いにとても成長したと思います。親としての実感を持つタイミングは、男女でどうしても差があるような気がします。人それぞれなのでしょうが、10カ月間、私のお腹の中にいた事実は相当なことだと思いました。ただ、うちも早く実感を持ってもらいたかったので、子育ての初めのうちから、かなり頼ることにしたんです。疲労が溜まったときは長くお風呂に浸からせてもらったり、ケアが必要なときは甘えたり。
夫からは最初に「察することは、俺は無理だ」と言われたんです。「ごめんだけど、どんどんやってほしいことを言って」と。「そう言ってくれるなら!」思って伝えていま。夫は有言実行の人で、お願いしたことは必ずやってくれるし、仕事が忙しい、疲れたからと言って頼んだことを棚上げにはしない。だから、彼が結構無理しているな、というときはこちらが察して、バランスをとっています。

——お互いの性格に合わせたチームワークを感じますね

新川さん 子育てにしても何をするにしても、自分一人で無理してやろうとすればできるんですよね。最初から一人だったらやらなきゃならないし、そうでなくても一人でしなきゃいけないときがきっと来る。だからこそ、互いに頼れるなら頼ってもいいと思うんです。一人で持てるものを二人で持つことで、精神的にもチーム感が高まるように思います

——最近の家族としての楽しみはなんですか?

新川さん 二人暮らしの頃から、おいしいものを遠出して食べにいくのが趣味です。子どもが生まれてからは、少し近場にはなったけれど、三人で車で出かけて、おそばを食べに行ったりとか、おそばを食べに行ったりとか、おそばを……おそばばっかり(笑)! でも、ちょっと郊外に行くだけで、風景が変わって、空気もやっぱりおいしいね、って、リフレッシュしています。

30歳という節目で真剣に考えた、自分自身の仕事について

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——昨年末に30歳を迎えたことで、今までと将来について思うところはありましたか?

新川さん 
30歳という節目で、すごくいろいろなことを考えました。結婚していなかったら、子どもがいなかったら、という人生はわからない。けれど、仕事については、30歳というタイミングがかなり大きくて。このままずっと続けていけるだろうか、って、具体的にかなり真剣に考えたんです。例えば、自分はほかに何ができるか、まったく違う仕事はできるだろうか?とか。転職するなら顔がバレないほうがいいから、裏方のお仕事はどうだろう、パートだったら夫の扶養に入ると収入制限があるのか……とか(笑)

——そこまで具体的とは! でも、新川さんには「仕事をしない」ということは選択肢にはないようですね

新川さん そうですね。ずっと仕事はしていきたい。実際のところは、1年間、がっつり子どもと過ごせたので、モデルと俳優としてのお仕事をこの春から再開しています。7月スタートのドラマ(※)への出演が決まり、今は、私はドラマの撮影、子どもは保育園、という生活に。日によって子どもの成長ぶりも違えば状態も違うので、ペースをつかむというより、目の前で起きるものごとについてゆくのに必死という感じです。

——芸能活動を本格的に再開するのは約2年ぶりということで、気負うところや不安に感じることはありましたか?

新川さん ありました、ありました! 最初は「仕事のチャンネル、どこにあったっけ?」というところから。出産前のことを全然思い出せなくてびっくり、自分自身がこれまでと違ってしまったようです。今回の撮影でのポージングでも「どうやって表情を作って動くんだっけ?」「顔に手を? 当てて? えーと」って(笑)。
産後の仕事復帰で、以前の自分をすぐ取り戻せる人もいれば、私みたいに訳わかんなくなっちゃう人もいるんでしょうね。現場で求められている正解がわからないというのは戸惑います。本当は正解にしてから仕事復帰しなければいけないんでしょうけれど、難しい

※「クラスメイトの女子、全員好きでした」(日本テレビ・読売テレビ系 毎週木曜23時59分~)で、新川さんは主演・木村昴さんのバディ役に。

変わることと変わらないことを柔軟に。答えを模索するときも楽しんでいたい

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——「どうやって仕事していたか思い出せない!」という新川さんですが、今回の撮影現場では、ひさしぶりの感覚を取り戻しながら、変わること、変わらないことを楽しんでいるように思えました

新川さん そうですね、今のこの環境でも私はお芝居をし続けていくわけで、やっぱり、どこか変化している自分の表情を発見するときがあります。新鮮かつ、懐かしさもありつつ、きっとずっと変わり続けていくんだろうな、と思うと、それはそれで楽しみな部分でもあります。私も子どももいろいろな変化を体験するだろうし。面白がっていければいいですね。根底として、気持ちは変わらないでいたいし、大切にしたいものを大切にしたい。そこに嘘はつきたくない。変わらないためには変わっていくことも必要。柔軟にいけたらいいなと思っています。

——今、新川さんが大切にしている変わらないものとは?

新川さん 挨拶です(即答)。特に「おはようございます」と「おつかれさまでした」は絶対! 仕事だけじゃなく、どんな場面でも、人とのつながりの中で挨拶は大切。家族間でも「おはよう」「おやすみ」「気をつけていってきてね」と声をかけるコミュニケーションって、いつでも変わらずにできることですから。
あとはやっぱり楽しむことかな。お芝居でも暮らしでも、たぶん気持ちが行き詰まるときだってあるでしょう。難しいな、って思うときも、答えを模索していることが楽しいって思いたい。それに、何をどう楽しむかっていうことは、自分で選びとっていきたいなと思います。

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撮影/松岡一哲 ヘア&メイク/河嶋希(io) スタイリスト/辻村真理 取材・文・構成/久保田梓美