俳優としてだけでなく、アーティスト、モデル、執筆、プロデュースなどさまざまな分野で活躍する窪塚洋介さん。実は自他ともに認める腸活マニアです。体内環境について学ぶ中で出合った腸活を始めて約5年。腸活の魅力や、自身の変化について、たっぷり語っていただきました。

窪塚洋介 インタビュー 腸活

窪塚洋介

俳優

窪塚洋介

1979年5月7日生まれ。神奈川県出身。1995年に俳優活動を開始。2001年には主演映画『GO』で新人俳優賞と史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞。2017年には映画『沈黙-サイレンス-』でハリウッドデビュー。2024年には10冊目となる著書『窪塚洋介の人生攻略本』をリリース。2025年秋に公開予定の映画『次元を超える TRANSCENDING DIMENSIONS』では、松田龍平とともにW主演を務める。

腸活にハマったきっかけは、コロナ禍に出合った1冊の本

窪塚洋介 腸活 インタビュー 写真

──最近、窪塚さんはご自身のことを窪塚“腸介”と称し、さまざまなメディアで腸活の魅力を発信されていますが、腸活を始めたきっかけを教えてください。 

窪塚さん:2020年のコロナ禍に、千葉で300年以上続く造り酒屋、寺田本家の23代目当主である寺田啓佐さんが書かれた『発酵道:酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』という本を読んだのがきっかけでした。

発酵や微生物が体にいい働きをするということはなんとなく知っていたけれど、この本を読んでもっと知りたいという欲が湧いてきて。すぐに自分がナビゲーターを務めているYouTube番組で寺田本家に取材に行き、当主の寺田優さんに酒蔵を見せてもらったり、発酵に関するお話を色々と聞かせてもらいました。

直感で、これは間違いなくみんなにシェアしなければいけないと思って、そこから自分のことを「窪塚腸介です」なんて言いながら、核心に迫る情報を発信するようになったんです。

──この本に出合うまで、腸活はしていなかったのでしょうか?

窪塚さん:まったくしてないですよ。親が食育にすごく気を遣っているような家庭ではなかったし、子どもの頃はお菓子ばっかり食べてたかな。今の自分から見たら完全にダメだと思う食生活を普通にしてました。

ただ父親は、キャンプとか釣りが好きだったから、よく家族で一緒に行っていて、なんとなく自然に近いものが好きになったのは
その影響があるのかも。

19歳で上京してからは、ほとんど毎日外食。夜更かしして、好きなものを食べての繰り返し。でも
30代後半に入って、焼肉を食べながら飲み明かしたり、締めのラーメンを食べたりすると、翌日体が重いなと感じるようになってきて。20代の頃に比べて、明らかにリカバーする速度が遅いことに気づいたんですよね

まぁ、25歳のときにマンションから落っこちたこともあったし(笑)。当時は平気だったけど、そろそろ自分の体を労る必要もあるだろうと思うようになって、漠然と何か対策をしないといけないと思っていたタイミングで腸活に出合えたのはラッキーでした。

寝る前の空腹の音は、「祝福のラッパ」みたいなもの

窪塚洋介 インタビュー ポートレート

──最初にどんな腸活からスタートさせたのでしょうか?

窪塚さん:“寝る前の3時間前からものを食べない”ことですね。心だけでなく体もしっかり休ませることを意識するだけで、朝起きたときにすごくスッキリしているんですよ。「心身ともに本当に寝る」感覚が掴めた感じ。手応えがあるからやりがいもある。だから続くんだよね。

たまにお腹が空いていたら寝られないって言う人がいるけれど、俺はマインドセット次第で寝られるようになると思っていて。お腹が空いている時間に体内の細胞は若返るっていう話もあるじゃないですか。

だから寝る前に腹が鳴ってると、むしろすごくいい。俺にとっては「祝福のラッパ」みたいな感じですよ(笑)。そう思うようになってからはすぐに慣れて寝られるようになりましたね。

それから、晩ごはんはなるべく18:00には食べはじめて、翌日の朝ごはんまでの間は12時間空けるようにもしています。でも会食がある日は夜遅くに食べることももちろんあるし、絶対ではなく、できる限りやるっていう気持ちでいるのも大切。体にいいことをしているのに、それをするためにストレスがたまってしまったら本末転倒だから。

ストイックにやりすぎると続かない。できる範囲で続けるのが大事

──腸活をするからと言って、大好きなお酒とタバコを辞めずにいるのは窪塚さんならではですよね。

窪塚さん:あまりにストイックになりすぎるとつらくなって続かないと思うんですよね。だからお酒もタバコも辞めてない(笑)。ただ腸活を始めてからは、無農薬の日本酒やナチュールのワイン、芋焼酎を選ぶようにしたり、なるべく週3回しか飲まないようにしたりとか、気を遣うようにはなりましたね。

普段の食事で気を遣っている分、月に何度かはファストフードやラーメンを食べても調子が悪いと感じることはなくなりましたね。自分にとって腸活を心地よく続けられるバランスを見つけるのが大事なんじゃないかな。

窪塚洋介 最近 写真 

──腸活は1日でも結果を感じられるとのことでしたが、継続しているからこそ感じられる効果もあるのでしょうか?

窪塚さん:俺の場合は、深酒しても翌日残りづらくなったし体力的にも精神的にもパワーがついた気がする。昨日も映画のプレビューで1日中テレビの取材だったんですけど、最後まで楽しみながら走り続けられたし。

あとは、最近、肌がきれいになったと褒められる機会が増えたのにも驚いています。お酒もタバコも辞めずにこの効果が出ているのは、十分すぎるくらい腸活の恩恵を受けられているということかなと。

──脳腸相関(脳と腸が互いに影響し合う関係)はyoiでも話題のテーマですが、窪塚さんは腸活を始めて、メンタル面でも自分が変わったと実感することはありますか?

窪塚さん:かなりありますね。腸活をする前の20代の頃は、イライラしやすかったし、ムカつくとどこでもデカい声で怒鳴っちゃうみたいなことも、まぁ、あったんだけど(笑)。腸活で体に気を遣うようになってからは全然。良い腸内環境のおかげで、心も健康に、穏やかになったんだと思う。

──ではこのまま腸活は続けていくつもりですか?

窪塚さん:もちろん! 今これだけ結果が出ているのだから、継続すれば歳を重ねたときに、やっていない人との大きな差を感じるんじゃないかなって。

脳と腸は密接につながっているというのも、本当にその通りだと感じていて。腸の状態がよいと体全体が整って、毎日のパフォーマンスがアップする気がするんですよね。もっと大きく考えれば、その積み重ねが“幸せを引き寄せる力”にもなる。俺はそう思って続けています。

あくまで、やるかやらないかは自分自身の判断かなと思うし、強制はしないけどね。

INFORMATION

映画『フロントライン』
全国公開中 出演:窪塚洋介、小栗旬、松坂桃李、池松壮亮ほか 企画・脚本・プロデュース:増本淳 監督:関根光才 配給:ワーナー・ブラザーズ映画 (c)2025「フロントライン」製作委員会

撮影/久野美怜(SIGNO) ヘア&メイク/佐藤修司 取材・文/菊池美里 企画・構成/福井小夜子(yoi)