「日本フェムテック協会認定資格2級」「メディカルアロマインストラクター」の資格を取得し、積極的に女性の心身の健康について学び、発信している俳優・モデルの石田ニコルさん。放射線技師を目指した学生時代から、国際女性デーのスペシャルインタビューとして、30代になってフェムケアやフェムテックの勉強をはじめた想いを伺いました。

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石田二コル

俳優・モデル

石田二コル

1990年生まれ。「神戸コレクションモデルオーディション2010」で グランプリを受賞し、モデルデビュー。現在は、モデル業に加え、映画やドラマ、ミュージカル俳優としても活躍。ダイビング、スキンダイビングのライセンスを取得し、サンゴの保護活動などにも取り組む。2024年に「日本フェムテック協会認定資格2級」、2025年に「メディカルアロマインストラクター」の資格を取得し、女性のウェルネスに関する情報を積極的に学び、発信している。

医療系で働きたいと思い、放射線技師を目指した学生時代

──女性のメンタルや体について、積極的に学び、発信している石田さん。学生時代は、レントゲンやCT、MRIといった放射線治療を担う放射線技師を目指していたそうですね。きっかけは何だったのでしょうか?

石田二コルさん(以下、石田)幼い頃祖父が入院していて、医師や看護師の仕事を間近で見ていたのがきっかけです。看護師に憧れ、病院で働きたいという想いを抱いていました

そして、高校生になって進路を決めるタイミングで女性の放射線技師が少ないという現状を知ったんです。女性の技師が少ないから、乳がんのX線検査を男性の放射線技師が担当することが多くなる。それが理由で検診をためらう女性もいるということを知って、放射線技師を目指しました。

──学生時代からモデルとして活躍する中で、大学の勉強は大変だったのではないでしょうか。

石田大学1年生の頃から仕事がどんどん増えて、正直、大変でした月曜日から土曜日まで大学に行き、日曜日は図書館で複数のレポートを仕上げる日々。

放射線技師になるには、3年以上大学や専門学校で学び、病院実習を含めて必要な単位を取り切ったうえで、国家試験に合格する必要があります。放射線技師になるための勉強を続けるか、本格的にモデルの仕事を極めていくか、選択を迫られました

たくさん悩む中で、女性のウェルネスのためにメッセージを発信するなど、モデルという職業だからこそできることがあるんじゃないか、という想いが芽生えたんです。

葛藤の末、今しかできないことを選ぼうと思い、モデルの仕事に専念することに。1年生分の単位は全部取り切ったのですが、大学を早期退学しました。

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──当時、勉強したことが、今の石田さんに影響を与えている部分はあるのでしょうか?

石田知的好奇心をもって、原因を探る姿勢は、学生時代の経験を通して育まれたと思います。興味を持って調べて、理解する。このプロセス自体が好きで、結果的に今の自身の心や体との向き合い方に生きていて、適切なセルフケアを選ぶ力につながっていると感じています。

特に体のことについては、学生時代に解剖学や生理学を学んでいおかげで、調べたこともスッと頭に入ってきやすいのも、よかった点ですね。

30代でフェムテックとメディカルアロマの資格を取得。新しい世界に出合えた

──最近「日本フェムテック協会認定資格2級」「メディカルアロマインストラクター」の取得をされたそうですね。もともと知的好奇心が旺盛な石田さん。30代半ばに差し掛かり、女性の心身の健康に関する勉強に、積極的に取り組むようになった理由を教えてください。

石田:30代に入り、意識的に“自分のための時間”をとっていた時期があり、そのときに新しい知識を取り入れたいという欲求がわいてきたんです。放射線技師を目指したきっかけにも通底しますが、“女性のために”という想いがもともと自分の中には強くありました

女性は、生理、PMS、更年期など女性ならでは身体的な大変さを抱えやすい。自分自身もそれを痛感していたので、自分の健康のため、そして女の子や女性たちの拠り所になりたい考え、フェムテックの勉強をはじめました

資格取得の際には、病気やその予防法、ホルモンの仕組み、性教育の現状などの基礎知識に加え、それに対処するためにはどんなアイテムが有効なのかを勉強します。実際、私自身、勉強を通して生理痛を上手に緩和できるようになり、QOLが上がりました。 


また、もともとダイビングやスキンダイビングのライセンスを取得するくらい、自然が大好き。生理痛やPMSを和らげるのに、ハーブティーなど自然由来のものでサポートするというのが、私にとってはすごくしっくりくる方法でした

植物を使ってヘルスケアができるメディカルアロマの知識は、そういった自分の根底にある感覚に通じるものがありました

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──資格を取得したことで、気づきや、価値観の変化はありましたか?

石田:フェムテックに限らず、すべての人に共通する概念として「ヘルスリテラシー」という言葉を知ることができたのは、私の中でとても大きなことでした。「ヘルスリテラシー」とは、正しい知識を持って、自分の体をケアし、生活の質を上げるという意味。

この言葉を知ったとき、自分の実体験とリンクして、私は女性たちのヘルスリテラシーを高める助けになりたかったんだと気づいたんです。知識が増えただけではなく、情報発信に対して責任を持つ覚悟や、もっともっと勉強をしようというモチベーションにもつながりました

30代で新しい知識を入れるという体験が自分のマインドを一段上げ、新しい世界を見つけられた」という感覚も得られました。

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自分に合った知識を得ることで、ラクに生きられるようになった

──石田さんのこれからの目標や、女性の健康に対する今の想いを教えてください。

石田:私自身、生理痛がつらくても母親にも言えず我慢していた過去がありました。だからこそ、年代問わず、どんな環境やどんな選択をしていたとしても、今の自分を変えることなく、女の子、女性たちがヘルスリテラシーを高める機会がもっと身近に増えたらたらいいなと思います。

悩みも在り方も人それぞれ。でも我慢も、無理もしなくてもいい

私は自分に合った知識を得ることで、今よりラクに生きていけると感じました。だからこそ、もっともっと勉強して、悩んでいる人の拠り所になりたいと思っています

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撮影/井手野下貴弘 ヘアメイク/岡田知子 スタイリスト/秋島亜未 構成・取材・文/長谷日向子