yoi編集部員のK&Tと、ライターRの3人が、個人的に「yoi!」と思うものを紹介する連載「yoiチョイス!」。第6回のテーマは、「サードプレイス」です。3人が、心をヘルシーに保つために大切にしている居場所について語り合います。

yoiチョイス yoiエディター  サードプレイス

♡メンバープロフィール♡
エディターT:1993年生まれ。yoi編集部員。サードプレイス初心者。来年は、二人のアドバイスをもとに、毎週のように通えるお店を見つけたいと計画中。
エディターK:1992年生まれ。yoi編集部員。お酒が入ると非常に陽気になるため、新たな友人作りは酒場でするのが基本。
ライターR:1991年生まれ。20代半ばに突入した頃、サードプレイス作りに目覚める。最近、近所のコーヒーショップで出会った仲間と韓国旅行を満喫。

人間関係が変化しても孤独知らず! 30代になってから実感した、サードプレイスの大切さ

エディターT:ふたりは、心が疲れたと感じたとき、どうやって回復させてる?

ライターR:好きなエンタメ作品に触れたり、お散歩したり。でもいちばんは、“サードプレイス”に出かけて、そこで出会った仲間と他愛のない話をすることかな。

エディターK:サードプレイスに行くと元気になれるよね。

エディターT:ふたりともそういう場所を持ってるんだ! 素敵〜♡

そもそも「サードプレイス(第3の場所)」とは、アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが提唱した、家でも職場でもない居心地のいい場所のことで、カフェやクラブ、公園などがその代表例だそうです。

エディターK:日本では、10年くらい前に一度話題になったよね。

ライターR:で、コロナ禍に入ったときに、欧米を中心に再び聞かれるようになったキーワードだよね。先月、ヨーロッパを旅したんだけど、公園やカフェで、友だちとおしゃべりに没頭したり、リラックスしたりしている人がものすごく多くて驚いた。

サードプレイス ベルリン 公園

ドイツ・ベルリン。日曜日、近所の人たちのコミュニティスペースである公園は大にぎわい。/ライターR撮影

エディターT:そもそもRさんは、なぜサードプレイスを持つようになったの?

ライターR:年齢や経験を重ねて、ライフスタイルや価値観が変化すると同時に、ずっと仲良かった友達と疎遠になった経験ってない? 私は社会人2年目のときにそれを経験して、孤独を感じていたときに、家の近所にあるミュージックバーに通うようになったの。そうしたら、同じ音楽好きの仲間がたくさんできて! それ以来、サードプレイスをいろんな場所に作ってる

たとえば、音楽の話がしたいときは、さっき話したミュージックバーへ。ファッションの話がしたいときは、行きつけの古着屋さんへ。社会問題について話したり、トレンドについてキャッチアップしたいときは、コーヒーショップへ行くようにしている。

友達と呼べるほどの強いつながりではないかもしれないけれど、共通の趣味や話題で、ゆるやかに繋がっている人が各所にいるってだけで、心が満たされるんだよね

エディターT:すごくいい! 楽しそうだなぁ。

ライターR サードプレイス Lille Bakery

デンマークのコペンハーゲンにある人気のパン屋「Lille Bakery」。
年齢も性別もバックグラウンドも異なる人たちが集まり、おいしいパンを食べながら語らう姿がちらほら/ライターR撮影

エディターK:私の場合、家の近所のバーがサードプレイス! そこは学者やアーティスト、落語家さんとか、普通に生活していたら出会えないような人が飲みに来ていて、とにかくみんなの話が面白いの。この間は、昆虫学者にトンボの生態について教えてもらったんだけど、ワクワクした(笑)。

ライターR:トンボの生態トーク! 内容が気になる(笑)

新しい刺激に出会えるのもサードプレイスのいいところだよね。友だちが増えるのと同時に、自分の中の引き出しもどんどん増えていく感覚が味わえる

エディターK:そうそう。あとは、仕事終わりにちょっと飲むだけでも、全然違う世界に行ける感じがして、気持ちの切り替えをするのにいいんだよね

私は特に、30代になってからサードプレイスの大切さを実感するようになった。「これからの人生どうなるんだろう…」と不安を抱えることも多いけれど、サードプレイスに集まるいろんな世代や職業の人の話を聞いていると、「まあなんとかなるか!」と思って気が楽になるんだよね(笑)

エディターT:ふたりは、そういったサードプレイスをどうやって見つけているんですか? 私も欲しい!

エディターK:私は、基本的に毎日お酒を飲むので、バーや居酒屋などのお酒が飲めるスポットから探すかな。家の近くを散歩して、気になったらとりあえず入ってみて1、2 杯飲む。常連さんやお店の人の雰囲気が良かったら何度か通ってみて、いつの間にか顔なじみになっている感じ?

ライターRワンマイル圏内で見つけた方がいいよね。そうしたほうが、定期的に通うことができて、お店の人はもちろん、そこの常連さんとも友だちになりやすい。ちなみに、こじまんりとした個人店がおすすめです! 

あと、自分が好きなモノやコトを頼りにスポット探しをするといいかも。例えば、私の場合は、いつも“音楽”、“日本のデザイナーズファッション”、“韓国文化”といったキーワードで、サードプレイス探しをすることが多い。

エディターT:たしかに。そうすれば、自分にピタッと合うお店に出会う確率が高まりそう。今度の休日は、近所を散歩してそういったお店探しをしてみようと思います!

サードプレイスの見つけ方

ライターRでも、サードプレイスで必ずしも人とのつながりを作ろうとしなくてもいいと思う。家でも会社でもなくて、ホッとひと息つけて、ゆっくり考え事をしたり、本を読んだりできるってだけでも十分じゃないかな。

エディターK:それでいうと、私にとって宝塚歌劇団の劇場はそういう場所!

ライターR:私は、知的好奇心を満たしてくれる、代官山蔦屋のシェアラウンジや、有栖川図書館、神保町にある韓国専門本屋「チェッコリ」がそういう場所かな。

エディターT:へぇ〜神保町に韓国専門の書店があるとは。今度のぞいてみよ。

ライターR:韓国カルチャー好きにはたまらない場所だと思う。エッセイ、小説、教材とか、話題の書籍が一堂に介してて、いつも長居しちゃう(笑) 定期的にトークイベントも開催しているからそれに参加するのもおすすめ。

チェッコリ 書籍 ライターRおすすめ

ライターRが「チェッコリ」で購入した書籍や無料の冊子。

エディターT:面白そう。これを読んでくれている読者の方のサードスポットも気になるなぁ。そういう場所を持っているよ、という方はぜひ教えてください!

エディターK:では今回はここらへんで。次回は、「お酒とおつまみ」をテーマにトークします。

文/海渡理恵 イラスト・企画・構成/木村美紀(yoi)