2024年10月からスタートした、「yoi」

「集英社yououriプロジェクト」とは?
2024年10月から、「yoi」
「結婚願望がある」と回答した高校生は80.4%、大学生は82%
高井:前回は『Seventeen』と『non-no』読者の恋愛観を伺いながら、若者の恋愛離れを検証しました。今回は、結婚観についてお話ししたいと思います。現代の若者は結婚願望が希薄化しているという声もありますが、『Seventeen』と『non-no』の読者はいかがですか?
青柳:前回に引き続き、『Seventeen』2024年夏号の『STスーパーアンケート2024』を元にお話ししますと、「将来結婚したい?」という問いに「はい」と回答した読者は80.4%。「いいえ」は8%、「わからない」が11.6%でした。
石井:『non-no』読者については、『令和の大学生の“自分軸恋愛”事情』(2025年1・2月合併号)という企画でのアンケート調査の結果を参考にお話しします。「結婚願望はある?」の問いに「はい」答えた人は82%、「いいえ」と答えた人は18%でした。
高井:どちらの読者も、結婚願望がある人が8割以上。かなり高い割合ですね!
石井:ちなみに結婚したい年齢を聞いたところ、平均27.1歳でした。10年前に行われた恋愛にまつわるアンケート調査では、平均26.6歳。理想の結婚年齢は、0.5歳しか変わっていないことが判明しました。
高井:この10年で恋愛や結婚にまつわる価値観は大きく変化した印象がありましたが、理想の結婚年齢は、ほとんど変わらないんだ!
青柳:『Seventeen』読者の結婚したい平均年齢は28.3歳。『non-no』読者の平均年齢よりも、1.2歳上ですね。
高井:高校生と大学生では、結婚のリアリティに差がありそうですよね! 大学生は就活に伴い、将来について深く考える機会が増えますし。
「将来、子どもが欲しい」という回答は高校生78.7%、大学生83%。
高井:子どもを持つことについては、どういった意識なんでしょう。
青柳:「将来、子どもは欲しい?」という質問に対して、「欲しい」と回答した人は78.1%。結婚願望がある人の割合を、若干、下回る結果になりました。
石井:『non-no』では、「子どもが欲しい」と回答した人は83%。結婚願望がある人の割合を1%、上回りました。
高井:子どもを持つことについても、ポジティブに考える人が大多数! この結果も予想外でした。
大学生は、交際相手と結婚を意識!

高井:前回の座談会では、『non-no』読者はとても地に足のついた、恋愛との向き合い方が印象的でした。「恋愛をしたいからするのではなく、好きな人と恋愛したい」という意識を持つ人が多かった印象だけど、結婚については、どう考えているんだろう?
石井:結婚に対しても、とても堅実な印象を受けます。「好きな人ができた時、その人のことを結婚相手として意識する?」という質問に対して、「はい」と回答した人は85%にも上りました。
高井:大学生の時点で、結婚を視野に入れて恋愛しているということ!?
石井:そうですね。交際相手がいる人に対して、「今の恋人と将来結婚したいと思う?」と聞いたところ、85%が「はい」と答えていました。
高井:ということは、結婚相手に求める条件は、恋人に求める条件と大きくは変わらないのかな?
石井:結婚相手に求める条件を複数回答可で募ったところ、1位は「優しく、思いやりがある」、2位は「一緒にいて落ち着く」と、恋人に求める条件と同じ結果に。しかし、3位に「経済力がある」、4位に「金銭感覚が合う」がランクインしており、この2点が恋人と結婚相手との大きな差でした。「結婚後も仕事を続けたい」人が95%ですが、相手にまったく経済力がなくてもいい、とは思わないようです。
高井:結婚に対しても、大学生の頃からしっかりした考えを持っているんですね…!
現代の高校生&大学生は、恋愛に依存しない?!
高井:恋愛と同様に、結婚に対しても、より真面目かつ真剣に向き合う人が増えているようですね。そういった意識の変化は、恋人とのつき合い方にも表れているのでしょうか?
石井:アンケート調査の結果で印象的だったのが、デートの頻度。1位から順に「1週間に1回」、「1か月に1回」、「2週間に1回」と、自分のまわりの社会人カップルとそう変わらない回数でした。同じ大学で出会って交際に発展している人が多い割に、デートの頻度が少ないな、と。
青柳:『Seventeen』ではさらに頻度が低く、1位から順に「2週間に1回」、「1か月に1回」、「1週間に1回」。デートを控える受験生の割合を加味しても、回数は少なめですよね。
高井:確かに少なく感じますね! 社会人と比べたら、時間に余裕があるはずだけど…何でだろう?
石井:恋人がいても、一人の時間を大切にしている人が多いのかな、と。「自分の時間と二人で過ごす時間のバランスはとれている?」という問いに対して、85%が「はい」と回答。さらに、「時間配分について恋人と話し合ったことがある」人は、49%もいました。
青柳:一人の時間を大切にする意識は、『Seventeen』読者にも共通している気がします。今回の企画のために「いい関係を築くために、二人の間で決めているルールはある?」というアンケートをとったところ、「お互いに友達も大切にする」、「それぞれの自由な時間を尊重する」という回答が多数寄せられました。
石井:『non-no』読者も、同じ質問に対して、「お互いの生活に干渉しすぎない」、「束縛しない」、「まずは自分が第一! 相手のことは、その次に考える」といった回答が目立ちました。
高井:なんて理性的! 恋人が第一優先という感じじゃないんだね。
話し合える、我慢しない…フェアな関係が現代のスタンダード
青柳:いい関係を築くためのルールで次に多かったのが、「言いたいことは言う!」、「嘘をつかない」、「我慢しない」。恋人に合わせるのではなく、お互いにストレスなくつき合える、フェアな関係を築こうとする姿勢が見て取れました。
石井:『non-no』も同じく、「“イヤ”と伝えたことはしない。その代わり、伝えていないのに怒るのはナシ!」、「気になることがあったら、つど話すようにしている」など、気持ちを伝え合うことを重視する声が多数ありました。ケンカの頻度は「まったくしない」が1位で51%という結果も、きちんと話し合えていることの表れかと。
高井:自分の時間や気持ちを大切にしてこそ、対人関係もうまくいくということを、ちゃんと理解した上で恋人ともコミュニケーションが取れているんですね。今、高校生の『Seventeen』世代が、2~3年後に大学生の『non-no』世代になったときは、また意識が変わっていくのか、気になります!
イラスト/MIDORI KOMATSU 構成・取材・文/中西彩乃