「脱毛は若い女性がワキなどにするもの」という旧来の認識が、ここ数年でがらりと変化してきたと思いませんか? 手足以外にも、デリケートゾーンなど下着や衣服で通常覆われるパーツの体毛をケアする人が増加。男性の脱毛や介護に備えた体毛の処理など、年齢や性別を問わず「体毛ケア」の意識が浸透してきています。
と同時に、「毛がないほうがいいという価値観ってどうなの?」「そもそも身を守るために備わった毛をそる必要はないのでは?」といった“ボディ・ポジティブ”の考え方に基づいた声も上がり、体毛に関する人々の意識の幅も広がっているよう。
こうしたなか、「みんなはどの部位をどう脱毛しているのか?(していないのか?)」「性別や世代で体毛意識にどんな違いがあるのか?」など、気になる実態を医療脱毛専門院『リゼクリニック』が調査しました。10代〜60代の男女1,560名を対象にした調査結果から、最新の体毛&脱毛の現状をひもときます。
男女ともに体毛ケアしている部位、男女で意識の差が大きいパーツは?
■男女ともに7割以上が顔の毛をケアしている!
「顔の毛のケアをしていますか?」という質問に対して、女性は80.2%、男性は74.1%がケアしていると回答。なかでも、年代別で見ると30代が男女ともに最多の割合でケアしています。ヒゲの処理が必要な男性を上回る割合で、女性も顔の毛をケアしていることが判明。
■顔の毛は自己処理派が多数
顔の毛に関しては、男女ともに自己処理で対応している人が7割以上。脱毛(クリニックなどで脱毛をしている、または脱毛済み)の割合はさほど高くなく、男性が1.5%で、女性が6.4%。最多割合は20代女性の19.2%でした。
「顔の毛」に対して、ケアをしている割合に男女で差が開いたのがワキ毛・腕毛・脚毛といったパーツ。
■“ワキ毛”を脱毛している女性の割合は男性の23倍
ワキ毛をケアしているのは男性で約2割に対し、女性は約8割という結果に。なかでも女性はケア方法に“脱毛”を選択している人が23.6%と比較的多く、男性の脱毛率1.0%と大きな差が。
■20代女性では3人に1人が“腕毛”を脱毛している
腕毛のケア率については、男性が17.6%、女性が65.7%となっています。なかでも20代女性での脱毛率が高く3人に1人(33.1%)が脱毛をしている、もしくは脱毛済みということがわかりました。
■脚毛をケアする10代女性の8割以上が自己処理で対応
男性は21.1%、女性は73.1%が脚毛のケアをしていると回答。そのなかで10代女性の自己処理率が高く、83.9%となっています。20代女性の52.9%が脱毛しているのに比べて、ほぼ小中高の学生時代に対応する10代女性では、当然ながら脱毛率は8.5%と低い割合に。
■男女ともに年代が下がるにつれ、体毛のケア率が増加
女性に対して男性のケア率が低いワキ毛・腕毛・脚毛ですが、男女問わず年代が下がるにつれケアをしている比率が高くなる傾向にあるよう。男女問わず、若い世代に体毛ケアの意識が浸透しているのがうかがえます。
20代女性にVIOやおしり脱毛をする人が多い!?
■20代は男女ともにアンダーヘアのケア率が高め
「アンダーヘアのケアをしていますか?」という質問への回答を男女別で見てみると、女性は45.7%、男性は25.4%がケアしているとのこと。さらに年代別で回答を見てみると20代女性の73.8%、20代男性の39.1%がケアをしていて、男女ともに20代でアンダーヘアへの意識が高いことがわかります。
■おしりの毛への意識も20代男女で高い傾向に
おしりの毛(Oライン・臀部)のケアをしている人の割合は、女性が22.6%、男性が19.8%。アンダーヘアを処理している人と比べると率は少し下がりますが、同様に男女とも20代が最多に。さらに、20代女性の約3割が脱毛という形でケアをしており、おしりの毛についても意識・関心が高いようです。
脱毛に求めるメリット第1位は「自己処理の手間が省ける」
■“自己処理の手間が省ける”が脱毛のメリット
ちなみに、「脱毛にどのようなメリットを求めますか?」(複数回答可)という質問には、“自己処理の手間が省ける”と男性の50.8%、女性の75.4%が回答。ほかにも、“清潔感アップ”や“日常生活の快適さ”など、QOL(クオリティオブライフ)向上のひとつの手段として脱毛を考えている人が男女ともに多いことがわかります。
■脱毛により“自己肯定感を上げる”という声も
10代女性で顕著だったのが、見た目を意識した回答です。10代女性では“見た目のキレイさ”と回答した人が83.8%、“自己肯定感を上げる”が50.0%、“よりオシャレを楽しむ”が49.2%などが、ほかの世代より回答率が高い傾向に。異性や同性など他人からの見た目というよりはワキや手脚、顔などの“ムダ毛”をきちんとケアすることで、自分自身が満足することを重視しているのがうかがえます。
さまざまなメディアで「脱毛」が取り上げられたり、SNSで脱毛を公言するインフルエンサーの存在を目にするなど、若年層にとっては美容のひとつとして体毛ケアが受け入れられている実態も浮き彫りに。
クリニックでの脱毛からセルフケアのためのツールまで、体毛をケアするための選択肢も豊富な現在。旧来の価値観やトレンド、「脱毛しなければならない」といった固定概念にとらわれることなく、どう自分らしくありたいかを考えて「体毛」と上手につき合っていきたいですね。
次回、【2022年の最新 体毛&脱毛事情・パート2】では、妊活脱毛や介護脱毛など、近年耳にすることの増えてきた脱毛に関する用語についてまとめます!
構成・文/政年美代子 イラスト/forest eternal 資料提供/医療脱毛専門院『リゼクリニック』