yoi編集部員のK&Fと、ライターRの30代3人が、個人的に「yoi!」と思うアイテムやエンタメなどを紹介する「yoiチョイス!」。今回は特別編として、年末年始に観たい映画をテーマに語り合います。

yoiチョイス yoiエディター  年末年始 映画

♡メンバープロフィール♡
エディターF:1987年生まれ。yoi編集部員。週末、子どもが寝たあとにプロジェクターで映画を観る時間が楽しみ。
エディターK:1992年生まれ。yoi編集部員。映画を観る時間が、メンタルケアに欠かせない。
ライターR:1991年生まれ。頑張った自分へのご褒美は、映画館のプレミアムシート。

2024年公開のマイベストムービーを大発表! 心がじんわり温まる映画が豊作

エディターK:2024年公開のマイベストムービーは何?

ライターR
:私は、パスト ライブス/再会。A24と韓国のCJ ENMが初めて共同制作して、ゴールデン・グローブ賞では作品賞・監督賞・脚本賞など主要5部門、アカデミー賞でも作品賞と脚本賞にノミネートされた作品です。

エディターK
:素晴らしいよね、この映画は。

エディターF:やっぱりいいんだ。評判がいいことは知っていたけど、私はまだチェックできておらず…。

ライターR
:映画に流れる落ち着いたムードが年末年始にぴったりなので、ぜひ。主人公は、ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。お互いに淡い恋心を抱いていたけど、ノラの海外移住によって離れ離れに——。そんな二人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いているんだけど、胸がギューーッとなる。「あの時に違う選択をしていたら、今どうなっていたんだろう?」って考えてしまうことってあるじゃない? そういう人生のほろ苦さをまるっと包み込んでくれるような作品です。ノラ役のグレタ・リーがすごく美しくて、魅力的なんだよね〜。

エディターK
:大人のラブストーリーと謳われているけど、移民のアイデンティティを描いた映画という印象が強い。

ライターR:それはそう。こういった作品がこれからの時代は増えていきそうだよね。ちなみに、今年公開ではないけれど、ピクサー作品マイ・エレメントもおすすめ。韓国系アメリカ人のピーター・ソーン監督自身の体験や、PIXAR社内の移民に関するエピソードを持つ数百人の話を集めて制作した作品です。映画を観たあとに、監督が自身の軌跡を振り返ったドキュメンタリー『マイ・エレメント』が起こす奇跡の化学反応:メイキング映像もチェックしてほしい。

映画 パスト ライブス/再会

パスト ライブス/再会
Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved
●U-NEXTにて配信中

エディターF:私のマイベスト映画は、役所広司さん主演のPERFECT DAYS。とにかく役所さんがカッコいい! 清掃作業員の日常を描いた作品で、繰り返し観ていると好きなシーンができるんだよね。監督が外国人ということもあって、ところどころ「そんなわけないよ〜」というシーンもあるんだけど、それも楽しめる作品。

エディターK:そういえば、ギリシャ旅行に行った時に出会った現地の人に、「あの映画はすごい! 役所広司が最高だ!」と話しかけられた(笑)。

ライターR:海外で絶賛されていますよね!?

エディターF:海外の人がイメージする日本を描いた「ロスト・イン・トランスレーション」的な作品だからね。ちなみに、私はラストシーンが好き。役所さんの演技が圧巻なんだよね。

ライターR:Fさんがそこまで言うなら絶対にいい作品なんだろうなぁ。必ずチェックします!

映画「PERFECT DAYS」役所広司

PERFECT DAYS
© 2023 MASTER MIND Ltd.
U-NEXTにて独占配信中

エディターF:あと、ほっこり系映画だと実話を映画化したホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディもよかった。クリスマスと新年を過ごす孤独な3人の物語で、誰も傷つけないし、すべてうまくいく! 今日はただただ幸せになりたいってときにぜひ。 

エディターK:私がそういう時におすすめの作品は、お隣はヒトラー?かな。ハッピー100%の物語ではないけれど、おおむね心温まる感じで終わるので。

映画 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』60秒予告

エディターF:あと、ブルー きみは大丈夫もよかった。イマジナリーフレンドの物語で、子ども向けだと思っていたけど、大人の心にも沁みる作品でした。

ライターR:モフモフのキャラクターが可愛い〜!! 

映画『ブルー きみは大丈夫』ティザー予告

エディターK:私は、A24史上最高の製作費をかけたというシビル・ウォー アメリカ最後の日かな。派手な映画かと思って観に行ったら、意外と静かでロードームービーのような感じもあって不思議な作品だった。物語は、内戦中のアメリカで、4人のジャーナリストが独裁的な大統領への取材を目指し、戦火のワシントンD.C.へと向かうという内容。

予告編ではアクションが多い社会問題を前面に押し出した映画に見えたけど、実際には人種差別や政治問題に触れつつ、一人の女性の成長や、旅の仲間たちとの人間ドラマも描かれている。観る人によって、どの部分が印象に残るかが変わる映画だと思います。きっとアメリカ特有の皮肉やメタファーがたくさんちりばめられていて、それをすべて理解できたら、さらに面白さが増す映画なんだろうなと感じました。

エディターF
:これ、A24の作品だったんだ。

エディターK
:そうなんですよ。ちょっと意外ですよね。

【10.4 公開】映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』日本版本予告

エディターK:あと、今年公開作だと、第96回米国アカデミー賞で4部門受賞した哀れなるものたちジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」が印象に残っている。この2作品は同時期に公開されていて、同日に観たんだけど、どちらも女性が体を売ることで何かを得ていくという点が共通していて、いろいろ思うところがあった。

ライターR:「哀れなるものたち」のエマ・ストーンの演技はさすがだったよね。女性が主人公の映画といえば、2人の女性の半生と友情を描いた物語。韓国映画ソウルメイトも印象に残っているかなぁ。今年大ブレイクした俳優、ピョン・ウソクも出演していて、「友情とは?」「自分らしく生きるってどういうこと?」とか、いろんなことを考えさせられる映画でした。

映画「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」60秒予告編

「梨泰院クラス」のキム・ダミ主演 映画『ソウルメイト』予告編

心の揺さぶるロードムービーで多幸感に包まれる

ライターR:さっき紹介した「パスト ライブス/再会」もそうだけど、年末年始は心の奥深くにじんわりと響く起伏の少ない映画が観たくなる。人々の交流を細やかに描いたロードムービーとかさ。

エディターF:わかる〜。ロードムービーだと、全米美少女コンテストの本戦出場のために、ミニバスに乗り込んだ個性的な家族の旅を描いたリトル・ミス・サンシャインが一番好き。

ライターR:ハートフルな作品ですよね。私のおすすめは、ホアキン・フェニックス×マイク・ミルズ監督×A24のタッグ作品カモン・カモン、西ドイツ映画バグダッドカフェ映画監督のアニエス・ヴァルダとストリートアーティストのJRが、フランスの田舎町をともに旅するドキュメンタリー映画顔たち、ところどころですね。

「カモン カモン」は、NYで一人暮らしのラジオジャーナリストのジョニーと9歳の甥っ子ジェシーが主人公で、ふたりがぶつかりながも不器用に歩み寄ろうとする姿に心揺さぶられます。ジェシーがジョニーに投げかける質問や、アメリカの若者たちへの台本なしのインタビューはハッとさせられます。

映画『カモン カモン』本予告(100秒)

ライターR:1987年公開の名作「バグダッド・カフェ」は、バグダッド・カフェに集う個性的な人々を描いた作品で、Jevetta Steeleが歌う名曲「I'm Calling You」が沁みるんだよね。4Kレストア版が、12月13日から全国公開されるから絶対映画館に観に行きたい! 

エディターF
:「バグダッド・カフェ」の再上映は私も気になってた。たしかに年末年始に観るのにいいね。

『バグダッド・カフェ 4Kレストア』予告編/2024年12月13日(金)全国公開

エディターK:私は、いわゆるロードムービーものとはちょっと違うかもしれないけれど、ロード・オブ・ザ・リングシリーズ! 大人になって観返すと見方が変化して面白い。人間の強さと弱さが描かれていて、実はかなり深い映画。

ライターR
:たしかに、ロードムービーといえばロードムービーかも(笑)。3時間超の作品だから、時間に余裕のある年末に見返すにはぴったりだね。

二度と観たくない!? 怖い映画こそ時間がある年末年始に

エディターF:私、ほっこり系もいいけれど、年末年始こそ、明日の仕事を気にしなくていいから、闇落ちしてしまいなダーク映画が観たくなるんだよね。それこそ、悪人といった李相日監督の作品とか。

エディターK:それだったら、古田新太主演のヒューマンサスペンス空白かな。二度と観たくないくらい心抉られる映画で、月1で思い出すくらい強烈に印象に残ってる。

ライターR:そんなに!?

エディターK:うん。俳優陣は、よくこの作品を撮り終えることができたなと思った。後味は最悪だけど、作品としての力はすごいので怖いものみたさで観てみても.....! ただトラウマになるかもしれないけど…。

『空白』特報

年末年始の大掃除のBGMに最適!? 音楽がいい映画

ライターR:私は、年末に音楽が魅力的な映画を観がち。ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンを主演のミュージカル映画ムーラン・ルージュ、80年代のヒット曲が満載のジョン・カーニー監督が手がけたシング・ストリート 未来へのうた、全編ビートルズのナンバーで構成されたアクロス・ザ・ユニバース、あと、「RENT レント」を生み出した作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化したtick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!」も最高! 各映画のサントラを聴くと大掃除もはかどるんだよね〜(笑)。

『シング・ストリート 未来へのうた』予告編

『tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!』予告編 - Netflix

エディターK:私は、ブロードウェイの最高傑作をクリント・イーストウッド監督が映画化したジャージー・ボーイズかな。米・ニュージャージーの最も貧しい地区で生まれた4人が、歌声、作曲の才能、見事なハーモニーを武器にスターダムにのし上がる物語で、友情や栄光と挫折が描かれています。「君の瞳に恋してる」を歌い上げるシーンがお気に入り。

エディターF:名曲だよね。

映画 ジャージー・ボーイズ U-NEXT

ジャージー・ボーイズ」
© 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Ratpac Entertainment. All rights reserved.
U-NEXTにて配信中

ラブコメの帝王ヒュー・グランド、ヒース・レジャー、オードリー・ヘップバーンetc. 名優の恋愛映画にキュン!

エディターK:紳士的なクマ、パディントンが主人公のパディントンが結構好きなんだよね。ちなみに、ヒュー・グラントが出演している2が好き!

ライターRヒュー・グラント!! あぁ〜年末は彼の映画を見直したいかも。

エディターK:それいい。私も、「ヒュー・グラント映画祭」を時々開催したくなるんだよね(笑)。この前トゥー・ウィークス・ノーティスを観返しちゃった。

エディターFノッティングヒルの恋人は何度も観たくなる映画。

エディターK:恋愛映画の中でいちばん好き。最高!

ライターR:不朽の名作よね。彼の出演作品だと、私はラブ・アクチュアリー」「アバウト・ア・ボーイ」「ラブソングができるまであたりも好き。

映画 ノッティングヒルの恋人 ヒュー・グラント

ノッティングヒルの恋人」
©1999 Universal Studios - All Rights Reserved
U-NEXTにて配信中

エディターF:ヒュー・グラントもいいけど、ヒース・レジャーも素敵じゃない? シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をベースにした青春コメディ映画恋のからさわぎとかね。

ライターR:あの映画も音楽がいいですよね。「Can't Take My Eyes off You」の歌唱シーンがたまらない。あと、俳優さんだとキアヌ・リーブスもいいなと。韓国映画のリメイク作品イルマーレは、年末年始にいいんじゃないかな。

エディターK:あとは恋愛映画といえば、オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックの超名作ローマの休日も。大人な恋愛映画の至高だと思う。

映画 ローマの休日  オードリー・ヘップバーン グレゴリー・ペック

ローマの休日」
TM & Copyright ©1953 Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
U-NEXTにて配信中

エディターK:今日は、年末年始に観たい映画がたくさん増えてうれしい。それでは、皆さん!

全員
:よいお年を〜!

画像デザイン/前原悠花 取材・文/海渡理恵 企画・編集・イラスト/木村美紀(yoi)