2024年、何が流行る? どんな価値観が社会を変える? 『世界と私のAtoZ』『#Z世代的価値観』など、「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに発信する、カリフォルニア在住のライター竹田ダニエルさんに、2024年に流行りそうな“10のキーワード”を予想してもらいました。最後のトピックは「音楽」をフィーチャー。

竹田ダニエル 2024 トレンド予想 音楽

竹田ダニエル

ライター

竹田ダニエル

1997年生まれ、カリフォルニア出身、在住。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストをつなげるエージェントとしても活躍する。2022年11月には、文芸誌「群像」での連載をまとめた初の著書『世界と私のAtoZ』(講談社)を刊行。今年9月には、『#Z世代的価値観』(講談社)も発売。そのほか、現在も多くのメディアで執筆中。

「音楽」の2024年流行予想

9. “Z世代ジャズ”の人気上昇

最近、『Laufey』というアイスランドと中国をルーツに持つジャズのアーティストが注目されています。そもそも、ジャズというジャンルで若い女性、かつアジア系というのも珍しいし、スタンダードな歌い方だけど、歌詞の内容は最近の若者が共感するような恋愛の価値観を反映している。オルタナティブポップスっぽい感じもあり、ジャズを敬遠しがちな若者でも“落ち着くソフトなサウンド”として聴きやすいです。TikTokでの発信も、キャッチーで面白いんですよね。













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『Laufey』は、フィリピンとイギリスをルーツに持つZ世代の人気アーティスト『beabadoobee』ともコラボするなど、これまで近寄りづらかったジャズのイメージを変えてくれたと思います。今年来日して『Blue Note Tokyo』でライブをしていましたが、チケットも即売り切れていました。

10. 即興性の高い「バイラル」音楽

また、今年のSUMMER SONICでソニックステージのトリを務めた世界的アーティスト『Thundercat』や、今年の5月の初来日で全ツアー完売したZ世代のデュオ『DOMi & JD BECK』といった、ちょっとクレイジーな雰囲気かつ即興性の高い音楽も人気です。いわゆる“ハイパーポップ”要素も含みつつ、デスクトップミュージックでは再現できない身体性の高いグルーヴやファンク、そして刺激のある映像ビジュアルも含めて、インターネット文化と親和性の高い「バイラルジャズ」と呼ばれるような音楽が注目されている気がします。

これまでのアプローチではなく、一捻りした音楽に今後はさらに注目が集まると感じています。

取材・構成・文/種谷美波(yoi)