yoi読者から寄せられた生理にまつわる疑問や悩みに、専門医がアドバイス! 今回は、「PMS(月経前症候群)」の症状ひとつである「眠気」について伺いました。

生理 PMS 眠気 婦人科 小野陽子

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読者のお悩みエピソード:生理前はとにかく眠くて動けません

「出産後からPMSと思われる症状に悩むようになりました。生理前がはじまる1〜3日前は尋常じゃないくらい眠たくて、体もダルくなるので、家事がほとんどできず、ひたすら寝続けます。朝、家族を見送ってから夕方くらいまで寝て、どうにか夕飯だけつくっています。そんな日はもちろん掃除・洗濯はできないし、買い物も行けません。セルフケアで対処できることはありますか?」

お話を伺うのは…
小野陽子先生

産婦人科医/心療内科医

小野陽子先生

日本産科婦人科学会専門医。心身医療専門医。日本女性医学学会ヘルスケア専門医。日本女性心身医学会認定医師。女性の心身の不調の背景には社会的・環境的要因が影響していると感じ、産婦人科研修後、心療内科でも研修。女性が自分自身で心と体の対話を大切にできるようサポートしていく女性医療を心がけている。2020年にAddots GINZAを設立し、女性のためのオンライン相談室「女性の心と体の相談室」をスタート。

原因:生理前の「高温期」は体温が上がり、睡眠の質が低下

排卵後から月経がはじまるまでの10〜14日間は、女性ホルモンのひとつで基礎体温を高くする作用を持つ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が増加し、基礎体温が0.3〜0.5℃高くなる「高温相」にあたります。体が妊娠に向けてエネルギーを蓄えているこの時期は、体温の変動が少なく、体温が少し高めの状態が続くので、眠くなるのは自然なことといえます。

その一方で、私たちの体は深部体温が下がるタイミングで眠くなる仕組みになっています。しかし、月経前はプロゲステロンの働きによって体温が上がるため、眠気のスイッチがスムーズに入らず寝つきが悪くなったり、眠りの質が低下したりしやすくなります。その結果、睡眠不足になりやすく、日中に眠気を覚えるという側面もあります。

対処法:ベッドではスマホを手放し、目覚めたら朝日を浴びる

PMSの症状は、体調や精神状態の影響を受けやすいため、疲れやストレスがあると強く現れる可能性があります。特に睡眠の質低下や睡眠不足は精神的なストレスにつながるので眠りにつく前はゆったり過ごす、ベッドではスマートフォンを触らないなど、快眠につながる工夫を心がけましょう。

毎朝、目覚めたらカーテンを開けることも大切です。太陽の光を浴びると、脳でセロトニンという神経伝達物質が分泌され、体内時計がリセットされます。曇りや雨の日の明るさでも十分といわれています。できるだけ同じ時間に目覚めて体内時計がリセットされるタイミングを一定にすることで、睡眠のリズムも整い、質のいい睡眠につながります。

日常的に意識したいポイント

ほかにも、生活習慣を整えるように心がけるとストレス緩和につながり、症状もやわらぐと考えられます。

●ポイント1:リズムを把握し、スケジュールを調整する
月経のある女性の70~80%が、月経前に何らかの症状を抱えているといわれます。アプリなどで月経周期や体調の変化を記録し、自分のリズムを把握しましょう。症状が出やすい時期は無理をせず、十分に心と体を休めること。PMSやPMDD(月経前不快気分障害)は月経がはじまれば症状が軽減・回復するので、月経前はできる範囲で仕事の量やスケジュールを調整し、ゆとりのある生活を心がけてみましょう。

●ポイント2:自分なりのストレス対処法を知る
ストレス源から距離を置く方法を考えてみることはもちろん、音楽や映画、マッサージや旅行など、ストレスをうまく発散できる方法を見つけておくことも大切です。「心地よいこと」「リラックスできること」「リフレッシュを感じられること」は、PMSの改善だけでなく、長期的なヘルスケアにもつながります。誰かに話して発散するだけでも症状が軽くなることがあるので、もし身近に話せる相手がいない場合はカウンセリングなどで専門家に相談してみるのもおすすめです。

●ポイント3:適度な運動やリラクゼーションを習慣にする
PMSの症状改善には、ウォーキングやヨガ、水泳、自転車など、適度な有酸素運動も効果的です。できれば週3回以上、20~30分の有酸素運動を続けられるとベストですが、忙しくて時間がない人は、1日15分歩く、TVのCM中にストレッチするなど、無理をせず、汗ばむ程度に体を動かせばOKです。

構成・取材・文/国分美由紀