世界の生理事情をのぞいてみると、より広い視野で自分の体と向き合えるのでは…? そう考えたyoiは、世界5都市に暮らす女性たちに、“半径10mの生理事情”をリサーチ。ドイツ・ベルリンでアーティストとして活動中の伊東さん、南アフリカで“日本人女性初の政府公認サファリガイド”として働く太田さん、アメリカで10年以上暮らしていたYouTuberのNARUMIさんなど5人にご登場いただき、現地ならではの生理期間の過ごし方、生理との付き合い方などを教えていただきました!

【世界の生理・ドイツ編】元TBSアナウンサー・アーティストの伊東 楓さんに聞くデリケートゾーンケア習慣や自然療法

【世界の生理・ドイツ編】元TBSアナウンサー・アーティストの伊東 楓さんに聞くデリケートゾーンケア習慣や自然療法

TBSアナウンサーとして活躍後、ドイツ・ベルリンに渡ってアーティストとして活動中の伊東 楓さん。「ハーブティー文化」が根付くドイツならではの生理期間の過ごし方を教えてくれました。

伊東さん:ドイツは、生理をコントロールしている人が多い印象を受けます。その背景には、ピルの種類が豊富で、14歳から服用可能(※16歳未満は、場合によって親の同意が必要)かつ、22歳の誕生日までは無料でピルを処方してもらえることが要因のひとつとしてあるのかなと。ドイツの人が婦人科を受診する心理的ハードルは、日本人よりも低い印象があり、私の友人も生理トラブルが起きたらすぐに受診しに行っています。

【世界の生理・ドイツ編】元TBSアナウンサー・アーティストの伊東 楓さんに聞くデリケートゾーンケア習慣や自然療法 ハーブティー

私は生理痛が強いので、初日〜2日目は日本やロンドンで購入した鎮痛剤を飲んでいます。というのも、ドイツの薬局では薬を簡単に買えないんです。ロキソニンのような強い薬の場合は、病院で処方箋をもらわなければ手に入れられなくて…。そのかわりに、自然療法のひとつとして「ハーブティー文化」が根付いています。ドイツでは、薬局で不調を伝えると症状に合わせたハーブティーを処方してくれるんですよ。

また、ドイツに住むようになってから、デリケートゾーンケアに気を遣うようになりました。ドイツはサウナ大国で、男女混浴かつ原則全裸入浴のサウナ施設も多いため、アンダーヘアをきれいに処理している人が多いんです(スパなどは水着の着用がOKな場合も)。そういう文化の影響もあり、友人との会話にデリケートゾーンケアの話が当たり前に出てくるし、関連アイテムも豊富に売られています。

※今回の記事は伊東さんへの取材をまとめたもので、ドイツのすべての生理事情を代表するものではありません。

【世界の生理・南アフリカ共和国編】日本人サファリガイド・太田ゆかさんに聞くサバンナでの生理必需品

【世界の生理・南アフリカ共和国編】日本人サファリガイド・太田ゆかさんに聞くサバンナでの生理必需品

南アフリカで“日本人女性初の政府公認サファリガイド”として働く太田ゆかさんが登場。多様な人種で構成された多民族国家の南アフリカで、太田さんはどのように生理期間を過ごしているのかをたずねました。

太田さん:私自身は、ナプキンが買いづらいサバンナの自然保護区に住んでいるのと、使い慣れたものがいいという理由で、帰国の度に大量買いしている日本のナプキンを使用しています。

南アフリカでは、『ジョンソン・エンド・ジョンソン』の「Stay free」や、『P&G』の「Always」などのブランドが人気で、店頭でもよく製品を見かけますね。品質も高く、価格も日本と同じくらいです。

【世界の生理・南アフリカ共和国編】日本人サファリガイド・太田ゆかさんに聞くサバンナでの生理必需品 笑顔の太田さん

私の半径10mでは、生理が会話に出てくることはほぼありません。というのも、サバンナで働くガイドは男性が多くて。私の職場も、男性5人と私を含む女性2人という構成なので、日常生活でこのトピックについて話す機会がないんです。でも、生理で体調が優れないとき、それを同僚男性に伝えると気を遣ってくれますし、気兼ねなく仕事を代わってくれます。別に、生理について“話してはいけない”という雰囲気があるわけではないですね。

ちなみに、日本では、“生理に向き合おう”という雰囲気が生まれていると聞きましたが、私から見て南アフリカでは、まだそういった生理にまつわるムーブメントが大々的に起きている感じはしません。

※今回の記事は太田さんへの取材をまとめたもので、南アフリカのすべての生理事情を代表するものではありません。

【世界の生理・アメリカ合衆国編】滞在10年以上の日本人YouTuber・NARUMIさんに聞く生理事情&SDGs視点の生理用品

【世界の生理・アメリカ合衆国編】滞在10年以上の日本人YouTuber・NARUMIさんに聞く生理事情&SDGs視点の生理用品

17歳からアメリカに10年以上暮らしていた、YouTuberのNARUMIさんが登場。セルフケア意識が高いアメリカならではの生理との付き合い方を教えてもらいました。

NARUMIさん:私はナプキン派ですが、アメリカではタンポンが主流で、私の友人も大半がタンポンを使用していました。ちなみに、ハーバード大学の公衆衛生大学院が行った街頭調査でも、タンポンを使っている人が47%といちばん多く、ついでナプキンという結果が出ていました。

また最近では、オーガニックのタンポンやナプキン、洗って繰り返し使える月経カップや吸水ショーツなどの、サスティナブルアイテムを選択する人が増えている印象です。この流れは、2018年にアメリカの大手化粧品専門店「Sephora」が、2018年に「Clean at Sephora」をローンチし、「クリーンビューティブーム」(刺激性や有害性があるとされる成分を含まない製品とそれらを提供するブランドを選ぶこと)が巻き起こったことが要因のひとつだと思います。

※今回の記事はNARUMIさんへの取材をまとめたもので、アメリカのすべての生理事情を代表するものではありません。

【世界の生理・インド編】アッサム州出身のインフルエンサー・クリティさんに聞く生理中のルーティン

【世界の生理・インド編】アッサム州出身のインフルエンサー・クリティさんに聞く生理中のルーティン

インド北東部にあるアッサム州出身で、SNSを通して日本の情報を発信しているクリティさんが登場。ベンガル人であり、ヒンドゥー教を信仰している彼女に、多種多様な民族が暮らすこの地域における生理事情を聞いてみました。

クリティさん:現在は、母が20代だった頃の話と比べると、Z世代を中心に「生理」についてパートナーとオープンに話す人が増えていると感じます。例えば、生理用品をパートナーに買ってきてもらうという人もいます。まだまだ、“生理はタブー”“生理は恥ずかしい”という価値観も根強くはありますが、少しずつ話せる雰囲気が醸成されていると感じます。

私の半径10mでは、ナプキンが主流な印象があります。スーパーや薬局で購入できる、インドで生産された『P&G』の「ウィスパー」や『ユニ・チャーム』の「ソフィ」が人気で、私も愛用しています。

【世界の生理・インド編】アッサム州出身のインフルエンサー・クリティさんに聞く生理中のルーティン シナモンティー

経血の量が多い1〜2日目は、生理痛がひどければ鎮痛剤を飲んで、湯たんぽで体を温めながらよく休息を取るようにしています。また、特に生理中は無性に辛いものが食べたくなるので、スパイスが効いた料理を作ることも多いです。実家にいた頃は、母が作ってくれる体を温める効果のあるシナモンティーも飲んでいました。生理時によく飲まれるドリンクのひとつなのですが、作るのが結構難しいんですよね。

※今回の記事はクリティさんへの取材をまとめたもので、インドのすべての生理事情を代表するものではありません。

【世界の生理・台湾編】台湾・台北市出身・『DAYLILY』の王さんに聞く"清涼感"ナプキンや生理中に飲む漢方って?

【世界の生理・台湾編】台湾・台北市出身・『DAYLILY』の王さんに聞く"清涼感"ナプキンや生理中に飲む漢方って?

2018年に漢方のライフスタイルブランド『DAYLILY』を、小林百絵さんと共に立ち上げた台湾・台北市出身の王 怡婷(オウ イテイ)さんが登場。漢方文化が根付く台湾ならではの生理期間の過ごし方を教えてもらいました。

王さん:台湾では、男女関係なく生理についてオープンに話せる雰囲気があります。職場の同僚にも、パートナーにも、生理がつらければ、「生理なので今日は休みます」と気がねなく言えるところは台湾のよさかなと。

こうした背景には、生理に限らず、政治や教育など、いろいろなトピックについて、自分の考えを自由に発言できる環境が整っていることが関係していると思います。というのも、台湾の人は、自国が抱える政治問題を悪化させないためには、投票がいかに大切かを十分に理解しているから。自分たちの未来のために、“言いたいことを言うこと”が当たり前で、生理はそのひとつというだけだと思います。

【世界の生理・台湾編】台湾・台北市出身・『DAYLILY』の王さんに聞く"清涼感"ナプキンや生理中に飲む漢方って? お灸

台湾では、ナプキンのバリエーションも豊富です。蒸し暑い気候なので、スースーとした清涼感を感じられるナプキンがあったり、ナチュラルな漢方の香りが配合された製品も。

経血量が多い1日目〜2日目は、無理せず休むようにしています。また、台湾では「四物飲」や「生化飲」という漢方を生理時に飲む人が多く、私も初めて生理が来たときから飲んでいます。「四物飲」は、コンビニで買えるほど台湾人の生活に根付いた漢方で、私の場合は、漢方の薬剤師である父に自宅で作ってもらっていました。それから最近、火を使わない貼るだけのお灸『せんねん灸 太陽』を知人からもらったので、次の生理のときに使いたいと思っています。

※今回の記事は王さんへの取材をまとめたもので、台湾のすべての生理事情を代表するものではありません。