私たちが人生でそれぞれに向き合う「妊娠・出産」にまつわる選択に、確かな答えはありません。抱える迷いや不安、そして幸せのかたちも一人一人違うからこそ、必要なのは、その選択を応援してくれる専門家の的確なアドバイス。

キャリアとライフイベントの間で揺れる女性、40歳を迎えてから人生で初めて妊娠・出産を望む気持ちが芽生えた女性など、5人のストーリーをご紹介します。

40代からの不妊治療。タイミング法の次のステップは?(Eさん)

40代からの不妊治療。タイミング法の次のステップは?

2018年の夏に39歳で結婚したEさん。

ほどなくしてパートナーの海外赴任が決まり、Eさんは仕事を辞めて現地へ。「海外にいるあいだに自然に授かれたら」と、生理周期管理アプリで妊娠の確率が高まる排卵時期を確認しながらセックスのタイミングを合わせる「タイミング法」を試していたそう。結婚から1年ころ婦人科へ。すると、「子宮内膜増殖症」が発覚。「治療のために、今は妊娠しないほうがいい」と言われ、月1回のペースで帰国&受診して経過観察をすることになりました。

「2019年の12月にようやく妊活再開の許可が出ましたが、『年齢や再発の可能性を考えると、子どもを望む場合は早く体外受精をしたほうがいい』と言われたんです。夫とは『タイミング法も再開OK出たし、これで授かれるといいね!』と前向きに話していました。ところが、新型コロナウイルス感染症の影響で私だけ先に帰国することになって…」

2020年2月にEさんが一人で帰国し、パートナーが帰国したのは9月に入ってから。何度かタイミング法にトライしたけれど妊娠には至らず、2020年12月から不妊治療のクリニックへ行くことに。

子どもは欲しいけど、妊活や妊娠が不安な気持ちはどうすれば?(Bさん)

子どもは欲しいけど、妊活や妊娠が不安な気持ちはどうすれば?

2歳年上のパートナーと5年間の交際を経て、今年5月に結婚式を挙げた26歳のBさん。「妊娠について調べはじめたら、望んだときにすぐ授かれるとは限らないと知って驚きました」“妊活 タイミング”などのワードで検索したものの、「いろんな情報があふれていて、混乱してしまいました…」

彼女が今感じているのは、妊娠によって変化する“自分の体”と“キャリア”への不安。「妊娠中の先輩が職場でつらそうにしている姿を見かけたこともあるので、もし職場に迷惑をかけるほど体調不良になったら…という不安もあります」

やりがいのあるプロジェクトを任されたことで、妊娠・出産のタイミングにも迷いが。「新しい部署での仕事のリズムがつかめないまま産休に入ると、復帰後が大変そうだなと思って」

そんなBさんの不安を、産婦人科医の月花瑶子先生に相談してみることに。

Bさんが気になっていること
1. そもそも、「妊活」って?
2. 自分の体に起きる変化を想像すると不安
3. 妊活の前にもう少し仕事を頑張りたい…これってわがまま?

婦人科検診って20代の私に必要なこと?(Aさん)

婦人科検診って20代の私に必要なこと? 

幼稚園教諭として働く28歳のAさん。2年半ほど交際しているパートナーとの将来を意識しはじめたタイミングで、相手が転勤の多い職種に転職。半年ほど前から遠距離恋愛中です。

職業柄、同世代や少し年上の保護者と話す機会も多く「妊活しても、なかなか授からなかった」「40歳から不妊治療をはじめた」など、出産や育児にまつわるリアルな声をよく耳にするのだそう。生理不順や生理痛もほとんどなかったAさんにとって、婦人科はまったく未知の世界。「自分の体がどういう状況なのか、まったくわからないんです。将来のことを考えると、そろそろ婦人科に相談に行ったほうがいいのかな……」

そこで、婦人科検診も行う女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」の高尾美穂先生に相談してみることに。

Aさんが気になっていること
1. 婦人科検診って何をするのかわからない
2. 35歳までに出産したいけど、本当に妊娠できる?
3. 妊活するうえでどんなことに気をつけたらいいの?

激務の日々で卵子の状態が気になる…30代の妊よう性に不安が(Gさん)

激務の日々で卵子の状態が気になる…30代の妊よう性に不安が

行政機関に勤務するGさんは現在33歳。赴任地は2年たらずで変わることが多く、そのつど新たな環境でハードな業務をこなしながら、10年以上働いてきました。

「トイレに行く暇がないほど対応に追われる日も少なくないので、生理中も朝にタンポンを入れたまま取り替えられないこともしばしば。30歳を過ぎて長い目でライフプランを考えたときに、“このままでいいのかな”と不安になったんです…」

転勤が多いため婦人科のかかりつけ医はおらず、ここ2年は一度も受診していない状態だそう。「今パートナーはいませんが、いつかは家族を持ちたいと思っています。ただ、激務でずっと体を酷使してきたので自分の卵子の状態が気になって…。職場での女性の身体的・心理的つらさも軽減していきたい。持続可能な働き方を模索したいけれど、ロールモデルもおらず理解者も少ない現状で、いったいどうしたらいいのかわかりません」

そんなモヤモヤした思いと不安を、女性ライフクリニックの大山香先生に相談してみることに。

Gさんが気になっていること
1. 自分の卵子の状態が気になる。卵子凍結も考えるべき?
2. 転勤が多い場合、かかりつけ医を持つのはあきらめるしかない?
3. 女性特有のつらさに対して、職場の理解を深めるヒントが知りたい

一度は手放した妊娠への思いが40歳で再燃。「出生前検査」について知りたい!(Oさん)

一度は手放した妊娠への思いが40歳で再燃。「出生前検査」について知りたい!

かつての婚約者から受けていたモラハラが原因で、妊娠・出産は“自分には関係ないこと”と思っていたOさん。その思いが少しずつ変化してきたのはOさんを尊重してくれる現在のパートナーと出会ったことがきっかけ。

「彼のような人となら、子どもをもつ未来が見えるかも…と自分でも驚くほど自然に受け入れられました。ちょうど40歳前後で妊娠・出産を経験した人と立てつづけに出会って、“私の年齢でもまだ産める可能性があるんだ”と気づいたこともあり、人生で初めて“私とパートナーの子どもが欲しい”という感情が芽生えたんです」

具体的な妊活についてはまだ考えていない一方で、Oさんは40歳という自身の年齢が気になっているよう。

「私が知っているのは、自分の年齢が“高齢出産”にあたることと、それによる妊娠・出産のリスクと子どもの病気のリスクが高いらしいってことぐらい。もし子どもを授かることができたら、絶対に出生前検査を受けようと思ってはいるけれど、現実を知るのが怖くて具体的なリサーチはできていません」

そこで、Oさんが特に気になっているという「出生前検査」について、認定遺伝カウンセラー®である西山深雪さんにお話を伺いました。

不安を抱える女性たちへの専門家のアドバイスとは? ぜひ元記事へのリンクからお読みください。

イラスト/naohiga 取材・文/国分美由紀 企画・編集/高戸映里奈(yoi)