自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン9

Q9:お風呂のあと、腟からドバッと水が出ることがあるのはなぜでしょうか?

A9:骨盤底筋群の筋力が低下し、腟口が広がりやすくなっているから

吉本先生:腟に水が入るのは、膀胱や子宮、大腸、小腸、尿道などの臓器をハンモックのように支える“骨盤底筋群”の筋力が低下していることがおもな原因。日頃の姿勢不良や日常動作、出産、加齢などのあらゆる影響を受けることで低下し、腟がゆるんでしまっているのです。
また、入浴時に足を上げて座るのはお産と同じような姿勢になるため、腟口が広がりやすくなって水が入ることもあると思います。座り方的に水が入ってしまうのはある程度は仕方ないとして、骨盤底筋を鍛えて腟を締める練習をすれば対策できるはずです。

入浴の姿勢

取材・文・イラスト/井上ハナエ 構成/木村美紀