自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン11

Q11:腟内フローラって何ですか?

A11:腟内に存在している細菌の集まりのことです

吉本先生:腟内には“デーデルラインかん菌”という乳酸菌のほか、ブドウ球菌、カンジダ菌、カビ菌などのあらゆる細菌が共存しています。それらが集まった姿がお花畑=フローラのように見えることから、腟内フローラと呼ばれています。善玉菌と悪玉菌がバランスよく働いて均衡を保っているのが、正常な状態です。

善玉菌である“デーデルライン桿菌”はグリコーゲンを産生し、おりものによって腟の自浄作用をもたらしてくれます。ところが体の抵抗力が落ちてバランスが乱れると、悪玉菌であるカビ菌などの雑菌が活性化し、かゆみや細菌感染症を引き起こしてしまいます。腟内フローラを整えるには、食事内容や生活習慣を見直し、デリケートゾーンに過剰な刺激を与えないことが大切です。

腟内フローラ デリケートゾーンのかゆみ

取材・文/井上ハナエ 構成/木村美紀