自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン29

Q29:下着を汚したくないので、つねにおりものシートをつけています。問題はないですか?

A29:長時間つけっぱなしにしなければ問題ありません

吉本先生:たとえ汚れなくても、汗がシートに吸水されているはずです。そのままつけつづけると雑菌繁殖の原因になりますが、こまめに取り替えて清潔に保てば問題ありません。

ただし、肌が弱い人はシートの素材で外陰部の肌トラブルが起こることがあるので注意! 外陰部を触ってみてヒリヒリしたり、ざらざらと乾燥したような手触りがあったりするとかぶれているサイン。その場合はすぐにシートの使用を中止して、保湿ケアや塗り薬で対策しましょう。

おりものシートは種類が増えるにつれてSNSやメディアで目にする機会も増えて、つけるのがエチケットと思われがちですよね。でも、そもそもおりものは少なからず下着についてしまうものですし、昔はおりものシート自体が流通していませんでした。下着を清潔にすることに執着するあまり、シートをつけて外陰部がかぶれてしまっては本末転倒。

下着は汚れても洗えば済むけど、肌のかぶれは治るまでに時間がかかります。洗濯機に入れる前に手洗いしておけば下着の汚れが残ることはないはずなので、自分の肌にとって何が最善策か考えてみてください。

おりものシート パンティライナー

取材・文・イラスト/井上ハナエ 構成/木村美紀