自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiに寄せられた女性の体についての素朴な疑問や不安に、吉本レディースクリニック院長・吉本裕子先生にお答えいただきました。

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

吉本レディースクリニック院長

吉本裕子(よしもとゆうこ)先生

産婦人科医。日本専門医機構認定専門医。高知医大(現・高知大学医学部)卒業。金沢大学付属病院、富山市民病院を経て現職。NPO法人女性医療ネットワーク理事、富山市医師会理事、性暴力被害ワンストップ支援センター富山協力医師、女性被害者支援ネットワーク医師、富山大学人間発達科学部附属中学校評議員。吉本レディースクリニックは、病気治療だけでなく、女性の人生に寄り添い、心身の拠り所となるクリニックとして定評がある。『Rp.+(レシピプラス)VOL.21 NO.1 2022冬「ホルモンとくすり」』(南山堂)共同執筆。

女性器のギモン20

Q20:性交痛があるのですが、原因と対策を教えてください。

A20:原因も対策も多種多様。婦人科で相談してみましょう

吉本先生:性交痛は恐怖心によって痛いと感じているだけのケースや、もともと腟口が狭いケース、子宮内膜症のような婦人科系疾患が原因で痛いケースなど原因はさまざま。対策としては潤滑ローションで滑りをよくしたり、セックスの体勢を工夫したりすれば改善されるかもしれませんが、濡れにくい体質というパターンもあるので、一度婦人科で相談してみるとよいですね。
あまり知られていないのですが、性交痛があるという悩みで婦人科を受診するのはわりと一般的。「パートナーに申し訳なさを感じて痛みを言い出せない」、「痛いのは自分が悪い」と責めてしまう人が非常に多いのです。また子宮内膜症などの病気が隠れている可能性を踏まえて、早めに受診するのが得策です。

婦人科 性交痛

取材・文/井上ハナエ 構成/木村美紀