自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン36

Q36.射精後もセックスを継続したいが、ペニスが擦れるような痛みがあり断念。原因と対策は?

36個目のギモンは、【射精後もセックスを継続したいが、ペニスが擦れるような痛みがあり断念。原因と対策は?】。セックスは単なる生殖行為にあらず、パートナーとのコミュニケーションや愛情表現の一環としても大切なこと。ところが男性は射精すると勃起状態を持続するのが難しいうえに、人によっては射精後のペニスに痛みが生じ、意欲はあるもののセックスを中断せざるを得ない状況があるのだそう。相手を満足させたいのに体が追いつかない、このジレンマに対する小堀先生のアンサーとは?

A36.ほどよく楽しめる範囲で。通常時も痛みが続くようなら亀頭包皮炎かも

小堀先生:相手を十分に満足させたい気持ちはとても素晴らしいことですが、痛みが出てつらいときは無理に続けないように。物理的に擦れて痛いだけならば病気ではなさそうなので、ほどよく楽しめる範囲でセックスを行いましょう。ペニスは勃起すると血液が集まって平常時より敏感な状態なので、亀頭部が擦れて痛いようなら潤滑ローションを活用するのもいいと思います。

ペニスの皮膚が赤くはれたり、白いカスが出てくるときは、亀頭包皮炎の状態です。優しく洗い、ワセリンのように粘膜を保護する軟膏を塗布することで治療することができます。

ちなみに射精時や射精後のほか、排尿時にも陰部や陰嚢の裏のあたりに痛みがある場合は前立腺に炎症が起きている可能性も考えられます。ただし前立腺炎は精液に血液が混じったり、日常生活で痛みが生じたり、セックスの最中以外にも兆候があるはず。症状が悪化すると痛みが悪化することもあるため、心配な方は泌尿器科で治療を受けることをおすすめします。

セックス ペニスの痛み

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)