自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン37

Q37.セックスの最中にペニスが傷ついて出血。どうケアするのが正解?

37個目のギモンは、【セックスの最中にペニスが傷ついて出血。どうケアするのが正解?】。他人には相談しづらい、セックス中の出血トラブル。女性が挿入時の刺激で腟粘膜から出血することがあるように、男性もペニスの摩擦やオーラルセックスなどによってペニスに傷がついてしまうケースが! 泌尿器科への相談件数が意外と多いというこちらのお悩み、どのように対処するのが正解?

A37.セックスを中止して炎症を抑えるケアを!

小堀先生男女問わず、性器から出血があればセックスを中断して止血を。痛みがあるかどうか様子を見て、血が止まらなければ病院へ行きましょう。とくに痛みはなく、ほんの少し傷ついてすぐに血が止まることが何度か続くのであれば、「亀頭包皮炎」によって包皮に炎症が起きて傷つきやすくなっているのかもしれませんね。

亀頭包皮炎は、セックスとは関係なくとも常在菌を原因として起こる炎症です。には石鹸で洗いすぎるなど、皮膚の過剰な刺激によって起こる場合もあります。包皮に対してリング状に炎症が起きやすいため、ペニスを刺激する上下の動きでピリッと裂けてしまい、しわに沿って出血するパターンが多いのです。もし亀頭包皮炎によってペニスが傷つきやすくなっているなら、包皮の炎症を治すのが最優先!

日常生活では【Q7:ペニスや睾丸をきちんと洗えていないとどうなりますか?】でお答えしたようにペニスをぬるま湯でやさしく洗い、炎症を抑えるためにも清潔にしてワセリンで保湿や皮膚保護を。日常的に赤みや痒みが出る、ただれている、白っぽいカスがたまる、黄色い膿みが出るなど、別の症状を伴う場合は抗生物質や抗菌薬で治療する必要があるので、泌尿器科を受診してください。

ペニス セックス 出血

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)