【叶姉妹に生き方相談】「距離感を悩むような友達だとしたならば、わたくしの友達という定義とは違います（恭子さん）」【前編】

嫌なことをなかなか忘れられず、過ぎたことにモヤモヤしてしまいます。どうすればいいですか？

良い香りを嗅いでみるのはいかがですか。
香りは自律神経にダイレクトに
働きかけてくれる効果もありますよ。

――おふたりにとって良い香りとはどんな香りですか？

恭子さん　わたくしたちは、皆さんが“叶姉妹の香り”と名前をつけてくださっているぐらい、唯一無二の良い香りなはずなのです。なので、良い香りとはどんな香りですかと聞かれますと、「わたくしたちの香り」です。

――良い香りの定義が変わることはありますか？ 例えば、今日はこんな感じの香りだけど、明日はこっち系の香り、とか。

恭子さん　香りは体の中に記憶として残るものですから、そんなにまで香りの好みが変わる方はいらっしゃらないと思います。環境が変わったら心地よいと思う香りも変わるのかも知れないけれど、それはわたくしたちではないですよ。

――いつもどんな香りをまとっていらっしゃいますか？

恭子さん　わたくしたちの家には香水バーがあって、わたくしたちが調合してもらった香水がすべてそこに置いてあります。ある、誰もが知る一流のブランドの香水がわたくしのイニシャル入りのバカラのボトルに入っているという特別な調合のものが30個ほどあります。瓶だけでもとても素敵なのでそれも飾っていますよ。

叶姉妹のお二人が思う、「自分らしくいること」と「わがまま」の違いはなんでしょうか？　まわりに迷惑をかけすぎず、自分らしくいるにはどうしたらいいでしょうか？

――まわりの人からわがままと思われたくない、という気持ちがあります。

恭子さん　わがままの定義を正しく理解しているかによります。あまりまわりのことを気にしすぎないということも必要ではないかと思うのです。ざっくり申し上げますと、すべてにおいてまわりの方が正しいとは限らないということです。

――yoi世代の読者は、まわりの人と協調するということを大事にしている読者が多く、そこに難しさを感じて悩んでいる人も多いです。

恭子さん　それはご自身の発言ですとか、いろんなことに自信がなさすぎるからそういったことになるのですか？　自信があれば別に何を言ってもいいと思うのです。

例えば、わたくしが言ったことと真反対のことを考えていらっしゃったところで、わたくしの場合は何も気にならないです。距離感を悩むような友達だとしたならば、わたくしの友達という定義とは違います。

「こんなことで悩んでいるのだけどどう思う？」と、ちゃんと相談できる人が友達であって、友達と呼んでいらっしゃる方との距離感を悩んでいるようであれば、もうすでに友達ではないのではないでしょうか。

自分の感情に蓋をしてしまい、なかなか人と深く仲良くなれない、という場合、どのようにまわりの人と関係を深めていったらよいと思いますか？

そういう深い関係に
なっていこうと考えなくて
よいのではないでしょうか。
それがむしろ心の負担となり、
物事のジャッジをするときに
おかしな方向に向いてしまうことが
あるかもしれません。
まずは蓋を開けましょう。

恭子さん　わたくしの回答はアドバイスでもなんでもありません、わたくしが思うこと、なのです。これが正解か不正解か、その方に合っているかではなく、それすらも“わたくしが思うこと”。わたくしは自分の思ったことを正直にしか言えないので。

美香さん　Spotifyの『叶姉妹のFabulous World』でも、姉は言葉をオブラートに包まずに、本当に思うことをお話ししているのですよ。

学生時代からの友人と会話がフィットしません。自分は独身、友人は結婚して子どももいて話が合わないと感じます。大人になればなるほど、女友達との付き合い方がわかりません。

大人になればなるほど、
もちろん環境も
変わってきますでしょうし
以前はお友達だった方の
環境も、考え方も
ましてや結婚したりお子さんが
いらしたりとかしますと
どうしても
二人の間には溝ではない
パズルでは絶対にフィットしない
そういう部分を
感じてくるはずだと思います。

しいて無理矢理合わせるような
自分が友であると
思っているその人とは、
もっとフラットな考えで
コミュニケーションを取る、
そんなにまで深入りしない。
もっと言いますと
友達でもなくなる、
それでもよいのではないでしょうか。

反対にあなたは
その人と友達でいたいという
何か特別なものがあるのでしょうか
その辺をよく考えてみましょう。

恭子さん　どうして学生時代のお友達とずっと一緒にいたいのですか？ 性格の不一致とか、前はこんな人ではなかったのに、というのは当たり前のことです。ちゃんと変わっていけるということは、とてもいいことではありますが、それはその方の人生によりますよね。

成長するにつれて時代も変わっていく。まわりも変わっていく。自分だけ変わっていないというふうにも見えますよね。もっと自分を解放してあげましょう、ということですね。そして、人に対しても期待をしすぎないようにしましょう。

ーー「自分を解放する」とは、どうするとよいのでしょうか。

恭子さん　思考を変えることじゃないでしょうか。まず第一に、鎖につながれているわけじゃないですし、檻に入れられてるわけでもないですので、ご自身の心の中で縛っているものをほどいてあげる。そういうことではないでしょうか。

美香さん　姉の格言で「ストレスを手放す」という言葉があるのですが、ストレスというのは、いちばんしがみついている何かを手放せばいいことなのですが、それが手放せないからストレスになっているという。なるほど。と思いました。

お二人が「1日の中で大事にしていること」「1週間の中で大事にしていること」「１カ月の中で大事にしていること」「1年の中で大事にしていること」をそれぞれ教えてください。

わたくしたちには
あまり決まり事がありません。
むしろ 決まり事をつくる
ということも
あまり好きではありません。
そうなりますと
自由でなくなってしまうからです。
叶のポリシーとはまったく別物です。

恭子さん　わたくしたちが皆さんととても違うところは、時間のことを考えないこと。皆さん与えられた時間は平等ですよね。1日の区切りが24時間で、１年だとしたならば365日とか、そういう括り方はしていないし、したくないのです。

自分自身の時間は永遠なんだ、と思えるのは、そういうところではないでしょうか。永遠でありながら、明日死ぬかもわからない。だからこそいいのですよ。

恭子さん　美香さんがヘビロテして使っているコンパクトですよ。

美香さん　パウダーの中に美容液が詰め込まれているので、24時間使えるのですよ。お粉としてだけではなくてお化粧直しにも使えますし、薄化粧として使ってあげると美容液にもなります。眠るとき、全部スキンケアをしたあとはベタベタするじゃないですか。そのあとに塗ったりもしますので、24時間使えます。ほんのりお顔の色も良くなります。よくお話ししているのですが、海外のプレジデンシャルスイートに泊まっているときに、グッドルッキングガイがパウダールームで一生懸命、コンシーラーかなにかを塗っているんですよ。

恭子さん　目の下のね。クマなんかを隠そうとして。

美香さん　姉にそれを見られるのが嫌だからというので、わたくしがこのパウダーを貸してあげたら、もうずっと使っているみたいです。

恭子さん　朝起きたとき、すっぴんを見られたくないという方にも。すっぴんのお付き合いをしている方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくともご自身が美しい肌を保っていることというのはとてもよいことです。

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撮影／大川直人　ヘア＆メイク（叶美香）／堀江里美　取材・文／通山奈津子　構成／渋谷香菜子