「yoi」読者の皆さんこんにちは。SPUR編集部のHです。今回は「SPUR」で好評連載企画、文筆家のブレイディ みかこさんによる「SISTER "FOOT" EMPATHY」についてご紹介します!【集英社yoiエディターズリレーvol.5】
【SPURにて好評連載中!】"他者の靴を履く足"を鍛えることこそ、自分の人生を自由に歩む原動力となる!真面目な日本女性に贈る、新感覚シスター「フット」談
SOURCE:SPUR 2022年4月号「ブレイディみかこのSISTER "FOOT" EMPATHY」
illustration: Yuko Saeki
「SPUR」で連載中! 執筆/ブレイディみかこ
"他者の靴を履く足"(※)を鍛えることこそ、自分の人生を自由に歩む原動力となる! イギリス・ブライトン在住のブレイディみかこさんが贈る新感覚シスター「フット」談。
※ブレイディさんの息子が、他者の感情や経験などを理解する能力である"エンパシー"のことを、英国の定型表現から「自分で誰かの靴を履いてみること」と表現。著作内のこのエピソードが多くの反響を呼び、社会現象となった。
2022年4月号から「SPUR」で連載されている、「SISTER "FOOT" EMPATHY」。現在、イギリス・ブライトン在住の文筆家・ブレイディみかこさんがさまざまなトピックをもとに、新しいシスターフッド論を展開する企画です。時に50年前にアイスランドで起こった女性によるストライキから、昨今注目が集まる女子サッカー、そしてファッションや、現代社会を牽引する女性政治家まで……。幅広いジャンルの切り口で、シスターフッドの現在地を語ります。
シスターフッドの“ドレスコード”って?
SOURCE:SPUR 2022年8月号「ブレイディみかこのSISTER "FOOT" EMPATHY」
illustration: Yuko Saeki
正直、「シスターフッド」と一言で言っても、「こう!」と定義し、説明しにくいと思うんです。
これだけ女性の権利向上が叫ばれていますし(これは今に始まったことではなく、“引き続き”ですね)、多くの人が注目しているのですが、ブレディみかこさんならではのフィルターを通すと、異なる視点で読むことができます。
毎回、テーマはさまざまなので、その中で述べられている「女性たちの連帯の物語」ももちろん多種多様。国も時代も置かれている環境も異なりますが、ブレディさんが「紹介」してくれる女性たちの姿を、文字を通じて読むたびに勇気をもらえるのです。毎度、楽しみに読んでいますが、2022年8月に掲載された「シスターフッドのためのドレスコード」と題した回は特にお気に入り。
この回で例として挙げているのが、90年代に一世を風靡した英国のガールズ・グループ、スパイス・ガールズです。
2023年は「韓国発・ガールズグループ、NewJeansの年!」と言えると思うのですが、90年代(私は90年代半ば生まれなので、スパイス・ガールズが全盛だったころをリアルタイムでは体感していません。もちろんき彼女たちの楽曲は大好きですよ!)は、まさにスパイス・ガールズの時代なんだと、この記事を読むと改めて実感できるんです。
ブレイディさん曰く、その時代にティーンエイジャーだった女性たちの中で、「スパイス・ガールズでフェミニズムに目覚めた」と公言する人が何人もいるとか。
なぜか? それはスパイス・ガールズというグループに属する女の子のキャラクターの個性を損なうことなく、尊重しあい、5人のメンバー同士が一緒に過ごしている姿に感銘を受けたから。
一見すると「類友」ではないのに、仲が良い、誰かが別の誰かに合わせているムードもない……。そんな様子に胸をときめかせたんじゃないかなと、ブレイディさんの文章を読んで思ったのでした。
2022年4月にスタートしたので、約1年半続いている今連載。ブレイディさんならではの視座を通してみる、女性たちの生き生きした物語をぜひ堪能してほしいです。一回読めば分かります、必ず明日のあなたをエナジャイズしてくれるブレイディさんからの“お手紙”だと思います。