「yoi」読者のみなさん、こんにちは。集英社yoiエディターズ、すばる編集部Kです。今回は、文芸誌「すばる」の連載「書きあぐねて山河あり」をご紹介します!【集英社yoiエディターズリレーvol.27】
3月号表紙はこんな感じ。
「すばる」は文芸誌と呼ばれる雑誌で、小説、エッセイ、論考、対談、インタビューなどを掲載しています。毎月6日に刊行していますので、今後どうぞお見知りおきくださいませ!
なかなか文芸誌を手に取る機会は少ないと思いますが、読んでみると面白くて、身のぎゅっと詰まったものばかり。yoiエディターズリレーの場を借りて、こんな連載がありますよ~とご紹介していければと思います。
今回は、安達茉莉子さんの連載コラム「書きあぐねて山河あり」についてです!
作家・文筆家の安達茉莉子さんとは?
安達茉莉子さんは、作家・文筆家として活躍中。2015年から「mariobooks」というセルフパブリッシングで活動を開始されました。これまで『毛布 - あなたをくるんでくれるもの』『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』『臆病者の自転車生活』などエッセイ集や『世界に放りこまれた』の詩集を刊行され、言葉と絵の両方で創作を続けられています。
『私の生活改善運動』は、かつて安達さんが防衛省に勤めていたころ、あまりの多忙に生活は極限状態。その後一念発起して、人生の大きな舵を切ることに。生活のなかの選択を、どんなにささいなことでも、「これでいいや」で済ませない!と決意をかため、ひとつひとつ見直していく……その様子を記録したエッセイです。もともとはZINEとして刊行したものですが、あまりの人気に、加筆修正のうえで単行本化されました。
「生活改善運動」とは、実際にあった運動の名前から。とにかくやることの多い現代。日常に追われ、いつの間にか自分自身のことがわからなくなる、というのは珍しくない気がします。そんな、心に栄養が足りない……というときに読んでいただきたい一冊です。
すばるの連載「書きあぐねて山河あり」は”ショートトリップ”コラム
かつてネパールでジョティシ(占星術師)に「あなたはショート・トリップを多くすることになる」と言い渡されたことのある安達さん。その予言(?)通り、短い旅にたくさん出かけられるようになりました。創作活動を始められてからは、「ショート・トリップ」熱は高まるばかり。
「すばる」で連載中のコラム「書きあぐねて山河あり」は、そんな安達さんが、自然を訪れるフィールドワーク的連載です。原稿に煮詰まったとき、顔を上げるとそこには雄大な山河(つまり、自然)が…あったらいいなというところから始まりました。気になった土地を訪れ、人に会い、歴史を学び、そこで何を感じたか…をくまなく記録。
安達さんの描きおろしイラスト。
2024年3月号で訪れたのは岩手県遠野市
これまでの連載では、冬の長野県北軽井沢で浅間山を眺め、雪中キャンパーたちに挨拶をし、群馬県高崎で榛名湖ほとりのアーティストレジデンスに滞在して原稿を進め、お盆の岐阜県群上八幡で群上徹夜踊りに参加し……豊かな自然を味わいつつ、なかなか観光では経験できないことにチャレンジ。
最新刊の2024年3月号は、岩手県遠野市について。「遠野物語」の舞台の土地ですが、やはりというべきか……そうとうな力を持った土地だったそう。
読むと、どこかへ行きたくなるエッセイ連載、ぜひお読みください!