空前のサウナブーム。さらに楽しむために、yoiでご紹介したサウナの記事を総まとめ。医師監修によるサウナの効能と正しい入り方、アラサー女子が通う東京の銭湯&サウナ14選、無類の温泉&サウナ好きとして知られる東原妙子さんの連載など、今すぐサウナに行きたくなる情報をご紹介します!
- 【医師監修】女性のための「サウナの効能と正しい入り方」。女性のほうがサウナで“ととのい”やすいってホント!?
- 女性のほうがサウナで“ととのい”やすいというのはホント!?
- 基本中の基本、「正しいサウナの入り方」とは?
- サウナ室、水風呂、外気浴。それぞれの過ごし方の正解は?
- サウナで「肌がきれいになる」ってホント!?
- サウナで「冷え・こりが改善する」ってホント!?
- サウナに入ると「ダイエットにいい」ってホント!?
- サウナで「PMSや精神的な不調も改善する」ってホント!?
- 女性におすすめしたい! 加藤先生の推しサウナ
- 実際に不調は改善するのか!? おすすめサウナで実践してみた
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- 注目のサウナリトリート「ウィスキング」を体験
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- 温泉をはじめ館内のくつろぎ時間も充実
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- 水風呂に頭までつかれるのは個室ならでは
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- 築150年の古民家に名作家具と現代アートが調和
- 絶景! 百名山の大パノラマを臨む露天温泉
- プライベートサウナで開放感満点な“ととのい”
- 懐かしくて新しい。他にない価値を体感する古民家ステイ
【医師監修】女性のための「サウナの効能と正しい入り方」。女性のほうがサウナで“ととのい”やすいってホント!?

性別や年齢を問わずサウナブームが巻き起こっている今、とはいえ銭湯に行くとまだまだ男性客が多数派なのも事実。サウナに苦手意識を持っている女性も多いけれど、その原因は正しい入り方をしていないことかも!?
そんななか、正しい入り方をすれば、男性より女性のほうが“ととのい”やすく、女性特有のさまざまな不調も解消できるという情報を『医者が教えるサウナの教科書』という本で見つけた中堅サウナーのyoiエディターKと、サウナ初心者のライターM。この情報は見逃せない!
著者である日本サウナ学会の代表理事・加藤容崇先生は、実はがん遺伝子解析(がんゲノム)が専門の医師。世界じゅうの健康習慣の効果を最新の科学で解明することを第二の専門としていて、サウナの研究をするなかでその魅力にどっぷりハマり、「日本サウナ学会」を友人医師やサウナ仲間と作ったという筋金入りのサウナーなんです。先生のプロフィールを見ただけでも、サウナへの信頼度が爆上がりしていく…! さっそく先生に取材を申し込み、サウナに入ることでもたらされる健康効果について、詳しく話を聞いてみました!

慶應義塾大学医学部特任助教・日本サウナ学会代表理事
群馬県出身。慶應義塾大学医学部腫瘍センター特任助教。北海道大学医学部医学科、同大学院を経て、北海道大学医学部特任教授として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部付属病院腫瘍センターにて膵臓がん研究に従事。帰国後は慶應義塾大学医学部腫瘍センターや北斗病院など複数の病院に勤務。サウナを科学し発信していく団体「日本サウナ学会」を友人医師やサウナ仲間と作り、代表理事(通称サウナ理事)として活動中。著書に『医者が教えるサウナの教科書』。
女性のほうがサウナで“ととのい”やすいというのはホント!?
エディターK:加藤先生の著書『医者が教えるサウナの教科書』の中に、医学的に女性のほうが感受性が高くサウナで“ととのい”やすいと書かれていましたが、その理由を詳しく教えてください!
加藤先生:まず、“ととのう”とはどのような状態なのか、ということから説明しますね。サウナは、ごく簡単にいうと、人体にとって「非日常的な危機的状況」です。100度近い超高温であり、人体にとっては危機的な環境のため、人体は、サウナの環境に対応できるように集中し、余計なことを考えなくなります。そして、そのあとに入るのが水風呂。極限まで熱せられた体が、今度は冷水につけられます。当然体は驚き、再び生命の危機を感じます。体内では、自律神経、心拍、血圧、血流量、脳内ホルモンなどをコントロールし、持てるすべての力を総動員して、環境に適応しようとします。水風呂から出たあと、ようやく生命の危機を脱したと判断した人体は、急速に“ととのって”いきます。エネルギーの浪費が止まり、動作が軽くなった脳がサクサクと動きはじめ、血流が増加することで腰痛や肩こりが軽減され、肉体も軽やかに。脳も体も、コンディションがよくなるのです。
サウナや水風呂に入ったときのホルモンの分泌や自律神経の反応を男女で比較した場合、女性のほうが1.6倍高くなるので、女性のほうがより“ととのい”やすいのです。ただそれと同時に、女性はストレスも感じやすいというマイナス面も併せ持っているので、男性よりも慎重に、体調に合わせて適切に入ることが大切になります。
エディターK:具体的に、女性はどんなホルモンの分泌が盛んになるのでしょうか?
加藤先生:多幸感につながる快楽ホルモンであるβエンドルフィン、母性に関するプロラクチン、幸せホルモンといわれるオキシトシン、代謝に関連する甲状腺ホルモンなどの分泌が促進されます。オキシトシンが増えると、女性はアクティブになり、男性は落ち着くという特徴があるんです。つまり女性は幸せな気持ちが増すとともに、より元気になるということです。甲状腺ホルモンは代謝を上げる働きがあるので、ダイエットにもつながりますよ!
ライターM:どれくらいの頻度で入るのがよいのでしょうか?
加藤先生:男性は毎日でも入ったほうがいいと伝えていますが、女性の場合は1カ月周期でホルモンバランスの大きな変動があるので、無理をして毎日入る必要はありません。体調が悪いときにサウナで吹き飛ばそうと入る人がいますが、逆効果になるのでやめたほうがいいですね。
ライターM:男性にサウナにハマる人が多いのは、体質的に毎日入れるせいもあるのでしょうか?
加藤先生:それも大いに関係していると思います。加えて、日本のサウナはもともと男性向けに造られている施設が多いですし、おじさんが好きなイメージが根強いので、男性に比べると女性のサウナーが少ないんですよね。それから男女ともに言えることではあるのですが、一般的にはまだ正しいサウナの入り方が広まっていないので、気軽にサウナに行こうという人が増えないのかもしれません。
ライターM:確かに、熱いサウナと冷たい水風呂を繰り返す、苦行のようなイメージがまだある気がします(笑)。
加藤先生:それは昔のおじさんの入り方ですね(笑)。それではいくらサウナに入ってもサウナの恩恵を受けることができないし、ととのう感覚も得ることができません。

基本中の基本、「正しいサウナの入り方」とは?
ライターM&エディターK:ぜひ、正しい入り方を教えてください!!
加藤先生:簡単に説明すると、「サウナ→水風呂→外気浴」を基本の1セットとして、3セット行うのがおすすめです。サウナを出るタイミングは分数ではなく、脈を基準に判断するのが安全かつ有効です。私の場合は普通に会話できるくらいの軽い運動と同じくらいの脈拍数になったら出るようにしています。水風呂は約1分くらい、呼吸をしたときに気道がスースーし、脈拍が通常に戻ったら出るようにしましょう。外気浴は5〜10分、体が落ちついたら次のセットに移行してください。この正しい入り方をすることで、初めてホルモンの分泌や自律神経の反応に影響を与えるわけです。各セットのあいだには、水分補給することも忘れないように!

サウナ室、水風呂、外気浴。それぞれの過ごし方の正解は?
【STEP1:サウナ室】
ライターM:サウナ室ではどこに座るのがよいのでしょうか?
加藤先生:熱は高いところに集まるので、上へ行けば行くほど高温になります。大きな階段状になっているサウナの場合、1段あたり10度異なることも! 自分が心地よいと感じる熱さの場所を探しましょう。当然ながらヒーターの前も熱いです。しかもヒーターの熱が直接体に当たる部分は熱いのに、当たっていない箇所は意外と温まらないため、温まり方が局所的になってしまいます。ですので、なるべくヒーターから遠い場所に座るのがおすすめです。
ライターM:サウナ室にいるときのベストな体勢も教えてください。
加藤先生:階段状になっているサウナが多いので、下の段に足を下ろして座りがちですが、それはベストではありません。先ほども言ったようにサウナ室は上のほうほど高温になるため、椅子に座ったような姿勢の場合、頭のほうの温度が高いのに対し、足先は比較的温度が低くなります。その結果、体じゅうが熱いと感じていても、意外と足先までは温まっていないということがあります。足先までしっかり温まっていないと、水風呂に入ったときにつらく感じてしまううえ、ととのいにくくなってしまうので、できるだけ体の高低差をなくすような座り方が正解です。十分なスペースがあるなら、“あぐら”か“体育座り”がいいでしょう。
エディターK:私は、顔は熱くてつらいのに体はまだ温まっていない、という状態になってしまいがちなのが悩みなのですが、なにか対策はあるでしょうか?
加藤先生:特に女性は顔の神経が敏感なので、男性よりも顔の暑さを感じやすいんですよね。サウナハットをかぶったり、乾いたタオルを顔にかけるだけでもだいぶラクになるはずですよ。
【STEP2:水風呂】
ライターM:水風呂が苦手、という人も多いですよね。水風呂に入ることは必要不可欠なのでしょうか? また、どのように入るとよいのでしょうか?
加藤先生:心身のパフォーマンスを上げるために、水風呂に入るのは必須です。苦手な方は、大きく息を吸い吐きながら入るようにするだけで、心臓への負担が減ってラクに入れるので試してみてください。水風呂に入ってしばらくすると、冷たさをやわらげてくれる膜のようなものができ、“冷たくて嫌だ”という気持ちから“冷たくて気持ちがいい”と思えるようになります。サウナーはこの膜を“羽衣(はごろも)”と呼んでいるのですが、これができるのにだいたい30秒〜1分くらいかかるので、息をゆっくり吐きながらつかり、しばらく待ってみてください。呼吸をしたときに気道がスースーしたらゆっくりと出ましょう。
【STEP3:外気浴】
エディターK:水風呂のあとの外気浴で“ととのう”体験ができるんですよね?
加藤先生:はい。いよいよサウナの真髄でもある外気浴です! 水風呂から出た瞬間から「ととのいタイム」は始まっているので、できるだけ速やかに体を拭いて外気浴に向かいましょう。体を拭くのは気化熱で体が冷めないようにするためです。水風呂で体が冷えているのに、冬に外気浴なんてしたら寒くて死んでしまうのではと思うかもしれませんが、全然つらくはありません。なぜならこのときの体は、魔法瓶のように熱を閉じ込めているからです。椅子に座るか、スペースがあれば横になって5〜10分程度、体が落ちつくまで過ごしてください。外気浴のあとに水分を補給して、またサウナ室からの流れを3〜4セット繰り返しましょう。
サウナで「肌がきれいになる」ってホント!?
ライターM:先生の著書に、「サウナは美肌効果がある」と書いてありましたが、どうして肌がきれいになるのでしょうか?
加藤先生:サウナで汗をかいたり、血流がよくなることで肌の新陳代謝が促進され、肌の調子も“ととのい”ます。また、体に熱刺激を与えることによって出るヒートショックプロテインという物質があるのですが、この物質は細胞を修復するため、肌のダメージをリカバリーしてくれるのです。ヒートショックプロテインは紫外線のダメージも修復できるといわれています。
サウナは乾燥するので、出たあとは、ヒートショックプロテインが放出されているうちにしっかりと保湿をして、修復作用をサポートしましょう。サウナに行くときは、いつも使っているスキンケア用品を持っていないことも多いかもしれませんが、サウナ後こそ、スキンケアアイテムにはこだわってみてください。おすすめは、高級な成分がたくさん入っているようなものより、ワセリン、グリセリンなどの極力シンプルな成分のものでケアすることです。

サウナで「冷え・こりが改善する」ってホント!?
エディターK:私はとにかく冷え性で、デスクワークによる首・肩のこりや眼精疲労がつらいんです。サウナで血流がよくなることで冷えやこり改善に効果がありそうなのはなんとなくわかりますが、どのような点に気をつければ、より高い効果が得られるでしょうか?
加藤先生:まず“冷え性”に関してですが、そもそも「体を冷やすのがよくない」という考えは誤りです。それだったら同じ空間の中で隣同士に座っている片方の人だけ寒いわけがない。つまり寒いと感じている人は、自律神経の機能が弱まっているわけだから、きちんと機能するように身体の奥がしっかり温まるまでサウナに入ることが重要です。
エディターK:奥まで温まっていることを判断する方法はありますか?
加藤先生:足の先まで温まっている感じがするかどうかですね。それから背中の真ん中あたり、風邪をひいたときに寒気がする部分が温かくなっているかどうかです。顔にタオルをかぶって、冷静に自分の体は今温まっているのだろうかと考えると判断しやすいですよ。表面だけ熱くてしんどいけれど、深部はまだ温まってまっていない感じがした場合は、もう少し入るようにしてください。
次に“肩こり・腰痛・眼精疲労”ですが、これらは血流の問題で、これも体の深部までしっかり温めることが大事になるので“冷え性”の場合と入り方は一緒です。こりをほぐすためには、サウナ室で軽くマッサージをする“マッサウジ”がおすすめです。
また、私も運営に関わっている、『ココハル』というシール鍼のメーカーが作った無料のアプリ(https://kokoharuapp.com)があるのですが、悩んでいる不調を入力すると最適なツボを教えてくれるので、ぜひサウナに行く前にチェックしてみてください。サウナに入りながら、ツボを押すと気持ちがいいですよ!

サウナに入ると「ダイエットにいい」ってホント!?
ライターM:先ほど、サウナはダイエットにもいいとおっしゃっていましたが、具体的にはどういうことでしょうか?
加藤先生:サウナに入ると甲状腺ホルモンが増えるので代謝が上がり、痩せ体質になる※からです。甲状腺のおもな役割はふたつあり、ひとつは交感神経を活性化すること、ふたつめは全身の代謝を活性化することです。そのため、サウナに入ることで代謝が上がり、エネルギーを消費しやすい体になります。
ここ数年、16〜18時間の短時間で行うファスティング(断食)が人気ですね。なぜ16〜18時間かというと、断食後16〜18時間で代謝のスイッチが「食事で得た分」から「貯蓄分」に切り替わるからです。16〜18時間たち、体が飢餓状態になると、代謝のスイッチが切り替わり、体に貯蓄している脂肪をエネルギーとして使います。この、代謝のスイッチを切り替える役目を担っているのが甲状腺ホルモンなんです。実は、16〜18時間断食するのと同様の甲状腺ホルモン量の変化が、サウナに入ってわずか20~30分後にも現れ、脂肪を燃焼するようになるんです。本来は約1日かけて断食しないと脂肪にアプローチできないのに、わずか20〜30分でそれがかなうのはすごいですよね!
ただし、サウナ前やサウナ中に糖分を摂取すると、甲状腺ホルモンが上がらなくなる※ので、その点は気をつけてください。糖分を摂取する場合はサウナ後にしましょう。また、食べるタイミングがサウナのあとでも、食べすぎたら当然太ります。サウナの直後は副交感神経が高まることで食べものの吸収率も上がるため、注意が必要です。サウナのあとは味覚も敏感になっているため、食べものがおいしく感じられますが、こってりしたものは控えるといいでしょう。味覚が敏感になっているので、繊細なだしの味を感じ取ることができるおでんなどが僕のおすすめです。あとは一価不飽和脂肪酸が多いオリーブオイルをふんだんに使った地中海料理なんかも、いいですね。
また、むくみの大きな原因である塩分がサウナで汗をかくことで排出されるため、むくみが取れてフェイスラインや体がスッキリする効果もありますよ!
※Effects of Sauna and Glucose Intake on TSH and Thyroid Hormone Levels in Plasma of Euthyroid Subjects, METABOLISM, 1987
サウナで「PMSや精神的な不調も改善する」ってホント!?
エディターK:サウナに入ることによって分泌されるホルモンが多幸感につながるとのことですが、PMSのメンタル不調などにも効果はあるのでしょうか?
加藤先生:そうですね。サウナに入ると交感神経が優位になるのですが、実は交感神経って卵巣に直結しているんです。適切に入ることでホルモンの分泌が安定するので、PMSのメンタル不調にも効果があると思います。とはいえ、調子がよくないときに無理をして入ってもサウナの恩恵を受けることはできないので、そういうときはサウナはお休みしてくださいね。
ライターM:PMS以外にも、精神的な不調がよくなることはありますか?
加藤先生:あると思います。僕のインスタグラムに届くDMの中に、うつが治ったり改善されたという声が複数ありますので、気分が落ち込んでいる方は一度サウナを試していただきたいです。実際に、サウナ大国のフィンランドでは、サウナによく入る人は精神疾患になる率が78%減るという報告もあるんですよ。

女性におすすめしたい! 加藤先生の推しサウナ
エディターK:もともとサウナは好きでよく行っていましたが、加藤先生のお話を聞いて、ますますサウナへの興味が高まりました! もう今夜にでも行きたい…!
ライターM:私はサウナ初心者ですが、先生おすすめの入り方を実践したくてウズウズしています。どこのサウナに行こうか…。先生が特に女性におすすめしたいサウナはありますか?
加藤先生:サウナは日常的に入ることで効果がより高まるので、通いやすいということがいちばん大事です。なので、ぜひ近所で気に入ったところを探していただけるといいと思います。最近は、昔ながらの銭湯をリノベーションした“ネオ銭湯”…と僕は呼んでいるのですが、内装やサービスを今っぽくアップデートした銭湯が増えているので、そういうところはおすすめですね。値段も銭湯価格なので1000円前後で入れます。都内だと、黄金湯や金春湯、えごた湯などなど。
都心ではまだまだ男性向けのサウナが多いですが、新宿のルビーパレスは女性専用なので、女性サウナーがよく行っているという話を聞きます。
たまにはごほうび的にパーソナルサウナに行ったり、思いきってサウナ旅に出かけるのもいいかもしれません。伊勢志摩のほうにある飛雪の滝キャンプ場は、湖畔にテントサウナを立てることができて、そこから滝壺に飛び込むことができるんです。福岡・糸島のHIDEAWAYもおすすめ。それから島根県にある時津風というサウナも面白い! 温泉街の中にあって、カフェとスナックの奥がサウナになっているんです。わざわざ遠くまで行かないと入れない特別なサウナから始めることで、サウナの印象も変わるのではないでしょうか。
実際に不調は改善するのか!? おすすめサウナで実践してみた
1.おすすめ“ネオ銭湯”サウナ『金春湯』で実践!
実践したのは▶︎エディターK

金春湯
住所:東京都品川区大崎3-18-8
営業時間:平日・土曜・祝日 15:30 - 24:00、日曜 10:00 - 24:00(最終入場 23:30)
定休日:毎週火曜日
入浴料:大人 500円、サウナ1回 600円、サウナ回数券6回 2700円
公式サイト:https://kom-pal.com/
『金春湯』ってどんなところ?
実は、こちらの銭湯は私エディターKの自宅から徒歩30分くらいのところにあり、以前にも一度利用させていただいておりました。金春湯のロゴを使った可愛いオリジナルグッズを売っていたり、こだわりのクラフトビールが置いてあったりと、お風呂とサウナだけでない楽しさがあるスポットです!
この日も気になるビールがあったのですが、「今日はダイエット効果も狙っていくぞ…!」と心を鬼にし、購入は見送りました。
金春湯のサウナは、出てすぐのところに水風呂があり、外気浴(屋内ですが)できるスペースもすぐ近く。サウナ→水風呂→外気浴を超スピーディに行うことができるため、質の高い“ととのい”が得られると感じました。また、サウナグッズの置き場所が定められていたり、ドライヤーが無料だったりと(銭湯は20円かかるところが多いです)、細かい部分ですが、快適に過ごすための心遣いもうれしいです。
ちなみに、『金春湯』から徒歩20分程度のところにある銭湯『すえひろ湯』が廃業することになってしまったところを『金春湯』が引き継ぎ、姉妹店として昨年の12/16にリニューアルオープンしたばかり。こちらにはなんと、生クラフトビールのタップも設置されています!
不調は改善されたのか!?
とにかく冷えと上半身のこりがひどい私。原因は絶対に「血の巡りが悪いから」。
サウナで血流をよくして冷えとこりを改善したいと思っているものの、体が温まる前に顔が熱くなり、息苦しくなってしまいギブアップしてしまうこともしばしば…。加藤先生に教えていただいた、「タオルを顔にかける」作戦を試してみました。
するとどうでしょう。顔が火照ってつらくなることもなく、いつもよりも長い時間サウナ室にいることができ、体の芯まで温まっていることが実感できたのです。さらに、脚もあぐらのポーズにすることで、いつも最後まで冷えている足先が温まるスピードも格段に上がりました! 「血よ〜〜〜巡れ〜〜〜〜!」という思いを込めて、肩を回したりツボを押したりなどの“マッサウジ”もしっかりと。
サウナ→水風呂→外気浴の流れを3セット行い、水分をしっかりとって外に出ると、かつてないほど体が軽いではありませんか…‼︎ こんなに明らかにサウナの効果を感じたのは初めてだったので、正しい入り方って本当に大事なんだな…と、ひしひしと感じたのでした。

2.おすすめ女性専用サウナ『ルビーパレス』で実践!
実践したのは▶︎ライターM

ルビーパレス
住所:東京都新宿区大久保1-12-2
営業時間:24時間営業(現在は時間短縮営業)6:30-26:00 (最終入館24:00) ※火曜日のみ9:30-26:00
定休日:なし
入館料:1980円(4時間・延長する場合は880円/1時間)、2420円(10時間・延長する場合は550円/1時間)
公式サイト:https://www.rubypalace.com/sauna.html
『ルビーパレス』ってどんなところ?
日本ではまだまだ男性専用のサウナが多いなか、新大久保駅と東新宿駅の間にある『ルビーパレス』は女性専用!
銭湯よりはお値段は高めですが、バスタオルとフェイスタオルが料金に含まれているうえ、浴場には備え付けのシャンプー、リンス、ボディソープがあるので、ふらっと手ぶらで行けることを考えたらコスパもいいですね。
サウナがメインですが、洗い場もゆったり広く、大きなお風呂もあるので、サウナに入る前の準備ものんびりできます。ちなみにお風呂のお湯は硬度0mgを基準とした軟水を使っているそうで、肌当たりも滑らかです。
サウナはロウリュサウナ、遠赤サウナ、よもぎスチームサウナ、麦飯石サウナの4種類があるのですが、“ととのう”ために選ぶべきは80度以上の高温サウナであるロウリュサウナ一択。熱したサウナストーンに水をかけ、高温の水蒸気を一気に発生させる、フィンランド発の入浴法「ロウリュ」が気持ちいい! 水蒸気を体に浴びることで、体の芯から体感温度を上げ、湿度によって発汗を促すことができます。ととのい終わったあとで、のんびりと残りの3つに入るのもアリです。
今回は体験しませんでしたが、『ルビーパレス』はアカスリも名物なので、次回はセットで楽しみたいと思いました。
不調は改善されたのか!?
私は極度の肩こりと腰痛に悩まされていて、月に4回ほどマッサージに行かないと生きていけません(笑)。さらに冬になると登山用の靴下をはかないと足の指の感覚がなくなるほどの冷え性なので、いちばんの目的は「冷え・こりの改善」。
80度〜90度に保たれたロウリュサウナの室内に入ると、広々とした空間に3段の木製ベンチが並んでいます。初心者サウナーではありますが、2段目の扉から遠い位置に座り、初めての“ととのい体験”への期待で胸を膨らませながら、あぐらをかいて脈を測り、しばし瞑想。
脈が軽い運動時程度に早くなったところでいざ水風呂へ! 今までの人生で水風呂が気持ちいいと感じたことがなかったのですが、30秒ほどじっとしていると、ふんわり包まれるような心地よさが訪れてびっくり! 加藤先生に教わった通りの入り方をするだけで、こんなにサウナ&水風呂が気持ちいいとは驚きました。ちなみに水温は20度前後です。
そして最後に総仕上げの外気浴。残念ながら屋外ではないのですが、水風呂とサウナのあいだにある石のベンチに腰掛けてぼーっと過ごします。これ以外に入り口に一人用の椅子も置かれているので、混んでいるときでも安心です。
1セット目を終えた時点で至福の時間を過ごせた私は、初心者ながらキッチリ3セットをこなし、家路へ。『ルビーパレス』から自宅までは歩いて30分ほどなのですが、まったく寒さを感じることなく、家に着いてからもポカポカ&ふわふわした感覚が続いていました。今日から私も立派なサウナーです(笑)!

3.おすすめパーソナルサウナ『KUU』で実践!
実践したのは▶︎エディターK

KUU
住所:東京都港区北青山3-9-2 AQUAビル 1F
営業時間:9:00 - 23:30(完全予約制)
定休日:不定休
利用料:70分コース 5,500円、90分コース 6,930円、70分コース(リピート予約) 5,170円、90分コース(リピート予約)6,600円 ※利用後にその場で次回の予約をするとリピート予約料金が適用されます。
公式サイト:https://sauna-kuu.com/
『KUU』ってどんなところ?
北青山のパーソナルサウナ『KUU』。重厚な扉を開けて中に入ると、まるでエステサロンのようなラグジュアリーな空間が広がります。受付で、一人一本もらえるお水、希望者がレンタルできるサウナハット、2種類から選べるアロマオイルを受け取りいざ個室へ!
個室には、タオルやソープ類をはじめ、歯ブラシやヘアゴム、携帯の充電器まである至れり尽くせりっぷり! そして圧倒的な存在感を放つ、ダイソンのドライヤーさま…! 室内の照明も調節できるので、自分好みのムードを作り上げられます。
シャワー室のドアを開けると、自分だけのシャワーに自分だけの水風呂、その奥には自分だけのサウナが…! このパーソナル感、たまらないです。ゆっくりと自分と向き合いたいという人には、ぴったりのサウナなのではないでしょうか。
不調は改善されたのか!?
この日、改善したいと思ったのはズバリ「精神的不調」。日々忙しさに追われ、ゆっくりと自分の気持ちと向き合う時間も取れずにいる今日この頃。「自分が本当に求めているものはなんなのか?」「自分はどういう存在なのか?」…そんな問いを通勤電車の車窓に映る疲れた顔に投げかけるも、答えは返ってきません。仕事もプライベートもけっこう楽しいけれど、なんだか気持ちがスッキリしきらないアラウンド・サーティ特有のこのモヤモヤ感をどうしたものか。そんな不調もサウナが解決してくれたりするんですかね!?
シャワーでさっと体を洗ってから、水風呂の横に用意されていたアロマロウリュ用の水にアロマオイルを溶かし、サウナ室へ。サウナ室は2段になっており、2段目は横向きに座ると脚ものばせる広さです。モワッとした熱気に満ちた薄暗い空間に閉じ込められているこの感じ、なんかSFっぽいな〜などとぼんやり思ったりしました。
サウナ室の中にあるサウナストーンに、受付でもらったアロマを混ぜた水をかけると、ジュワワ~という音とともに、サウナ室の中にめっちゃいい香りの熱波が立ちこめます。これは…思った以上に熱い! だが、それがイイッ…! 体の芯から熱くなり、全身から汗が吹き出る感覚。自分の体が、今ここに“在る”という実感ッ…!
ミニ宇宙船のような水風呂から上がり、“ととのい”特有の浮遊感に包まれながら脱衣場の椅子に座って火(っぽい照明)を眺めていると、つねに頭の片隅にある仕事のタスクや、将来への不安などが自分という存在から遠ざかっていくような気がします。そしてしだいに、「あれ…何を気にしてたんだっけ…? そうか、なんでもなかったんだ。自分は自分で、自分は世界で、世界は自分なんだ…」という真理(?)にまで到達することができました。
誰の目を気にすることもなく、自分一人きりの空間で体と心をいたわる体験により、忘れかけていた“自分自身を愛すること”を思い出すことができた…という感じでしょうか。その感覚は、パーソナルサウナだからこそ、そしてこのラグジュアリー感あってこそ得られたものだと思います!

正しい入り方をするだけで、その効果や気持ちよさが何倍にもなるサウナ。ブームに乗じてサウナデビューした人々が、次々とやみつきになっていくのもうなずけます。
まだまだ続く寒い冬。サウナの“熱波”で、体と心の不調を吹き飛ばしちゃいましょう!
アラサー女子が通う東京の銭湯&サウナ14選!湯上がりの一杯が飲めるところ限定<ウェルネス酒場vol.1>
食べること飲むことが大好きなアラサーyoiエディターの木村とライター海渡が、同い年のグルメ雑誌エディター嵩倉さんをゲストに迎え、心と体をヘルシーにしてくれる「ウェルネス酒場」について五月雨トークを展開! 今回のテーマは、「銭湯&サウナ」とともに楽しむお酒です。ノンアルドリンクやおいしいおつまみも大充実だから、お酒が飲めない人でも大満足できるはず!
♡メンバープロフィール♡
エディター嵩倉:1991年生まれ。グルメ情報誌「東京カレンダー」の編集者。仕事柄、リサーチのために週7で外食。ラグジュアリーレストランから大衆居酒屋まで知り尽くしている。
エディター木村:1992年生まれ。yoi編集部員。食べることと飲むことが生きがい。主な飲食エリアは品川区・大田区・新宿区。
ライター海渡:1991年生まれ。どんなに忙しくても、三食必食。渋谷〜中目黒、新大久保周辺のごはん屋に出没しがち。最近は、オーガニックレストランを開拓中!
銭湯&サウナを満喫したあとは、キンキンのビールで〆!
エディター木村:昔は、銭湯・サウナのあとといえば、コーヒー牛乳が定番でしたけど、最近はお酒や食事も楽しめるスポットがどんどん増えていますよね! 私は、銭湯・サウナが大好きで、仕事帰りによくフラッと立ち寄るんですけど、お風呂やサウナで整ったあとに飲むビールって、本当に格別。
エディター嵩倉:わかります! 数年前にサウナ・銭湯ブームが起きてから、確かにお酒や食にこだわっているスポットは増えていて、若い世代を中心に人気を集めていますよね。
ライター海渡:確かに。例えば、錦糸町にあるデザイナーズ銭湯の先駆け的存在「黄金湯」なんて、その代表格ですよね!
エディター木村:大人気ですよね。
ライター海渡:ここの薬湯や炭酸泉でしっかりとデットクスした後に、ブルワリー「ベイズヨツメブルワリー」のクラフトビールを飲むのが最高。軽やかで低アルコールのものもあるから、お風呂上がりにぴったり!
エディター嵩倉:ラム肉を使用したキーマカレーやハンバーガーといったフードの種類も豊富なところも魅力ですよね。
ライター海渡:タップがある銭湯だと、「黄金湯」に感銘を受けた店主がリニューアルオープンした「狛江湯」も話題ですよね。近所のブルワリー「和泉ブルワリー」のさっぱりとしたクラフトビールを飲めるんです。珍しくておしゃれなソフトドリンクやフードも充実してるから、ノンアル派も楽しめる!
エディター木村:地元で作られているお酒が飲めるっていいね。ほかにタップがある銭湯だと、大井町にある「すえひろ湯」かな。2022年12月にリニューアル開業した銭湯で、「デビルクラフトブルワリー」のビールが飲めるんだよね。缶ビールの種類も豊富で、「うちゅうブルーイング」「パシフィックブルーイング」とか、いつも迷っちゃいます。
エディター嵩倉:ここ、浴場は昔ながらの雰囲気が残っていていいですね。ごはもしっかりと楽しみたい人は、2023年春に西麻布にできた「テルマー湯」がおすすめ。歌舞伎町にもありますが、西麻布の店舗は、神保町にある「山の上ホテル」で料理長を務めていた方が手がけた本格中国料理がいただけるんです!
ライター海渡:それは気になる! スチームサウナや高温サウナ、マッサージ効果が期待できるハイブラ水風呂とか、サウナの種類も豊富で、エンタメ性が高いんだね。
エディター木村:エンタメ性も高くて、お酒も食事も楽しめるといえば、蒲田にある「蒲田温泉」。
エディター嵩倉:あ〜確かに! 真っ黒で、美肌や疲労回復効果が期待できる「黒湯」が有名ですよね!
エディター木村:そうそう。2階には「蒲田温泉食堂」があって、鶏肉やお野菜が入った素朴な味わいの「温泉釜飯」が名物。すごくおいしいですよ〜! 入浴前に注文しておくと◎。
エディター嵩倉:その食堂って、ステージ付きの宴会場で、カラオケ大会やライブも開かれていますよね。
エディター木村:あります。あのアットホームな雰囲気が最高ですよね。
ライター海渡:知らなかった〜! 楽しそうだから、今度行ってみます!
エディター嵩倉:余談ですが、蒲田にある「オアシス」というスナックに、銭湯帰りに寄るのもおすすめ! 黒服を着た司会者の盛り上げ力と場を回すスキルの高さが素晴らしくて、行くたびに感動する。みんなが歌う姿を見るのもいいけど、舞台に上がって歌っても。
エディター木村:え〜めちゃくちゃ気になる。絶対楽しいじゃん! 温泉入って、飲んで食べて、歌って。最高のストレス発散だ。
町の銭湯に行ったあとは、モダン点心を食すべし!
エディター嵩倉:私が、体が悲鳴を上げたときに駆け込む銭湯といえば、幡ヶ谷にある「観音湯」。ここはお酒は売っていなくてスタンダードな銭湯ですが、近所に居酒屋がたくさんあるんです。私は、歩いて数十秒の場所にある海鮮居酒屋「浜屋」へいつもダッシュしています(笑)。ジョッキがキンキンに冷えているし、お刺身の盛り合わせが絶品なんですよ!
ライター海渡:今すぐ行きたい。
エディター嵩倉:または、点心バル「yum」へ行くのもおすすめ。中華と聞くと、せっかく銭湯でデトックスしたあとに重くない? と思うかもしれませんが、ここは素材にこだわっていて、優しい味わいなんです。ナチュールワインと点心をぜひ。
エディター木村:ナチュールワインと点心、いいですね。
エディター嵩倉:銭湯サウナ後は、もちろんビールもいいですが、私は軽やかなナチュールワインの微発砲を飲みたくなるんですよね。こういったお酒は飲茶との相性が抜群なので、自然と点心バルに行くことが多くて。ビールが得意でない人は、銭湯後にナチュラルワインのお店がおすすめです。
ライター海渡:確かに、そういう人も絶対にいますよね。
エディター木村:銭湯からの点心なら、私は旗の台にある銭湯「新生湯」からの「点心バル マルバツサンカク」がおすすめ。珍しいお茶がそろっていて、そのまま飲んでも、お酒を入れても最高♡ 実はこのエリアは、銭湯がいくつかあるんだけど、そのなかでも新生湯は露天風呂があるんですよ! 激推し!
エディター嵩倉:あと、中野にある「松本湯」からのおしゃれな中華料理店「湯気」の飲茶を堪能するコースもあり。さっき挙げたお店もそうですが、ここの中華はにおいがつかないから銭湯後でも安心! 空間も素敵なのでぜひ。
ライター海渡:銭湯後に中華という発想が私にはなかった! 今度お二人のコースで巡ってみますね。
初心者におすすめ! 渋谷・恵比寿にあるホットなサウナ&銭湯
ライター海渡:私は銭湯&サウナビギナーなんですけど、そういう人におすすめの場所はありますか?
エディター木村:蕎麦酒場とプライベートサウナが一体になった「恵比寿サウナー」とマンガ『サ道』の著者・タナカカツキさんが総合プロデュースした「渋谷SAUNAS」かな!
エディター嵩倉:そうだね、どちらも比較的新しい施設だから、ビギナーにはぴったりだと思う。
ライター海渡:モダンなつくりだし、快適そう。次の休日に行ってみます!
【ひとリート】ラン×サウナ×ビールが楽しめる都会のオアシスとは?ウワサの「ととのい研究所」体験レポート!
疲れた体を癒やすには、おうちでのんびり過ごすのもいいけれど、ちょっと体を動かせば、巡りがよくなり、気分も爽快。そんな体験を丸ごとプロデュースする施設が東京・日本橋にあるって知っていましたか? その名も「ととのい研究所(通称、ととけん)」。ラン×サウナ×ビールが楽しめるという究極の癒しスポットをエディター・長谷がレポートします。

エディター
ウェルネス分野を中心に編集、執筆を行う。毎週末、温泉に足を運びサウナの温冷交代浴を2周するのがルーティン。年に2回ほどマラソン大会に出場するゆるランナー。

ラン×サウナ×ビール。最高すぎるリフレッシュ施設「ととのい研究所」とは?
都心のど真ん中に、心と体をゆるめて解放する“超”爽快体験ができる場所があると聞き、今回訪れたのは、東京・日本橋の「ととのい研究所」。
名前からしてリフレッシュできそうなこちらの施設は、Webマガジン『フイナム』から生まれたランニングコミュニティ『フイナム ランニング クラブ』が運営する複合施設で、ランニングステーションにサウナ、ビールスタンドを併設しています。

ランで汗を流し、サウナでととのい、締めのビールで心も体も解放、と名前の通り最強の“ととのい”スポットなんです。

日本橋のビル群をぬうように歩くと突如として現れるおしゃれな店構えに期待をふくらませながら扉を開けると、受付とバーを併設した広々としたスペースが。
出迎えてくれたのは、「ととのい研究所」の店長、小田泰次郎さん。 まずは小田さんに施設の特徴や、「ととのい研究所」ならではの魅力を伺いました。
サウナだけ、ビールだけもOK! 誰もが気軽に集える「ととのい研究所」の魅力
──「ととのい研究所」の特徴を教えてください。
小田泰次郎さん(以下、小田):ランニングステーションではあるのですが、ランが好きな人だけではなく、サウナが好きな人、ビールが好きな人、いろんな人が気軽に集まれる場所になっています。
実際、来店する方の過半数はサウナ利用なんですよ。また、都内のサウナは男性専用や、女性は週1、2回しか利用できないといった施設も多いのですが、「ととのい研究所」では女性専用のフロアがあるので、常時利用が可能です。
会社帰りに一杯、なんて気分のときにビールバーだけの利用ももちろん大歓迎ですし、とにかくふらっと立ち寄れる街の新名所を目指しています。

──ランニングステーションとしての強みは何でしょうか?
小田:隅田川沿いという立地がポイントです。隅田川沿いは車や自転車が通らないので、走りやすいですし、皇居や代々木公園などいわゆる“ランニングの聖地”と比較すると、本格派の人が少なく、景色を楽しみながら長くゆっくり走るのにも向いています。

また、「ととのい研究所」から浅草まで片道4km、両国なら片道2kmくらいで行けるので、東京の観光地を巡る「観光ラン」にもちょうどいいロケーション。
隅田川沿いはどこをとっても本当にいい景色で、道中の橋は国の重要文化財に指定されているものがあったり、夜はライトアップもされるのでとてもきれいです。
東京湾が広がる勝鬨橋(かちどきばし)側へ走ると、高層マンション郡があり、ウォーターフロントのような風景が広がり、東京のいろんな顔を楽しむことができるんですよ。
とにかくゆるく走りたいという方は、コースを決めず隅田川沿いを走り、疲れたら引き返す、という感じで、自分の体調と相談しながら距離を調整しやすいのも「ととのい研究所」の立地ならではの魅力です。
──サウナやビールスタンドにはどんなこだわりがあるのでしょうか?
小田:サウナは、男性用と女性用でストーブを使い分けていて、男性用はかなりパンチのある熱さ、女性用はしっとり温かい感じで、セルフロウリュを楽しむことができます。
いずれも本格的なサウナを楽しめるこだわりのサウナストーブを使用し、水風呂だけではなく、温風呂もご用意しています。
また、男性用のみにはなるのですが、一般的な水温の大きい水風呂の中に、10度以下の小さい水風呂を入れ込みにした2種類の水風呂を楽しめるのは「ととのい研究所」ならでは。

提供:ととのい研究所
週に1回、女性用と男性用のサウナの入れ替えの日があるので、女性の方もぜひ、その気持ちよさを体験していただきたいです。
ビールスタンドでは、生ビールに加え、目利きがセレクトしたクラフトビールやサワー類、サウナ愛好家にはおなじみ、「オロナミンC」で「ポカリスエット」を割った「オロポ」などのソフトドリンクに加え、ちょっとしたおつまみもご用意していて、小腹を満たすのにちょうどよいメニューがそろっています。
いざ、ととのい体験へ! 「ととのい研究所」リアル体験レポート
「ととのい研究所」の魅力をたっぷり伺ったあとはいよいよ実際に施設を体験。
受付でランかサウナ、もしくはランとサウナ、利用内容と利用時間を伝えて、ロッカーキーを受け取ります。タオルはレンタルがあるので、会社帰りでも寄りやすいのがうれしい。

女性の更衣室、サウナは3Fで、広々とした更衣室には、ドライヤーやスキンケア用品、ヘアオイルまで置いてあり、うっかり忘れても安心です。


着替えて準備が整ったら早速、隅田川沿いのランニングへ! 太陽の光が燦々と降り注ぎ、光を反射する隅田川の水面、そしてその後ろにそびえ立つビル群の美しさに感動。自然豊かな場所で走るのとはまた違った都会のランが楽しめました。

今回は隅田川沿いを軽めに走り、「ととのい研究所」に戻り、自慢のサウナを体験することに。


浴室内には5つの洗い場があり、それぞれにシャンプー、トリートメント、ボディーソープを完備。コンパクトでかわいい温風呂と水風呂が用意されています。
平日の日中は、女性用は特に空いていて、この日は貸切状態。ゆっくりまったりサウナを楽しみたい人は平日の昼間、おすすめです。
いよいよ、浴室の奥、本格ストーブのあるサウナ室へ。8名収容のゆったり空間はとても清潔で快適。セルフロウリュをしたら、腰掛けて、じんわりと汗ばむのを感じます。


こちらのサウナ、本当に芯からじんわり温まる感覚があり、冷え性で温まりにくい、汗をかきにくい私でも、気持ちよく汗をかくことができました。
※今回は撮影のため水着を着用しています。
浴室内には複数の椅子が用意されていて、水風呂をでたら内気浴をして、ととのいタイムへ。
しっかりととのった後は、最後に温かいお風呂に入って、心も体も緩みきった状態で幸福感いっぱいに満たされました。
風呂上がりは、お待ちかねのビールタイム。1Fに戻り、バーカウンターで生ビールを注文。生ビールのほかに、店内の大きな冷蔵庫には、かわいいデザインのクラフトビールが並びます。


今回は生ビールとディップ系のおつまみで乾杯! ランとサウナ後のビールは人生初。よく冷えたビールを一口飲むと、完全にリラックスモードに。日々の疲れも吹っ飛び、究極のご褒美タイムでした。

本当の回復を味わえる。「ととのい研究所」リピート確定!
休みたいときは体を動かすのが億劫になりがちですが、「ととのい研究所」のランニングコースはとにかく気持ちがいい。
ゆったり、呼吸が上がらないペースで、自分をいたわるように、“楽しい”を第一に優先して走れるのは、隅田川沿いの美しい景色があってこそ。
さらに、サウナで血流を促し、お風呂で体をほぐせば、お家でダラダラするより、断然、心も体もリカバリーするのを心底体感しました。
体にいいことをした後だからこそ、ビールも普段の何倍もおいしい。好き、楽しい、気持ちいいが詰まった「ととのい研究所」。一度行けば、虜になること間違いなしです!
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ととのい研究所
住所:〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3丁目9-7
アクセス:
・東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅から徒歩5分
・都営地下鉄新宿線 浜町駅から徒歩8分
・東京メトロ日比谷線、都営地下鉄浅草線 人形町駅から徒歩10分
料金:
①ランステのみ利用 ¥880
②サウナのみ利用料金【平日】¥1320/1h 【土日祝】 ¥1540/1h
③ランステ&サウナ利用料金 【平日】¥1540/1h【土日祝】¥1760/1h
※その他の料金、詳細は公式HPをご確認ください。
営業時間:10:00~23:00(最終入場 22:00)
※月曜日のみ12:00~23:00
>>公式サイトはこちら
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【東原妙子の「ととのい道」連載まとめ】温泉宿からサウナの聖地までリトリート旅を総チェック!
屈斜路湖の大自然を独り占め♡ 一日一組の温泉宿「ワッカヌプリ」に行ってきました!【東原妙子の ととのい道 vol.1】

北海道釧路市内から車で約1時間45分。広大な林を抜けて到着した「ワッカヌプリ」は、阿寒摩周国立公園の区域内、屈斜路湖に面してぽつんと建つお宿。一棟貸切の一日一組限定で、とてつもなく雄大な自然と、かけ流しの源泉を独り占めできるという何とも贅沢な場所です。
宿についてひと休みしたら、さっそく楽しみにしていた露天風呂へ!

屈斜路湖は日本最大、世界で二番目に大きなカルデラ湖で、真冬は全面結氷するのですが、建物を出たら目の前は、見渡す限り真っ白に輝く世界。庭に建つ露天風呂では、そんな絶景を眺めながら、加水も加温もしていないかけ流しの自家源泉を24時間楽しめます。
温泉に何も手を加えずかけ流すというのは意外と難しいらしく、温度が高すぎても低すぎてもダメ。こちらの46度というのは、真冬のキリっと冷えた空気のなかでも気持ちよく入ることのできる絶妙な温度とのことで、まさに大地の恵みに感謝。

さらに、そこから数歩階段を下りたところには、木桶で作られたワイルドな五右衛門風呂が。まわりには人っ子一人いないので、遠慮なく素っ裸でお湯にドボン!
お湯が流れ出ることによって湖の氷が一部解けている箇所があり、温泉でのぼせそうになったら湖を水風呂代わりにしたり、雪の中にダイブしたり。これぞ温泉好きのロマン!「屈斜路湖、私の庭だっけ?」と大それた感覚を味わえてしまいます。

ひとしきり絶景温泉と雪遊びを満喫して疲れたら、暖炉にあたりながらソファでうたた寝。むにゃむにゃ幸せ…♡
プライベートな空間で道東の雄大な自然と親しむ、他ではできない唯一無二の経験ができる宿。季節ごとにまた違った魅力がありそうなので、ぜひ再訪してみたいと思います。
これぞサウナの聖地! 世界遺産・知床の流氷を望む絶景リゾート【東原妙子の ととのい道 vol.2】

021年6月にリニューアルオープンした「北こぶし知床 ホテル&リゾート」は、北海道の世界自然遺産・知床半島にあるリゾートホテル。目の前の海岸には1月下旬頃から流氷が接岸し、最盛期には一面氷で埋め尽くされた真っ白な大地のような光景を見ることができるんです!

2ホテルへ向かう道すがら、まずは近くの海で流氷ウォーク! 氷の上をヨチヨチ歩く姿は、遠目でほぼペンギンでした(笑)。

※写真は公式HPより
さてホテルに到着したら、早速サウナへ! 大きな窓からパノラマビューで切り取ったオホーツク海の風景がダイナミック!
流氷をイメージした直線的なデザインの「KAKUUNA」と、木の洞窟をイメージした緩やかな曲線の「UNEUNA」は、最上階の展望大浴場の中にあり、午前と午後で男女が入れ替わるので、初日&翌日で両方を堪能することができました。
サウナストーブは、世界一のシェアを誇るHARVIA社製で、10分に1回のオートロウリュウもあり。ストーブ上のサウナストーンは、地下30㎞以上の深部にあるマグマから生成されたものを使用しているとか。水風呂は15~16度と最適な状態だし、露天風呂スペースには外気浴用の椅子もあり、ととのい環境は万全!

客室サウナのすぐ横はテラスになっていて、温泉露天風呂と外気浴スペースも。
プライベートな特等席で、流氷と星空を眺めながら、好きなときに好きなスタイルで“ととのい”放題♡という、ちょっともう何で俗世に戻らなくちゃいけないのかわからなくなるくらい極楽浄土な時間でした。
冬はサウナ&ホットプールが最高♡ 東京から70分、千葉内房のリゾートホテルへ!【東原妙子の ととのい道 vol.3】

回は一泊二日の弾丸旅! 昨年夏にできたばかりの千葉・内房にある「BOTANICAL POOL CLUB(以下、BPC)」に行ってきました。東京駅から車で約70分。昼過ぎに出発しても、軽くランチをしてチェックインの15:00には間に合う算段。

到着すると、トロピカルな木々に囲まれた真っ白な建物がお目見え。吹き抜けになったロビーにはアート作品があちこちに飾られていて、入った瞬間から開放感満点です。大きな窓の外には、BPCを象徴するプールエリアが。まわりには個性豊かなヤシの木が植えられていて、まさに南国のリゾートといった風景にテンションが上がります。

すぐに水着に着替えてプールへ向かいます。「は?真冬にプール?」と私の皮膚感覚を心配してくださる方もいるかもしれませんが、安心してください、温水ですよ。
そう、こちらのBPCはその名のとおり、プールクラブをテーマに、ボタニカルに囲まれたプールをオールシーズン楽しめるホテル。11月1日から3月31日まで、水温を36.5~40℃に設定したホットプールを楽しむことができるのです♡

そして注目すべきは、プールの傍らに佇むコンテナ…。これが、お待ちかね!施設内に2種類あるサウナのうちのひとつ「SWEAT BOX」なのです。
コンテナの中に入ると、全面ガラス張りの大きな窓から生命力あふれる圧巻のボタニカルビュー。おなじみ「HARVIA」のサウナストーブはセルフロウリュウが可能で、室内温度も100℃以上。冬の外気で冷えた体をカンカンに温めてくれます。サウナ後は、チラーで冷やされた冷水シャワーを浴びてから、思いきりプールにダイブ!! と行きたいところですが、40代の飛び込みは身体的にもビジュアル的にもツライので、そっ…と脚からホットプールに沈みます。
ふ~極楽~♪

プールのまわりには、パラソルやプールベッド、プライベートに仕切られた「POOL HOUSE」が並び、冬の間は防寒のためのパラソルヒーターも設置。
プールサイドバーでも、この時期は定番メニューに加えてアヒージョやチョコレートフォンデュなど、季節限定のホットスナックやホットカクテルも販売していて、いかにも大人のリゾートといった雰囲気が漂います。ちなみにこの日は、温かいコンソメスープが無料でふるまわれていました。
泳ぐもよし、サウナでととのうもよし、星空を眺めながらお酒を飲むのもよし。ゲストがそれぞれ好きな時に好きな過ごし方ができるのがいいですよね。
登録有形文化財の温泉宿で贅沢サウナ&テントサウナを堪能!【東原妙子の ととのい道 vol.4】

伊豆・修善寺「おちあいろう」に宿泊してきました。創業150年の登録有形文化財の温泉宿で、2019年にリニューアルした際に新設されたサウナは2年連続でサウナシュランに選ばれ、サウナー界隈でも話題になりました。
修善寺駅から車で約20分。豊かな自然に囲まれた山間に「おちあいろう」はあります。
1874年の創業時、2本の川が落ち合う(合流する)場所に建つことから、旧幕臣の山岡鉄舟が名付けたそう。以降、島崎藤村、川端康成、北原白秋など、名だたる文人墨客にも愛された歴史情緒あふれる老舗旅館です。

本館と眠雲亭に分かれた14の客室は特徴がすべて異なり、それぞれに違った魅力を楽しむことができます。各部屋の名前は源氏物語から付けられていて、欄間にはそのモチーフが透し彫りにされているのも面白い。
今回私が滞在したのは、眠雲亭にある和洋室「浮舟」。前室、本間、ベッドルーム、さらに露天風呂付きというスイート仕様のお部屋です。

「天狗の湯」内の洞窟風呂
さて部屋で一息ついたら、いよいよ温泉へ。
「おちあいろう」には、男女入れ替え制の大浴場が2つあり、それぞれに趣向が異なる名物サウナがあります。
こちらは、「天狗の湯」。天狗も入ったと言われる露天岩風呂と、湯けむりに包まれた幻想的な洞窟風呂を楽しむことができます。
その奥に佇むのが、“今行くべきサウナ10選”のひとつとして、2020年のサウナシュランにも選ばれた「天狗サウナ」です。室内に温泉が流れ込む造りで保温効果が高く、狩野川の眺めや壁一面に敷き詰められたヒノキの香りを楽しめるのが特徴。
サウナ内は比較的高温になり、水風呂は天然の川の水でしっかり冷たいので、バチバチにととのいたい“ガチ勢”には断然この「天狗サウナ」をおすすめしたい。


さらに「おちあいろう」には、一日一組限定で、テントサウナをプライベート貸し切りできるプランがあり、これがまた最高すぎるのです…!

テントサウナは宿の敷地内を流れる狩野川の畔に設置されていて、サウナで汗をかいたら、天然の水風呂(=目の前の川)に入ってクールダウン→川のせせらぎを聞きながら外気浴というワイルドな“ととのい”体験。川の水温が下がる季節は、テントの横に水風呂と温泉が設置されているので、秋冬でも「テントサウナで凍死」とかいうセンセーショナルな事態は防げるはず。
歴史ロマンを堪能しつつ、同時に新感覚の“ととのい”体験ができる「おちあいろう」での宿泊体験。貧乏性の私はやりたいことがありすぎて、ぼんやりしている暇がないくらい忙しい! 皆さま、しつこく毎年訪れたくなる気持ち、わかっていただけたでしょうか(笑)?そんな全人類(?)誰もがそれぞれの方法で最大限に楽しめる宿だからこそ、また次も大切な人とここで時間を過ごしたくなってしまうんです。
東京のど真ん中でサウナ! 美容発想のリュクスな「SteaMs.」へ【東原妙子の ととのい道 vol.5】

女性専用スチームサウナ「SteaMs.」へ行ってきました! 肌・髪・腸をととのえる美容発想の“トリートメントサウナ”とのことで、大人女子としては気になるキーワード満載で興味津々。

昨年、六本木にオープンした「SteaMs.(スティーミズ)」は、女性専用の“トリートメントサウナ”。
“トリートメントサウナ”とは、湿度100%のスチームサウナの中でセルフメンテナンスをすることで、リラックスしながら自律神経をととのえ、肌・髪・腸を美しく蘇らせるというもの。自律神経ガタガタの私は、その説明だけでもう心が躍ってしまいます。
階段を下りて地下の扉を開けると、そこはハーブの香り漂う癒しの空間。壁やインテリアの曲線的なモチーフもどこか有機的なムードを感じさせるデザインで、女性が自然と力を抜いてくつろげるよう演出されています。
SteaMs.では、シャワー付きのスチームサウナ「RETOX」と、薬効成分のあるハーバルスチームサウナ「TERRA」という2種類のサウナに交互に入るのが基本形。

まずは、もくもくのスチームで満たされた「RETOX」へ。
「RETOX」の最大の特徴は、個々に分かれたブースで自由にセルフメンテナンスができること。
各ブースにはシャワーとアメニティがついていて、フェイシャルスチーマーを頭のてっぺんからつま先まで全身で浴びているような贅沢な蒸気の中、自分に合ったボディ&ヘアケアをより効果的に施すことができるのです!
10~15分ほど入っていると、お肌の潤いとともに体の芯から温まっているのを体感できます。

スチームサウナで温まり、一通りメンテナンスを終えたらリラクシングエリア「NEST」でひとやすみ。このとき、しっかりと水分補給を忘れずに!

続いて薬効成分のあるハーバルスチームサウナ「TERRA」へ。
ハーブの香りとブルーの光に包まれた神秘的な空間では、何も考えずにゆっくりと深呼吸を。全身に血液が巡るのを感じながら、ハーブのパワーを凝縮したスチームを肌から呼吸から吸収します。
スチームのハーブは、植物療法のオーソリティである梅屋香織さんによるブレンド。サーカディアンリズム(24時間周期のリズム)に沿った、昼と夜それぞれの時間帯や季節に合わせてブレンドを変え、ONとOFFの両面から自律神経を調整してくれるのだとか。
きめ細かくて芳醇なスチームサウナのクオリティはもちろんのこと、女性専用ならではの細やかな配慮と隅々まで都会的で洗練されたセンス、そして、仕事や用事の合間にさっと2時間で美しく健康になれる手軽さが最高すぎる…♡
ストレスから解放され、ただただ心地よい空間を満喫しながら、丁寧に自分自身を“ととのえて”あげる——そんな穏やかな時間を持つというのは、多忙な女性にとっては何よりの贅沢だなとしみじみ実感。
小豆島にマインドフルネスな宿泊施設が新オープン!オリーブの力でととのう【東原妙子の ととのい道 vol.6】

始まりは「樹齢千年のオリーヴ大樹」
小豆島と言えば、オリーブの名産地として有名。
こちらの「千年オリーブテラス for your wellness」には、何と樹齢千年(!)のオリーヴ大樹がシンボルツリーとして植えられていて、食だけではないオリーブの魅力を体感できる場所として2023年にスタートしました。そして今年3月、新たに宿泊施設がオープン。サウナも今年中には完成予定とのことなのですが、うっかり待ちきれず行ってきました!
まずは、広大な森の入り口にある「The GATE LOUNGE」へ。
小豆島産のヒノキ材を使って建てられた有機的なフォルムのこの建物は、エントランスでもあり、コンセプトショップでもあり、コミュニケーションラウンジの役割も兼ねています。

こちらでは、実際にこのオリーブの森に住むスタッフの方が、「樹齢千年のオリーヴ大樹」の物語や食と美容のオリーブオイルの効能などを教えてくれる「オリーブオイル講座」を受けることができます(事前予約制・別途有料)。
オリーブオイルに高い抗菌・抗酸化力があるのは有名な話だけれど、食べる以外の活用法はあまり知られていないもの。
講義というと堅苦しく感じるけれど、この森で作られた希少な食用オリーブオイルを飲み比べしたり、小豆島産美容オリーブオイルを試したり。食と美と健康にまつわる内容に大人女子たちは興味津々!
オーディオガイドを聴きながら行う瞑想プログラムもあり、そちらは日帰り体験料に含まれていて、宿泊者は無料です。

この日講義をしてくださったのは、副社長であり、小豆島生まれの「オリーヴ兄弟」の弟こと、柳生忠勝さん。

自社農園「オリーヴの森」で作られた美容オイル「ジ・オリーヴオイル」
そしていよいよ、「樹齢千年のオリーヴ大樹」とご対面!
「The GATE LOUNGE」のすぐ裏手、さらっとした海風が抜ける広い丘に、堂々と佇むひときわ大きなオリーブの木。
それはそれは逞しく、美しく、力強い生命力に満ちていて、どこか神々しさまで感じさせます。瀬戸内の温暖な気候も相まって、ここにいるだけで心地よい癒しのパワーを全身で浴びている感覚。
2011年にスペインのアンダルシア地方からえんやこらと海を越えてやってきて、ここ小豆島の地で根付いた立派な姿を見ていると、思わず千年も前にこの木を植えた誰かに想いを馳せてしまったり。
このパワーを自宅でも浴びたい!という人のために、「樹齢千年のオリーヴ大樹」から採った希少な苗木が販売されています。

瀬戸内海を見下ろす「樹齢千年のオリーヴ大樹」

数量限定版売の「樹齢千年のオリーヴ大樹」ジュニア!
何もしない贅沢。3組限定のスモールヴィラに宿泊

The STAY「ミッション」
チェックインを済ませたら、宿泊施設「The STAY」へ。
ミッション、ルッカ、マンザニロと、オリーブの名前を冠した3つのヴィラが並ぶ中で、今回は3人旅だったので一番広いマンザニロに宿泊。
中に入ると、眼前には美しい瀬戸内海の風景が広がります。木を基調にした内装に、ミニマルで洗練されたインテリア、そしてかゆいところに手が届く細やかな気遣いが随所に感じられて、シンプルなのになんだかものすごく落ち着く空間。
さりげなく置いてある飲み物もオリーブづくしで、いちいちおいしくて体にいいので、普段から美容や食生活に関して意識が高い人も安心して過ごせるはず。
それもそのはず、実はこちらのアドバイザーを務めているのは、スタイリストであり植物療法士の風間ゆみえさん。はい、センスの塊のあの方です♡ しかも今回、ゆみえさんご本人と一緒に宿泊するというなんとも贅沢なステイ!
The STAY「マンザニロ」


小豆島の伝統的な食文化「割子弁当」をいただく
「千年オリーブテラス」にはまだレストランがないので、夕飯は小豆島に古くから伝わる「割子弁当」をお部屋でいただきます。
“わりご”とは、村歌舞伎を見物する際に家族の弁当を入れていく木箱のこと。
瀬戸内の新鮮な食材とオリーブを使った見た目も華やかな創作郷土料理を、香川のヒノキ材で作ったオリジナルの割子で堪能しました。

そして翌朝迎えた、心も体も軽やかな目覚め
寝つきの悪い私がいつの間にか眠りに落ちて、すっきり目覚めた翌朝。起きた瞬間、目の前に広がる穏やかな風景と、聞こえてくるのはオリーブの森の葉ずれの音と鳥の声だけ。
あぁ、こんなにクリアな気持ちで目覚める朝はいつぶりだろう?
また大げさな~(笑)と思うかもしれませんが、信じがたいレベルの低血圧なもので、ここは普通の人よりつい実感がこもってしまうのです。はい、ここできっちり伏線回収できました!


4月17日開業・ハラカドの銭湯「小杉湯原宿」へ行ってみた!【東原妙子の ととのい道 vol.7】

今回訪れたのは原宿・表参道エリアのど真ん中! 神宮前交差点に4月にオープンして話題の「ハラカド」は、地上9階建てのガラス張りのビルの中に75の店舗が入った複合施設です。時代の最先端として情報発信をしてきたこのエリアで、挑戦的な熱い思いを持ったショップが集結し、クリエイターの支援・育成や、“クリエイティブの聖地化”を目指しているのだそう。
その中でも、オープン前から大注目だったのが、地下1階の銭湯「小杉湯原宿」です。
地下に“銭湯を中心とした街”「チカイチ」が誕生
小杉湯は、昭和8年創業、高円寺で91年続く老舗銭湯。
2店舗目として「ハラカド」の地下1階に「小杉湯原宿」をオープンし、フロア全体のプロデュースも小杉湯が担当しています。
地下1階なので、その名も「チカイチ」。うむ、ワカリヤスイネ。
“銭湯を中心とした街”に見立てて作られたこの場所には、銭湯の他にも、色々なジャンルのブースがあって、それぞれのコンセプトにちなんだ漢字一文字が看板として掲げられています。

まずは、「快」。こちらは、ロッカー付きのランニングステーションとストレッチスペース。
代々木公園から近こともあり、この日も走ったあとの爽快なひとっ風呂を目当てに来ているランナーの方が何人もいらっしゃいました。アンダーアーマーのウェアやシューズのレンタルもできるそう。
ご存じの方もいるかもしれませんが、まぁ、私…運動とか全然しないわけで…当然走るなんてまっぴらごめんなのですけれども…せっかく来たのでストレッチだけでもと、何となく?それなりに?してみました(笑)。やってみたら、これはこれでよいものです♡
隣の「誌」ブースは、雑誌の図書館。
畳でゴロゴロしながら読書をしたり、ビールを飲んだり、仕事をしたりしている人もいて、皆さん思い思い自由な時間を過ごしていました。

昔ながらの“街の銭湯”スタイルが楽しい
さて、いよいよ銭湯へ。まずは番台にて受付を済ませます。
入浴料は、なんと大人520円(中人200円、小人100円)!
スーパー銭湯と同じように自由価格が認められているのですが、目指すのは地元の人が毎日通える“街の銭湯”ということで、あえて東京都の入浴料金と同じ価格に設定しているのだそう。

フェイスタオル(泉州タオル)100円、バスタオル(今治タオル)200円。※レンタル料金
下駄箱に靴を入れ、のれんをくぐって中に入ると、そこはすぐ脱衣所と浴場というシンプルさが潔い。
高円寺の「小杉湯」とほとんど変わらない作りになっているという浴場は、白を基調にした明るいスペース。
通常、温浴施設では湯垢が目立たないよう色がついた床や壁にするところが多いそうですが、「小杉湯」では営業時間前の4時間と終了後の2時間かけて清掃をし、このクリーンな白を保っているそう。
並々ならぬ“銭湯愛”、伝わります…!

高円寺の「小杉湯」と同じ白を基調にした浴場
そして、真っ先に目に飛び込んでくるのは、昔懐かしい富士山の銭湯絵。こちらは全国に二人しかないという銭湯絵師の一人、中島盛夫さんの作品。ビルの地下ということで天井が低いため、目の前で鑑賞できます。
女湯と男湯は壁一枚隔てて上でつながっていて声が反響して聞こえてくるのも、いかにも昔ながらの銭湯の趣。
そういえば、亡くなった祖父は銭湯が趣味だったので、家にお風呂があるのに毎日通っていたんですよね。それで子どもの頃、たまに連れていってもらっては、女風呂から「ねぇねぇ、おじいちゃ~ん!」と大声で話しかけ、他のお客さんたちに笑われたのを思い出したりして。
無類の風呂好きは遺伝だったのか、と改めてほのぼのとした気持ちになりました。突然のノスタルジーおばさん、ごめんなさい(笑)。

はい、今月の「由美たえこ」カットになります
※取材許可をとって特別に浴場内で撮影しています。
さて、本題。「小杉湯」には3つの湯船があります。
白く濁った湯船は、初代から受け継がれてきた名物「ミルク風呂」。3つの保湿成分、ワセリン、ミツロウ、ミネラルオイルが配合されていて、優しいミルクの香りに癒されます。
隣のジェットバスになった「あつ湯」は、何と設定44℃! そっと足を入れてみると、いや、普通にめちゃくちゃ熱いんですけど!!?
でも、そうそう、昔の銭湯って激熱だったよな~と思い出し、最初だけ我慢して入ってみると、不思議なものでこの温度がだんだんと心地よくなってくる。江戸っ子ってドMだったに違いない。
そして最後、「水風呂」に沈んだあと。
こじんまりした内気浴スペースでひと休みしているとき、思いがけず“それ”は訪れたのです…!

※取材許可をとって特別に浴場内で撮影しています。
ふぁ~、気持ちいいな~。最高だな~。
ん? え? じわじわ~。あれあれ?
私、今、ひょっとしてととのってる…?
そう、この“温冷交互浴”で、ととのえてしまったんです。
昔ながらの銭湯スタイルにこだわる「小杉湯」では、あえてサウナを作らず湯船だけで勝負すると聞いていたので、ととのいについて実はまったく期待していなかったのですが、「あつ湯」と「水風呂」の温冷交互浴がこんなにも気持ちいいとは…! “ととのい”の新発見でした。
また、こちらのお湯は軟水器を使っていて、肌や髪に優しいのもさりげなくうれしいポイント。
縁側スペースで風呂あがりの一杯は格別♡

お風呂あがりのドリンクも、全世代が楽しめる充実のラインナップ。
ノスタルジックなコーヒー牛乳やフルーツ牛乳はもちろん、レアなコーラや乳酸飲料、そして、キンキンに冷えた生ビールスタンド!
縁側のような広々としたベンチに座って遠慮なくいただきま~す♡
ノンアルコール派には、日本酒みたいなビジュアルの甘酒「宝山」がおすすめ。優しい甘さでおいしかったです。
カバ印のアイスキャンデーもありました。
原宿のど真ん中に銭湯ができると聞いて、観光客向けなんだろうな~と思っていたのですが、「小杉湯原宿」が目指すのは、あくまで近所の人たちが気軽に利用できる“街の銭湯”。
走ったあと汗を流しに来てもいいし、ただストレッチをしてゴロゴロするだけでもいい。畳で雑誌を読んだり、縁側でビールを飲んだり。
私たち世代には懐かしくもあり、それが若い人たちにとっては今までにないクリエイティブな体験なのかもしれない。小杉湯がプロデュースする「チカイチ」は、単に銭湯に入る、というだけではない、老若男女問わず誰もが銭湯の文化的な価値を楽しめる場所。
都会の喧騒に疲れたら、またふらりと立ち寄ってみたいと思います。
沖縄通がハマってる!那覇のサウナ付き「Southwest Grand Hotel」って?【東原妙子の ととのい道 vol.8】

南北に長く、地域ごとに表情が違う沖縄本島。
大人の女性は、北部のビーチリゾートホテルで“おこもりステイ”派が多いと思うのですが、今回訪れた「Southwest Grand Hotel」は、南部に位置する那覇・市街地のど真ん中!
空港からのアクセスもよく、貴重な世界遺産や文化財が数多くある那覇。なかでもメインストリートの国際通りは、お土産屋さんが軒を連ね、ショッピングやグルメ観光の中心地として昼夜問わずにぎわう場所です。
私もプライベートでは何度も訪れている沖縄ですが、あえてビーチのない那覇に宿泊するのは初の体験。
コンセプトは“ラグジュアリーシティホテル”とのことで、新鮮な気分で向かいました。
国際通りからすぐ! 沖縄×ヴィンテージアメリカンのお洒落な館内

那覇空港からタクシーで約12分。昨年、那覇の国際通りの近くにオープンした「Southwest Grand Hotel」に到着。
まずは、ネオンサインやヴィンテージ風のインテリアが印象的な1階のラウンジにてチェックイン。
ミッドセンチュリー時代のアメリカンカルチャーから着想を得たというキャッチーな内装デザインは、館内に入った瞬間、まさに海外に来たようなノスタルジックなムードでたちまち旅の気分が高まります。
カウンターの先にあるオールデイダイニング「A LONG VACATION.」では、ソフトドリンクとアルコール6種類から選べるウェルカムドリンクが用意されています。外の通りに面したオープンなテラス席もあるので、着いて早々乾杯するもよし。
最新の機能性と充実のアメニティ。洗練された広い客室でくつろぐ

今回宿泊したのは、10階のグランドツインルーム。全88室はすべて45㎡以上の広さがあり、滞在中ゆったりと過ごせます。
木の温もりを感じる壁やミッドセンチュリー家具に、沖縄の青い空と海をイメージしたブルーのファブリックをきかせた客室は、シンプルながら趣があり心安らぐ空間。
聞けば、何気なくベッドサイドに置かれた目覚まし時計や電気のスイッチにもうんちくがあり、細部までアメリカンヴィンテージ風にこだわったつくりになっているそう。

寝具は「Serta」。1950年創業の専門メーカー「ドリームベッド」が作ったオートクチュール発想のブランド
クラシカルムードな内装の一方で、シティホテルならではの機能性や細やかな心遣いはラグジュアリーホテルにひけをとらない素晴らしさ!
例えば、冷蔵庫内のドリンクはすべて無料。沖縄ならではのオリオンビールや泡盛、ご当地ソフトドリンクも種類豊富で、部屋飲みはもちろん、プールサイドに持参して飲んでもいいという寛大さです。
クローゼットを開けると、サウナやプールへの館内移動に使えるオリジナルのガウンとビーチサンダル、肌触り抜群のルームウェアが完備。サンダルはおみやげとして持ち帰りOKで、沖縄滞在中もおでかけ先のビーチで活躍してくれました。
窓際に設置された75インチの大画面テレビでは、館内の施設情報やランドリーの混雑具合をリアルタイムで確認できたり、スマートフォンとつないで映画やドラマ鑑賞もできる最新仕様。
あと、小さなことだけれど、備え付けのタオルがたくさん積まれているのも気がねなく贅沢な気分で使えて嬉しかったり。
リゾート気分を満喫できる♡ プール&ジャグジーエリア

© Southwest Grand Hotel
ひと息ついたら早速、水着に着替えて11階のプールエリアへ。そこは、街中のホテルとあなどるなかれ、広い空と街並みを一望する非日常的なリゾート空間!
屋内プールは一面大きなガラス張りで、那覇の一日の移り変わりを眺めながら雨でも楽しめる全天候型。
はい、私は当然、平泳ぎの特訓です。
だってそのために来ていますからね。
10分の特訓を経て(飽きた)、何となく少しだけ泳げる距離が伸びた気がします。
「これ、蹴伸びで進んでいるだけでは…?」という声が聞こえてきましたが、そこはさっとスルーしました。

今月の「由美たえこ」㏌ジャグジー
沖縄の広い空のもと、屋上サウナでととのう

そして、お待ちかね! いよいよ最上階にあるサウナへ。
ここでようやく私、我に返りまして、本来の旅の目的を思い出しました。そう、平泳ぎではなく、ととのい旅だったわ…!
サウナーにはおなじみ、HARVIAのサウナストーブが完備された3段サウナに腰を据えると、目の前には大きな窓が。
夕陽が差し込む美しい窓の景観を眺めながらじわじわ汗をかいたら、目の前のシャワーで頭から水を浴びてから水風呂に沈み、デッキチェアに寝転んで外気浴、を3セット。
うむ。スペースはコンパクトながら動線に無駄がなく、“ととのい”までの道のりが完璧です。
見上げれば広い空と、爽やかに吹き抜ける沖縄の風。遠くに那覇の街の日常を感じながらディープリラックスが叶うという、今までにない心地よさのサウナ体験でした。

名古屋のレジェンドサウナ「ウェルビー栄」に女性エリア誕生! 注目のリトリート「ウィスキング」とは?【東原妙子の ととのい道 vol.9】

心身のメンテナンスには、“サ活”は不可欠!
ということで、あの有名なレジェンドサウナ、名古屋の「ウェルビー栄」へ行ってきました。
これまで男性専用施設だったこちら。昨年、女性サウナーからの切なる要望により、3階フロアをリニューアル。女性専用エリアと男女共用エリアが誕生したと聞いてワクワク♡

新感覚の女性専用サウナエリア「Forest House」が誕生

新設された女性専用エリア「Forest House」は、木材を基調にした森の中をイメージしたエリア。
入口の靴箱や脱衣所も、木の香りのする明るくナチュラルな内装が心地よく好印象。
中に入ると、中央にはメインサウナの「KIRIKABU」がドーン! その名の通り大きな切株のような外観が特徴的で、まわりの段差の部分に座ってくつろぐこともできます。
内部は円形で広く、ベンチの波打つような曲線がどこか有機的なイメージです。まくらもあるので混雑していなければごろんと寝っ転がってもOK。照明が暗く落とされていて、木の香りを感じながらリラックスして過ごすことができます。天井の遮熱板が花形なのも、さりげなく可愛くてほっこり♡

メインサウナ「KIRIKABU」で得意のごろごろタイム♡

巣箱のような木の靴箱
サウナから出たら、シャワーを浴びていざ水風呂へ!と、いつもの流れを思い描きつつ、その“いつもの水風呂”が見当たらない。
こちらの水風呂、扉に「Herbal Cold Bath」と書かれた白い小さな小屋の中にあるという斬新なスタイル! しかも、ドアを開けて中に入るとハーブの香りの蒸気が満ちていて、室内がほんのり温かい。一瞬困惑しますが、目の前の水風呂に入ると、水温はひんやり20℃前後、深さがあるので全身どっぷりつかることができます。
サウナで火照った体を冷やしつつも、乾いた肌に頭から潤いのスチームを浴びているようなフレッシュな感覚が心地いい♡ 水風呂が苦手という女性にも、これはよさそう!

今月の『由美たえこ』㏌「Herbal Cold Bath」
そして、もうひとつ、見過ごされがちな場所に、実はひっそりと小さな水風呂があるんです。
個室「Herbal Cold Bath」の左脇、オープンエリアにある小さなプールのような水風呂。こちら、何と水温は約8℃! サウナー用語でいうところの『シングル』(水温が1桁台=10℃未満の冷たい水風呂のこと)ってやつですね。
女性サウナでシングルの水風呂は、なかなかお目にかかれないので、バチバチにととのいたいガチ勢はこちらでぜひ。

扉の左側にある小さな水風呂。水温はシングル!
注目のサウナリトリート「ウィスキング」を体験

女性フロアの奥にはもうひとつ、ログハウスのような作りのサウナ「Whisking House」があります。
「ウィスキング」とは、バルト三国発祥の文化で、ウィスキングマイスターと呼ばれる専門の施術者の方が、シラカバなどの枝葉を束ねたウィスク(=ヴィヒタ)を使って心身をととのえていくリラクゼーショントリートメント。
ここは、全国的にも珍しい「ウィスキング」プログラム専用サウナなんです! 中に入ると、そこはまさに北欧の小さな山小屋。鳥のさえずり(※録音)も聞こえてくるし、気を抜くと木靴をはいた妖精なんかが出てきかねない非日常空間です。

今回担当してくれた、ウィスキングマイスターのLisaさん
まずは、ウィスキングマイスターのカウンセリングからスタート! 植物についての専門知識を持っていて、棚に並ぶたくさんのハーブの中から、その人の気分や体調に合わせてブレンドしてくれます。
常に健康状態に自信がない私。
寝つきが悪く、起きた瞬間から絶望的に疲れていて、肩こり、腰痛、眼精疲労、自律神経がガタガタで天気頭痛もひどいし、危篤レベルの超低血圧だし(連載vol.6 冒頭参照)、異常なガニ股で、物忘れはひどいし、部屋は片づけられないし…と、サウナなんかじゃ到底治せないようなものも含め、思いつく限りの不調をお伝えしたところ、嫌な顔ひとつせずニコニコと聞いてくれて、もうそれだけですごくいい人(笑)。
おそらく色々聞き流してくださった結果、この日の私には、女性のバランスを整える優しい植物“リンデン”、血行促進の“ネトル”、デトックス効果の“よもぎ”の3種類のハーブを選んでくれました。
そして、いよいよサウナ室へ。
香木を焚いたあとは、サウナ室内の蒸気をウィスクに絡めて、それで体を叩いたり、なでたり、押し当てたり。
一見、何の儀式?という感じですが、ウィスクに使われている植物は、体の自然治癒力アップを期待できる成分が含まれていて、血行促進や心身のリラックス、肌を整える効果も期待できるとか。この日は、オーク、シラカバ、ユーカリを使用。そして本場では、浄化の儀式的な意味合いもあるのだそう。
あ、それと、ご希望あるかはわかりませんが、柏餅になった気分も体験できます。
「ウィスキング」の謎儀式。
※撮影のため特別に水着を着用しています
しっかり温まったら、一度サウナの外へ。
次に待っているのは、タオルでグルグル巻きにされるという新たな儀式です。視界と動きをふさがれ、音と香りとじわ~っと体の中から温まる、時間も場所も忘れる不思議な感覚に。
これは、「ヒートショックプロテイン」(体に熱ストレスが加わることによって細胞内に増えるタンパク質の一種。代謝をアップしてくれる)を増やすために、熱を逃がさないようにしているのだそう。
柏餅体験のあとは、ミイラ体験か…。
ウィスキング…奥深いな…。
五感のすべてを心地よく刺激され、「ウィスキング」プログラムがすべて終わるころには、頭も体も心もほぐれてホワホワ~と幸せな浮遊感を体感できました。

「ウィスキング」の謎儀式パート2
本気サウナーも初心者も楽しめる、ユニークなサウナ

レジェンドと呼ばれるサウナは男性限定のところが多くて、いつも恨めしく思っていたのですが、今回、名古屋のレジェンド「ウェルビー栄」に新設された女性専用エリアにお伺いして歓喜しました。
男性サウナと同じシステムなのかな?と思いきや、いい意味でまったく別物! 女性サウナーならではの夢と希望が詰まった、ありそうでなかった仕組みが満載でした。
都市のド真ん中にありながら、自然を感じるおしゃれでリラックスできる内装に、新感覚のウィスキング体験で癒され、それでいて男女共用エリアのイベントプログラムなど、一日楽しめるエンタメ性もある。
この新エリアがオープンしたことで、“漢”(?)だった場所の間口が広がり、本気サウナーも初心者も、男性も女性も、若者も大人も、みんながそれぞれにリラックスして楽しく過ごせる場所にアップデートされていました。これは新たな“レジェンド”として、ますます大勢の人に愛される施設になりそう!
隠岐諸島のホテル「Entô」に宿泊。ユネスコ世界ジオパークで“ないものはない”究極のリトリート旅へ!【東原妙子のととのい道 vol.10】

早朝に羽田空港を出発して、飛行機2回、バス1回、フェリーに1時間揺られ、ようやくたどり着いたのは、島根半島から北へ約80kmの隠岐諸島のひとつ、中ノ島・海士町。港から徒歩5分ほどでお目当てのホテル「Entô」に到着しました。
ねぇ…本当に遠いのよ…。一日でこんなに多種多様な公共交通機関に乗ったことない…。
さすが名前の由来が“遠島(エントウ)”というだけのことはある…。と、妙に感心してしまったりするところからが、この旅の始まりです(笑)。
2021年に誕生した「Entô」は、“ジオパークに泊まれる拠点”と呼ばれ、手つかずの大自然の中で宿泊できるというだけでなく、ジオパークの魅力を最大限楽しむための機能も備えているという、何だか面白そうな施設なのです。

海士町の玄関口、菱浦港
離島ならではの親自然的な建築システム

ⒸPhoto by Kentauros Yasunaga
まるで水平線に沿う一本の線のように海岸にぽつんと建つホテル「Entô」。
大自然の景観の中で主張しすぎることなく、“自然の微細な風景を感知できる基準線”をイメージして建てられたのだそう。
鉄骨を使わず、木材のパーツをクロス状に組み合わせた親自然的な建築システムも、見た目がジオパークになじむというだけでなく、大規模な建築産業のない離島という環境下で、地元の大工さんでも今後のメンテナンスができるよう配慮されているのだとか。
ここでクイズ!
通常のホテルにあって「Entô」にないものは?
答えは、レセプション。
せっかちすぎて秒速回答失礼します(笑)。
宿泊客がレセプションを介さず自由に行き来できる外廊下式の構造は、360°ぐるりと囲まれた大自然と垣根がなく“暮らす”ような感覚で過ごせました。

大自然と一体化するシームレスな客室

客室は、新築された別館「Entô Annex NEST」と、これまでの歴史を受け継ぐ本館「Entô BASE」のふたつの棟に分かれていて、すべてオーシャンフロント。今回は、木の香りが漂うNEST棟ジュニアスイートに宿泊しました。
都心のホテルなら土地活用の観点から、間ロは狭く&奥行きは深くなるものですが、こちらは逆に間口は広く&奥行きは浅くし、外と中の隔たりがない構造にしてるのが特徴的。
自然を切り取った大きな大きな額縁のような窓枠で、部屋のどこにいてもジオパークとつながっている感覚になれるものすごい開放感! 雨風はしのげるけれど、体感としてはほぼ屋外です(笑)。
ベッドに寝転んで、テラスに座って、時間とともに移りゆく景色と行き交う船をただぼ~んやりと眺めているだけで、ただひたすらにゆっくりと時間が過ぎていきます。
ちなみに客室のお風呂は、これまたほぼ屋外気分のオーシャンビューバス。こんな絶好の「由美たえこ」チャンスだったのに、私としたことがうっかり撮り忘れるという痛恨のミス! 毎回楽しみに待っていてくださる方々、生きがいを失っていませんか? あ、全然大丈夫そうです? なら、いいのですけれど。

客室の窓とひと続きになったテラス
毎日16時からは「Entô Walk」というアクティビティを無料で開催。
スタッフの方と一緒に、ホテルのまわりを散策したり、館内の化石や年表を見たりしながら、隠岐やジオパーク、Entôについて解説してもらえます。

温泉をはじめ館内のくつろぎ時間も充実

ⒸEntô
昔ながらの風情が残る本館BASEの大浴場では、島前の景色を眺めながら天然温泉でホカホカゆったり。
日没後は、満天の星空の下、庭の芝生で焚き火を囲む時間も。天体望遠鏡で星を眺めたり、スタッフや他の宿泊者たちとおしゃべりをしたりと楽しい時間でした。
お酒や島根のおつまみを楽しめるバータイムや、自分で挽き立てのコーヒーを淹れられるドリッパーセットの貸し出しなど、客室でゆったり過ごす時間をよりいっそう豊かにしてくれるサービスも充実。
表参道で個室・水風呂!アナウンサーの笹川友里さんが手がける女性専用サウナでデトックス【東原妙子の ととのい道 vol.11】

季節の変わり目は体調を崩しがち。
サウナで自律神経を整えて免疫力を上げねば…とやってきたのは、表参道駅から徒歩5分、女性専用の個室サウナ「SaunaTherapy」です。
最近あちこちに増えてきた個室サウナですが、女性専用となると実はこちらが日本初! 着替え、サウナ、水風呂、ととのいまで、すべてが女性ならではの目線で心地よくしつらえられたプライベートな空間で楽しめるんです。

表参道駅から徒歩5分。通称「まい泉通り」に面したビルの2階
女性の感性で心地よくシンプルにしつらえられた店内

中に入ると、そこは自然光が差し込むエントランス。
木材を使った家具や植物があちこちに置かれ、やわらかな色調で統一された明るい店内は、シンプルで洗練されていて、まるでセンスのいい友人の自宅に招かれたようなくつろぎ感があります。

まずはその日の気分や体調に合うセルフロウリュウの香りを選ぶところから。
季節ごとに変わるエッセンシャルオイルは、オリジナルで配合された100%植物性のもの。呼吸に意識を向けて、心穏やかに集中力を高めるマインドフルネス呼吸法を教えてくれます。
この日は『深呼吸』『秋の訪れ』『キンモクセイ』の3種類でしたが、直前にお鮨で気持ちを切り替えたばかりの私は、迷わず『秋の訪れ』をチョイス。
鮨が道しるべの人生ってどうなんだろう…と一瞬自分を振り返ってしまいましたが。
セルフロウリュウもOK!個室サウナで過ごす自分時間

個室に案内されたら、そこからは自分だけのプライベート空間。私のキングダムです。
サウナ室は足を伸ばしてゴロンと寝転がるにも十分な広さ。「SaunaTherapy」では、本場フィンランドiki社製の最高級電気ストーブを採用。山積みサウナストーンとパワフルな熱で、体に入った力を抜いてたまったものを一気にデトックスできるのが特徴です。
ここで、いつもなら他の人たちのご機嫌をうかがいながらヘイコラ行うセルフロウリュウも、今この瞬間この場所での覇者は私なので(厨二?)、自分の好きなタイミングで好きな温度でロウリュウし放題!
先ほど選んだアロマ『秋の訪れ』を感じながら、遠慮なくガツガツに室温を上げていきます。
ゆったりリラックスしたいなら、逆に室温を低めに設定して、ヨガやストレッチをするもよし、サウナ内で使えるBluetooth式のスピーカーも設置されているので、サウナ用のプレイリストを作ったりして、それを流しながらのメディテーションもよさそう。

オリジナルのサウナハットと湯あみ着は無料でレンタル可能
水風呂に頭までつかれるのは個室ならでは

都心の個室サウナだと水風呂なしでシャワーだけのところも多い中、「SaunaTherapy」ではすべての個室にしっかり肩までつかれる深さの水風呂を完備。
“ととのい”に欠かせない水風呂ですが、人によって好みは違うもの。氷やお湯を足して自由に温度設定ができるので、冷たい水風呂が苦手な人も、逆に「シングル」(=水温一桁台の冷水風呂)希望のガチ勢も、自分にベストな“ととのい”道を追求できるのはやはり個室サウナならではの特権。
また、通常なら水風呂に顔や頭をつけるのはご法度ですが、こちらは毎回水を入れ替えるということで、頭までドボンと沈んでよし!
↓の動画はほぼ溺れているように見えますが(笑)、これ、最高に気持ちいいんです♡
今月の「#由美たえこ」は動画バージョン。
安心してください、着ていますよ(湯あみ着を)
温冷浴を楽しんだ後は、心おきなく“ととのい”タイムを謳歌しましょう。
ふかふかのバスタオルに包まれながら、リクライニングチェアに身をゆだねる至福の時間。
窓を開ければ外気浴も楽しめます。
このとき、何気なく使っていたやたらと肌触りのいいタオルは、世界最高水準の安全テストをクリアした、肌にも環境にも優しい「IKEUCHI ORGANIC」のもの。
また、季節ごとに変わるオーガニックハーブティや水は飲み放題で、備え付けのタンブラーに入れて個室にも持ち込めるので、水分補給もしっかりと。

「SaunaTherapy」の創業メンバーは過半数が女性。
そのうちのひとり、CBO&クリエイティブディレクターを務めているのが、個人的にお付き合いのあるお友達でもある、笹川友里ちゃんです。
「大都会で暮らす忙しい女性の皆さんが、誰にも邪魔をされずにしっかりと自分時間を楽しんでいただきたいと思い造った『SaunaTherapy』。私たち自身が仕事と子育てで忙しい日々の中で、本当に欲しい空間やサービスはどんなものかつねに議論を重ね、細部までこだわり運営しています」と、設立に至った想いを語ってくれました。

「SaunaTherapy」創業メンバーのひとりである、アナウンサー・モデルの笹川友里さん
予定の合間に手ぶらで立ち寄れる立地の良さと気軽さもありがたくて、日々の疲れを癒すルーティンとしてはもちろん、大切な予定の前のメンテナンスや、仕事の合間に頭をリフレッシュしたいときにもいい。
基本サブスクシステムなので、"ホームサウナ"感があるのもくつろげる理由のひとつかもしれません。ビジタープランや、合計3人まで一緒に利用できる女子会プランもあり、用途に応じて色々な楽しみ方ができそう。
ここは、都会に暮らす女性たちがプライベートな空間で、誰に気兼ねすることなく、疲れや内面にたまっているものをすべて出しきれる場所。思わず「ただいま」って言いたくなるような心のオアシス的サウナでした。
友里ちゃん、素敵なサウナを生み出してくれてありがとよ♡
一棟貸しの古民家で絶景温泉&サウナ体験! 魚沼の「里山十帖 THE HOUSE」に行ってみた 【東原妙子のととのい道 vol.12】

こんにちは。
東京に生まれてこの方一度も引っ越さず、永遠に同じ住所に住み続けている、地縛霊レベルに腰の重い東原妙子です。
そんなわけで、子どもの頃から“故郷”というものに強い憧れがありまして。「ないなら自分で作ろう!」とむやみなポジティブさで理想の故郷を勝手にイメージして、定期的に訪れているのが「里山十帖」です。
「里山十帖」は、2014年に南魚沼郡の大沢山温泉に古民家を移築して誕生した温泉宿。四季折々の豊かな自然に囲まれ、“日本一”と称される絶景の露天風呂に、デザイナーズ家具を配したモダンな内装、地の食材を生かした里山料理で、国内外で数々の賞を受賞する人気の高い宿です。運営が雑誌『自遊人』の発行元ということもあり、“体験と発見こそが真の贅沢”というコンセプトのもと、「里山十帖」=“体感するメディア”としてスタートしました。
そんな心の故郷「里山十帖」が、新たな試みをスタートしているというから見逃せない。
魚沼地域に残る貴重な古民家を一日一組のプライベートヴィラとして再生するプロジェクト「里山十帖 THE HOUSE」。現在4棟が完成しているうち、今回は、2021年最初にオープンした〈IZUMI〉に宿泊してきました。

度々訪れている本館「里山十帖」。(上)デザイナーズ家具を配したロビー、(下)数々のメディアで“日本一”に選ばれた露天風呂
築150年の古民家に名作家具と現代アートが調和

田園風景にぽつんと建つ、今回の滞在先「里山十帖 THE HOUSE〈IZUMI〉」
本館の「里山十帖」から車で10分ほど行ったところに、今回の滞在先「里山十帖 THE HOUSE〈IZUMI〉」はあります。
辺り一面に棚田が広がる丘に堂々と建つのは、築150年の庄屋をフルリノベーションした宿。中に入ると、立派な梁や柱がそのままの風情で残されていて、雪国での長い年月の暮らしぶりを彷彿とさせます。そして、住んだこともないのに、なぜか“懐かしい”という感情がわいてくるのが不思議です。
1階は、囲炉裏のある広々とした吹き抜けのリビングと畳敷きの和室が2間。角部屋の大きな窓からは、雄大な山々の景色が目に飛び込んできます。2階のベッドルームは、屋根裏風のつくりが巣ごもりのような感覚で妙に落ち着く……。占有面積182㎡、最大定員5名と、2家族で借りても十分な広さです。

リビングに悠々と置かれたル・コルビジェのソファLC3
そして、そこかしこに置かれている美術館クラスの名作家具たち。あまりの何気なさに「え、これ本物デスヨネ…?」となります(笑)。さらに、随所に現代アートの作品が飾られているのも見どころのひとつ。
ヴィンテージ風に作られたものではない“本物”の趣深さがある古民家と、それら“本物”のアートが調和することで、他にはない唯一無二の空間に。

2階のベッドルーム。1階の吹き抜けにつながる窓と天窓から光が差し込む
絶景! 百名山の大パノラマを臨む露天温泉

今月の「#由美たえこ」① 百名山をバックに
他の「THE HOUSE」にはない〈IZUMI〉の魅力。それは、温泉の露天風呂。
眼前は、日本百名山の巻機山を正面に、標高2000ⅿの雄大な山々が見渡す限り続く大パノラマ! まるで『まんが日本昔ばなし』に出てくるようなのどかな田園風景のなかでぼんやりと温泉につかっていると、心から癒されて、日本人でよかった~♡と思える至福の時間です。
本館とは少し違う塩分を感じる温泉は、すぐ近くに湧き出る「越後ゆきぐに温泉」から引いていて、実はこの源泉、宿泊施設として入浴できるのはこの〈IZUMI〉だけだそう。
プライベートサウナで開放感満点な“ととのい”

いつでも自由にサウナを楽しめるのは、一棟貸切りならではの贅沢。
4~5人でもゆったりできる広々としたサウナには、外の景色を一望できる大きな窓があり開放感満点。自分でコントローラーを操作して室内の温度を自由に設定できるし、複数のアロマオイルから好みの香りを選んでセルフロウリュウも可能です。
水風呂は深めの信楽焼壺風呂。天然の井戸水かけ流しで、水温は14〜15℃前後と冷たくても体感はとてもまろやか。
頭までドボン!と水につかったら、すぐ横のリクライニングチェアにど~ん!と寝そべり外気浴を。昼は山並みの風景、夜は星空を眺めながら、誰の目も気にせず空中に浮かぶような感覚を味わうスペシャルな“ととのい”を体験できるはず。

今月の「#由美たえこ」② ㏌ 信楽焼壺風呂

外気浴は開放感満点!
懐かしくて新しい。他にない価値を体感する古民家ステイ

100年以上前に建てられた貴重な民家を、さらに100年この地に残し、つなぐことを目的にしたプロジェクト「里山十帖 THE HOUSE」。“古の暮らしを体感する”一般的な古民家宿と違うところは、昔から変わらない暮らしと自然を感じながらも、古民家ならではの不便さは感じさせず、さらに創造的な付加価値をつけ、他にはない「家」としての魅力を再発見できるところ。2021年にこの〈IZUMI〉からスタートして、2023年には〈SEN〉、2024年には〈KIROKU〉が完成し、今後展開する予定の宿も同様に一棟貸しだそう。
心の故郷「里山十帖」にまた新たな故郷が増え続けていくようなので、今後も度々季節を変えながら、仮想の“帰省”を楽しみたいと思います。