環境に配慮した持続可能性が世界的にも謳われるようになった今、真冬のアウターに欠かせないダウンにも幅広い選択肢が登場しています。リアルダウンの代わりに、環境に優しいリサイクルポリエステルを使用したもの、植物を成分としたアニマルフリーなヴィーガンダウンなど、その種類もさまざま。
素材への妥協はいっさいせず、さらに機能性とファッション性を両立する注目の5ブランドから、エコなダウンをピックアップしてお届けします。
1.SAVE THE DUCK
動物由来素材を一切使用しない「100% Animal Free」というスローガンを掲げ、毎シーズン循環型社会への挑戦を続けている『セーブ・ザ・ダック』。イタリア・ミラノで2012年に「動物・環境・人に配慮した製品を作る」という理念のもと、誕生しました。
中綿として使用するのは、リアルダウンの代替品として独自開発した「プラムテック®︎」。リアルダウンに匹敵するほどの軽さや保温性、速乾性を兼ね備えています。
セーブ・ザ・ダックのおすすめエコダウン
アウター¥75900/セーブ・ザ・ダック
リサイクル製のポリエステルを使用したエレガントなパーカつきのロングコート。首元には、結ぶとアクセントになるショートマフラー風のデザインがあしらわれています。
(上)アウター¥75900・(下)アウター¥61600/セーブ・ザ・ダック
(上)ふわふわな肌触りが心地よいフェイクシアリング製。高めに設定された襟や、ぴったりとフィットする袖口により、防寒性や防風性を高めます。前立てのジッパーは、上下から開閉が可能です。
(下)ルックスと実用性を兼ねたリサイクル・ポリエステル製のダウンジャケットは、パッと目を引く鮮やかなブルーも魅力です。ステッチが施された横長のキルティングも特徴的。
2.KAPOK KNOT
サステナブルを志向するブランド、『カポックノット』。農園や縫製工場に足を運び、つくり手とつかい手の境界性をなくす「Farm to Fashion」を信念に、環境のみならず生産背景にもこだわっています。
ブランド名にもなっている「カポック」とは、木を伐採する必要のないインドネシアの自然植物から採れる木の実のこと。少ない水で育ち、強い農薬が必要ないのも特徴です。吸水発熱の機能もあるカポック繊維は、中が空洞になっているため、コットンの8分の1の軽さとも言われています。
大量生産・大量消費の負のシステムに、新たな提案をするブランドとして注目を集めています。
カポックノットおすすめエコダウン
コート¥59000/カポックノット
裏側に暖かなボアをあしらったキルティングコートは、実は2WAYで楽しめるリバーシブル仕立て。素材には、植物繊維であるカポックのほか、リサイクルナイロンやリサイクルポリエステルを使用しています。また、手洗い可能なのも◎。
ジャケット¥49800/カポックノット
ペプラムシルエットがエレガントなナイロンジャケット。カポックを素材とした中綿により、暖かな着心地を実現しました。スポーティさがありながらも上品なムードがあり、幅広い着こなしにフィットします。
3.JAKKE
2015年にロンドンを拠点に設立された、北欧のさりげないスタイルとクールな趣きが巧みに融合されたエシカルファッションブランド。おしゃれな女性が自信を持ってファッションを楽しめるような、サステナブルなアイテムを提案しています。
デザイン性にも優れ、ビビッドなカラーにベーシックな単色、ショート丈からロング丈まで、豊富な展開も世界中で愛される理由です。
ジャッキーのおすすめエコダウン
ジャケット¥62700/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム(ジャッキー)
ふわっとしたバターソフト・ヴィーガン・レザーを使用した、驚くほど軽量な「PIPPER」。ペットボトルから再生されたリサイクルポリエステルを使用しています。
ジャケット¥52800/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム(ジャッキー)
ペットボトルをリサイクルしたポリエステル素材の中綿により、包み込まれるように暖かな着心地の「PATRICIA」。一点購入することで、30個のペットボトルがゴミとして捨てられることを阻止することにつながるそう。
4.favi mercato
『ファビ メルカート』は、2024AWからスタートした新進のファッションブランドです。「旬をまとう」をコンセプトに、旬の素材を生かし料理するよう、ファッションの素材にも「旬」の概念を持たせてクリエイション。
2024AWコレクションでは、インドネシア産のカポックを使用した「ナチュールダウン」を発表し話題となりました。
ファビ メルカートのおすすめエコダウン
コート¥74800/オルビーインク(ファビ メルカート)
ブラウス仕立てのテントシルエットが個性的な、オリジナル柄プリントアウター。植物由来のカポック素材により、薄く軽やかな着心地で、暖かさも◎。自宅で手軽に洗濯できるのもうれしい特徴です。
ダウン¥115500/オルビーインク(ファビ メルカート)
暖かく軽い着心地が最高な植物由来のダウンは、旬なショート丈で、どんなボトムともバランスよく着こなせます。コットンツイード素材でカジュアルになりすぎず、モダンにまとまります。
5.RAINS
北欧・デンマークで2012年に誕生した『レインズ』は、ミニマルで洗練された、都会的なエッセンスを持つデザインが話題のブランドです。
レインウェアとしての優れた機能性をクリアしながらも、軽いポリウレタン素材を使用し、雨の日のファッションをポジティブに楽しむことをひとつの目的としています。ファッション性と機能性、どちらも妥協しない製品づくりが、高い評価を受けています。
レインズのおすすめエコダウン
ジャケット¥93500/ブルーベル・ジャパン(RAINS)
中綿が透ける独特の表面感は、ナイロンリップストップ素材によるもの。淡いベージュにコントラストとして映えるブルーのドローストリングが、洗練されたポイントとなるモードな一枚です。ストリングでシルエットを変えることで、自由にスタイリングを楽しむ“未来人”をイメージし誕生しました。
ジャケット¥63800/ブルーベル・ジャパン(RAINS)
抽象的なプリントでリュクスなスポーツスタイルをかなえる、クロップド丈のウォータープルーフジャケット。水面に差す光や、水滴による波紋にインスピレーションを受けた、『レインズ』らしいカモフーラジュ柄が特徴です。表面には、耐久性と撥水性に優れた半透明のナイロンリップトップを使用し、内側の中綿が見えるユニークなつくりです。
撮影/坂田幸一 画像デザイン/須永真由 スタイリスト/石上美津江 取材・文/道端舞子 企画・構成/福井小夜子(yoi) 撮影協力/Compartment.
スタイリスト
『LEE』や『MORE』をはじめとした女性誌や、広告など幅広いメディアで活躍中の人気スタイリスト。ブレない軸のある、丁寧で洗練されたアイテム選びに定評あり。