むくみやくすみ、肩こりや、イライラ、眠りたいのに眠れない……そんな“プチ不調”が気になるとき、どう対処していますか? 実は、全身のトラブルが耳を“モミモミ”と刺激するだけで解決できるのだとか。そんな“耳ヨガ”ともいわれるイヤービューティセラピーとは? 1分でむくみがスッキリして顔が小さく、自律神経を整えて、笑顔あふれる毎日へ! そんな夢のようなメソッドをご紹介。
耳をモミモミするだけの「イヤービューティセラピー」とは?
岡田さん:耳には220以上のツボと、神経を通して全身にアプローチすることができる反射区があります。よくテレビなどで“足ツボ”を刺激して痛がる人に『これは内臓の〇〇が悪い証拠です』などと施術者が伝えているシーンがありますが、それと同じことが耳にもいえます。
耳を揉みほぐし、指圧するなど刺激することで、全身の各部位と自律神経に働きかけることができます。例えば、お腹が痛いときに胃腸の反射区を刺激すれば落ち着く、寝付けないときに耳を揉んで自律神経を整えるだけで深い眠りにつける……というように、一見すると耳と関係ない全身の不調を耳の反射区を刺激することでケアしていきます。
耳の下は頭部、上は足、中央は内臓……と、耳のどの位置が全身のどこに効くのかは、お腹の中にいるときの胎児の形と当てはまるといわれています。
耳を指先や綿棒で刺激すると、不調の箇所(反射区)を見極めることができ、痛いと感じた箇所に対応する部位に不調がある、そんな自己診断としても役立ちます。
岡田さん:デジタルガジェットに囲まれ、下向きの姿勢によって首や肩、背中のコリが激しく、なにかとストレスも多い現代人は、呼吸が浅くなりがち。そうなると酸素が体内に取り込めなくなり、代謝が下がるだけでなく、血液から栄養を全身に届けにくくなるため、肌の状態が乱れ、体調も崩れやすくなります。
耳を引っ張るだけで呼吸が深くたっぷり吸えるようになるので、ぜひ試してみてください。深呼吸のときの吐くという動作で自律神経を整えることができるため、リラックスしたいときやストレスを感じたあと、気分を切り替えたいときなどに取り入れて。
① まずは、そのまま深呼吸して、現在の呼吸の深さを感じる。
② 耳を指で持ち、イタ気持ちいい程度に引っ張って、深呼吸をする。
このときに息を吐ききることを意識することが大切。最初より深く呼吸できることを感じられれば効果アリ!
顔のむくみ・肌のくすみも耳をモミモミして解消!朝の代謝アップメソッド
岡田さん:仕事やプライベートに忙しい現代人は、ストレスも多く、血管が収縮することで巡りが悪くなりがちです。そんな悪影響は、顔にも出ます。朝起きたときに顔がパンパン、曇ったような肌色で、お疲れ感が抜けていない……なんてことはありませんか? そんな朝の顔を1分で救済するイヤービューティセラピーのメソッドをご紹介します。
まずは耳全体をほぐす準備運動から始めましょう。耳のコリをゆるめることでツボ押ししたときの痛みをやわらげることができます。
【耳の準備体操】HOW TO
① 親指と人さし指で耳をつまむ。このとき、できるだけ耳の根元を持つことが大事。
② ①の状態のまま、耳をフェイスラインから引きはがすようなイメージで真横に5秒間引っ張り、手を離す。痛すぎるのはNGですが、イタ気持ちいい程度の刺激があると効果的! 左右それぞれ5秒ほど引っ張る。
③ 人さし指と中指の腹を使い、耳の前の付け根部分を、円を描くように揉みほぐす。
④ 耳の裏側の付け根部分も、同様に2本指で揉みほぐす。どちらを揉むときも土台の筋肉を耕すような意識で。
⑤ 耳の根元を指で持ち、引っ張りながら回す。前に10回、後ろに10回。
耳たぶには、顔に関わるツボが集中しています。揉みほぐすと副交感神経が優位になり、収縮していた血管が広がることで血行がよくなり、代謝がアップ。そうすると酸素や栄養をたっぷり含んだフレッシュな血液が巡るため、くすみは瞬時になくなります。老廃物がドバッと排出されやすくなるため、むくみを撃退するサポートも。
むくみによる重みが取れた顔は、おのずとキュッと引き締まり、輪郭のゆるみやもたつきなどのないシャープな印象が手に入ります。耳たぶ全体を揉みほぐすことで、下あごのツボにもアプローチできるため、食いしばりによるコリをやわらげ、続ければ“エラ張り”を目立たなくする可能性も!
【代謝アップに効く1分ワーク】HOW TO
① 親指と人さし指の腹で、耳たぶを挟む。
② 耳たぶの下側から、親指でしっかり圧をかけながら揉みほぐす。少しずつ親指の位置を上に上げていき、耳たぶのエリア全体を揉みほぐす。30秒程度もみほぐせると理想的。このときに耳の皮膚は薄くて傷みやすいため、擦らないように注意する。
③ 反対側の耳も同様に揉みほぐす。
④ 同じ要領で耳の上部を揉みほぐすと、脚のツボがあるため、脚のむくみ解消にも役立つ。代謝アップに効くワークはいつやってもOKですが、イチオシは朝のメイク前。むくみを排出し、くすみを晴らしてハッピー感のある肌色へと導いてくれるため、コンディションのいい顔で一日をスタートさせることができます。
イライラ・不眠の緩和、胃腸のケアも耳をモミモミするだけ!夜の1分メソッド
自律神経は自分の意識でコントロールすることは難しいですが、耳には自律神経に関わるツボが集中しているため、耳を揉むことで“リラックスモード”に導くことができます。とくに、耳の上部にある“神門”というツボは、自律神経をつかさどる視床下部に働きかけるため、そこを揉みほぐすととても効果的です。
今回ご紹介する自律神経を整えるワークは、緊張やストレスを感じたときやホッとしたいと感じたときに行うのがおすすめ。
【自律神経を整える1分耳ツボワーク】HOW TO
① 写真にある点線の一番下、耳の軟骨がポコッと突出した部分を指先で挟む。
② そのまま軟骨をやわらかくするように揉みほぐす。
③ 軟骨に沿って指の位置を上げながら揉みほぐしていく。
④ 反対の耳も同様に揉みほぐす。
②~③で揉みほぐすライン状には、首、背中、腰、お尻のツボが並んでいるため、それらの部位のコリや不調にも効果的。痛みを感じる部分は不調のサインなので、よりじっくりと揉みほぐしましょう。
【胃腸ケアの1分耳ツボワーク】HOW TO
① 写真にある点線を参考に、耳の中央にある軟骨に沿って綿棒や耳かきで刺激する。点を打つように刺激しながら移動する。刺激を感じるところは長めにプッシュすると、よりほぐれやすくなる。
② 終点まで行ったら、①と同じ要領で綿棒や耳かきでプッシュしながら始点まで戻る。
③ もう一度①~②を繰り返す。
取材・文/金子優子 イラスト/ささきめぐみ 画像デザイン/前原悠花 構成/渋谷香菜子