ちまたで噂のドリンク「コンブチャ」。昆布茶とはまったくの別物で、お茶・お砂糖・“スコビー”と呼ばれる酵母菌の3つを使った微炭酸の発酵ドリンクで、腸内環境を整える効果大のドリンクとのこと…! 実際にどのようにして作っているのか? 国内初のコンブチャブルワリー「_SHIP KOMBUCHA Brewery & Taproom」で、製造工程を見学させていただきました。

_SHIP KOMBUCHA Brewery & Taproom

_SHIPのタップルーム コンブチャ

◆埼玉県川口市領家5-4-1
OPEN→金・土・日・祝日 10:00〜16:00

オリジナル・ユズ・シソ・クワの定番フレーバーがタップから提供され、常にフレッシュなコンブチャを用意。コンブチャビギナーにおすすめの4種飲み比べセットから、日常的に愛飲したい人向けのグラウラー(マイボトル)への量り売りまで、幅広いメニューを展開。TAPROOM限定で、より発酵を感じられる瓶へ詰める前の出来立てコンブチャ「ノンフィルターコンブチャ」も提供。自宅でホームブリューできるようなワークショップや、ヨガ教室、プラントベースフードとのペアリングを体験できるイベントなども。

案内してくれたのはこの方

門田元

『_SHIP』コンブチャ製造チーム

門田元

日本のコンブチャブランド『_SHIP』の製造を行う。果汁や香料、保存料などは一切添加せずに、無農薬や自然栽培などのナチュラルな原材料を使用して醸造し、有機JAS認証も取得。2023年4月にアメリカで開催されたコンブチャカンファレンスにて、ハーブ部門で「Shiso」フレーバーが世界第一位、オリジナル部門で「Original」が世界第三位に選出された。

『_SHIP』のコンブチャブルワリーを見学!

製造工程1.お茶を抽出する

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 タンク 製造工程

「このタンクで、コンブチャに使用するお茶を抽出しています。『_SHIP』では京都の有機煎茶と和紅茶を使っているので、それぞれを別のタンクでゆっくりと抽出し、後でブレンドしています」

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 お茶の抽出

タンクから直接お茶を注ぎ、抽出具合を確認。

製造工程2.発酵タンクで味を調整

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 発酵タンク

「お茶を抽出したら、発酵用のタンクに移してスコビーを入れます。タンクにたくさんのチューブがつながっていますが、これはタンクのまわりに流して温度管理するための水と、酸化を防ぐための炭酸ガスを運ぶもの。タンクの中に炭酸ガスを入れると、酸素よりも二酸化炭素のほうが重いので余分な酸素が逃げて、酸化によるコンブチャの味の変質などを防ぐことができます。

奥にあるいちばん大きなタンクが『ORIGINAL』用のもの。ここでベースを作り、また各フレーバーごとのタンクに移していきます」

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 _SHIPの樽

「今はビンに入れて販売していますが、最初はこの樽に詰めるところから始まりました。発酵用のタンクももっと小さなものを使っていたんですよ」

製造工程3.ビンに詰める

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 ビン詰め

「この機械を使って、完成したコンブチャをビン詰めしていきます。『_SHIP』のラベルはすべて同じものを使い、フレーバーの部分に職人が手作業でチェックを入れています」

コンブチャ スコビー 腸活 腸内環境 コンブチャの瓶

発酵室で生のスコビーを試飲!

_SHIPブルワリー内の発酵室 コンブチャ

門田さんが「一番の見所」と語る、発酵室にも案内してもらいました。扉を開けただけで、濃厚な酢酸の香りが広がります。

「タンクに布をかぶせてバンドで留めることで、虫やほこりは入らないけれど空気は通す状態にしています」

スコビーを培養しているタンクの中身 コンブチャ

タンクの中を見せてもらうと……まさに発酵!というビジュアルのぷるぷるスコビーが!

「スコビーって、実はナタデココと同じ成分でできているんです。酢酸菌の一種の“ナタ菌”というものがココナッツウォーターをベースに働いた結果、プルンとしたナタデココになる。作り方は全く同じで、フレーバー違いのようなものですね」

スコビーをビーカーに注いでいる コンブチャ

「これが最初にお話しした、『_SHIP』のコンブチャすべての元になっているスコビーです。これを一定量入れることで味が安定します。味は結構パンチが効いているのですが……飲んでみますか?(笑)」

もちろん試飲させてもらいました! たしかに酸味は強いけれど、思ったよりはマイルドで飲みやすい。

「コンブチャって、そのまま放っておくとお酢になるんですよ。だから“コンブチャ買ったけど飲むタイミング逃してちょっとダメになっちゃったかも〜”と思ったら、お酢としてお料理に使ってみてください」

撮影/細谷悠美 取材・文/堀越美香子 企画・編集/木村美紀