健康や美容に欠かせない栄養素としてイメージが定着したタンパク質ですが、朝食で十分な量をとれていますか? 実は朝こそがタンパク質のゴールデンタイム。今話題の時間栄養学を踏まえて、朝のタンパク質の重要性や効果を時間栄養学が専門の古谷彰子さんに伺いました。さらに、朝食でとりたい栄養素をとれる簡単レシピ、とりたい栄養素をカバーできるコンビニ食の組み合わせテクニックも合わせてご紹介します!
理学博士・管理栄養士
愛国学園短期大学准教授。「chronomanage」代表。早稲田大学規範科学総合研究所ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチする時間栄養学を専門とし、科学的根拠をもとにした栄養指導や講演活動のほか、企業との商品開発など多岐にわたり活躍。
- 【朝タンパク質のすごい効果】知らなきゃ損! 時間栄養学でひもとく健康と美容のゴールデンタイム
- いつ食べるかが超重要。時間栄養学はなぜ心と体に効くのか
- 体内時計を整える“朝”タンパク質のすごい効果
- 意外に簡単。自分に必要なタンパク質量を確保するコツ
- 【朝タンパク質の黄金メニュー・自炊編】時間栄養学的におすすめの朝食レシピ5選
- 心と体を健やかに。時間栄養学で考える1日の食事選び
- うまみたっぷりでやみつきに! 海苔納豆トースト/タンパク質量(1枚あたり):約21.2g
- 幸せな甘さ。グラノーラのクリームチーズトースト/タンパク質量(1枚あたり):約12.5g
- パスタソースを活用。即席タコスライス/タンパク質量(1食あたり):約11.7g
- 前日に仕込んでのせるだけ。タンパク質たっぷり漬け丼/タンパク質量(1食あたり):約48.3g
- タレとチーズの相性が抜群! さんまの蒲焼ドリア/タンパク質量(1食あたり):約23.5g
- 【朝タンパク質の黄金メニュー・コンビニ編】タンパク質30g以上確保! 時間栄養学的におすすめの組み合わせ
- 組み合わせを工夫して、コンビニで高タンパク質朝食
- コンビニの食品はこう選ぶ!黄金バランスを作る朝食メニュー
- おにぎり+焼き魚の和定食に、ちょい足し納豆&温泉卵/タンパク質量:約32.6g
- サラダ+サラダチキン+ゆで卵+グラノーラと高タンパク質ヨーグルト/タンパク質量:約41.0g
- 糖質+肉のワンプレート+ちょい足し豆乳&豆腐バー/タンパク質量:約38.1g
【朝タンパク質のすごい効果】知らなきゃ損! 時間栄養学でひもとく健康と美容のゴールデンタイム
いつ食べるかが超重要。時間栄養学はなぜ心と体に効くのか
──筋肉や臓器、皮膚、髪、爪など、体のあらゆる組織をつくるための材料であるタンパク質。最近では、高タンパク質食品や飲料が続々と登場し、その重要性が浸透していることがうかがえます。
古谷彰子さん(以下、古谷):そうですね。ただ、皆さんタンパク質の摂取というと昼や夜に偏りやすく、朝食で十分なタンパク質をとれている人は少ないと思います。
時間栄養学を踏まえると、タンパク質摂取のゴールデンタイムは実は朝。朝食でタンパク質を含む食品をしっかり食べることで、体づくりはもちろん、自律神経調整、睡眠の質の改善といったさまざまな恩恵を得ることができるんですよ。
──“朝”という時間帯が重要なのですね。時間栄養学について詳しく教えていただけますか?
古谷:時間栄養学は、「何をどのくらい」だけではなく、「いつ」食べるかということを考慮に入れる栄養学で、栄養素によって体内時計を整えたり、体内時計に合わせて栄養素を摂ることでより効率的に代謝や合成を進めることができます。
──体内時計はどんな働きをしているのでしょうか?
古谷:体内時計は、脳や内臓、皮膚、血液など全身のあらゆる細胞・器官に備わっている地球の自転に合わせた約24時間周期のリズムのこと。体内時計のおかげで、睡眠、覚醒、体温、エネルギー代謝、ホルモン分泌といった生理現象を制御することができています。
私たちが、朝になると目が覚め、日中は活動し、夜になると眠くなるというリズムで生活できるのは、体内時計が自律神経やホルモン分泌を約24時間周期で調整してくれているからなんですよ。
ただ、体内時計の周期は24時間ぴったりではなく少し長いので、何もしなければ体内時計はどんどん後ろにズレていき、外部環境と体内時計のリズムが合わなくなります。すると、さまざまな生理現象に乱れが生じ、心身の不調につながっていくのです。
それを防ぐためには、外部環境と同期するように体内時計を毎朝リセットする必要があります。そこで重要になるのが朝の「太陽光」「食事」「運動」。
体内時計には、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にある「中枢時計」、それ以外の場所に存在する「末梢時計」があります。
中枢時計は太陽光を目で感知することによって朝を認識し、リセットがかかると同時に、バラバラに動いていた全身の末梢時計にも「朝だよ」と司令を出してリセットのスイッチを押します。そうして、体内時計の足並みをそろえてから、一日の体のリズムを新たにスタートさせます。
一方、食事や運動は中枢時計を介さず末梢時計を直接リセットすることができます。太陽光を浴びられなかったとしても、毎朝決まった時間に朝食をとったり、運動することで末梢時計はリセットできることが明らかになっています。
時間栄養学ではよりリセット効果の高い食材を朝に食べることで、効率的に体内時計を整え、心身を健康に導くことを目指しています。
体内時計を整える“朝”タンパク質のすごい効果
──タンパク質を朝、摂取することで得られる効果は、体内時計のリセットと関係しているのでしょうか?
古谷:そうです。まず、体内時計のリセットのスイッチの一つとなるのが「インスリン」というホルモンで、これは糖質摂取による血糖値上昇で分泌されます。加えて、タンパク質をとると、同じく体内時計のリセット作用がある「インスリン様成長因子」というホルモンが分泌されるため、糖質+タンパク質というセットで朝にとるのが時間栄養学的にはとても重要なのです。
体内時計がリセットされてから約12時間後〜に分泌される「メラトニン」というホルモンが良質な睡眠へと導くため、朝食でしっかり糖質とタンパク質をとることは睡眠の質向上に直結します。
逆に、夜は血糖値を上げ、体内時計のリセットスイッチを押す食品や飲料は極力控えたい。実際、夜に糖質の多いものを摂取すると、夜間の中途覚醒の回数が増えることがわかっています。糖質を多く含むプロテインドリンクを飲む場合は朝がおすすめです。
また、朝のタンパク質摂取には、昼食と夕食の血糖値上昇を抑える「セカンドミール効果」もあり、血糖値が安定することで、満足感につながり、昼食や夕食の量が減る傾向があります。
※古谷先生が2023年に発表した論文では、高タンパク質朝食と通常の朝食を比較した際、高タンパク質朝食では、有意にセカンドミール効果が見られたほか(下のグラフを参照)、20代女性を対象に、タンパク質40gの朝食と通常の朝食を比較した場合も同様の結果になることが確認されています。
AUCは、血糖値増加量の面積を表す指標で、大きいほど血糖値が大きく上昇したことを表し、食品の血糖値上昇を比較する際に用いられる。
Xiao & Furutani et al. (2023) Nutrients, Effect of a High Protein Diet at Breakfast on Postprandial Glucose Level at Dinner Time in Healthy Adults を参考に作図。
つまり、朝に十分なタンパク質をとることは体内時計をリセットするだけではなく、夜の体内時計のスイッチングを予防し、一日を通して体内時計を整えるのに役立つんです。
また、体内時計のリズムに合わせて栄養をとるのも時間栄養学において重要なポイント。朝のほうが筋合成が盛んなため、同じ量のタンパク質を食べても、朝のほうが効果的に筋肉を増やすことができます。体づくりをしたい人は特に、朝に十分なタンパク質をとることを意識するといいでしょう。
意外に簡単。自分に必要なタンパク質量を確保するコツ
──実際、どのくらいのタンパク質をとればいいのでしょうか?
古谷:活動量、性別、年代によって必要なタンパク質量は変わります。日本人の食事摂取基準2020年度版では、活動量Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに分かれていて、デスクワークなど一般的な仕事をしている方は大体Ⅱに当てはまり、20代、30代の女性だと、推奨量の中間値である90gを一日の摂取量の目安にしたらいいと思います。
「「日本人の食事摂取基準」(2020年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586557.pdf)を加工して作成。
3等分だと一食30gで、最初は一食30gを目指し、理想は朝:昼:夜=40g:30g:20g。体内時計リセットのスイッチングをしやすい条件は絶食後の朝食なんです。なので夜は軽めになるよう、食事全体のバランスは朝:昼:夜=4:3:2が理想で、それに合わせたバランスでタンパク質もとれればベスト。
──タンパク質を一食で30gとるのは結構大変なイメージがあります。
古谷:主菜だけでとろうとすると大変そうに感じてしまうのですが、例えばご飯150gで3.8g、6枚切りの食パン1枚で5〜6g、牛乳と豆乳は200mLで6〜7gのタンパク質が含まれていて、主食を考慮したり、飲料をプラスしたりすることで、意外と30gは簡単に達成できるんですよ。
コツは、ベースの朝食メニューを作り、そこに何かをプラスして、30g以上を目指すこと。植物性タンパク質と動物性タンパク質はできれば半々が理想です。
プロテインドリンクを活用する場合も、肉や魚を食べたときは植物性、大豆製品が多かった場合は動物性などを選ぶといいでしょう。ただ、前述した通り糖質が多くて、血糖値が上がりやすいうえ、飲みすぎは腎臓の負担になるので、食事でとれるならそれに越したことはないでしょう。
ベースの朝食メニューの例と、プラスアルファしたいタンパク質食品の例。タンパク質量は目安で、商品によって含有量は異なります。
いちばんよくないのは、朝食を抜くことなので、朝食を食べる習慣がない人はまずはお茶漬けなどからスタートするのがおすすめ。インスタントでもいいですし、コンビニに売っている鮭の塩焼きをご飯にのせてお茶漬けにすれば、簡単にタンパク質も確保できるのでおすすめです。
コンビニの鮭の塩焼きをご飯にのせてお茶をかけるだけ。お好みで刻みのりや小ネギをトッピングしても◎。サラサラ食べやすく、約19gのタンパク質が確保できる。
タンパク質を含む朝食をとる習慣が身につくと、体内時計が整い、1週間ほどで徐々に朝型にシフトし、朝ごはんを食べられるようになってきます。そうすると、心身ともに調子がよくなることを実感できるはず。まずは、朝に何か少しでも体に入れることから頑張りましょう!
【朝タンパク質の黄金メニュー・自炊編】時間栄養学的におすすめの朝食レシピ5選
心と体を健やかに。時間栄養学で考える1日の食事選び
──同じものを食べても、食べるタイミングでその効果が変わってくるというのが時間栄養学ならではの着眼点。タンパク質摂取は朝がベストタイミングとのことですが、ほかにも朝食、もしくは昼食や夕食でとりたい栄養素やおすすめの食材はありますか?
古谷彰子さん(以下、古谷):まず、時間栄養学の肝といえる、体内時計リセットのためには朝食でタンパク質+糖質をセットでとるのが最重要。糖質はパンやお米といった血糖値を上げやすい地上でんぷんが望ましいですね。
また、タンパク質の中でも魚の油に含まれるDHA、EPAは、GLP-1というインスリン分泌を促すホルモンの分泌を促進し、体内時計のリセット作用が強いので、焼き魚やツナなども朝食のおすすめ食材です。
ほかには、コーヒーなどに含まれるカフェイン、納豆に含まれるビタミンKも体内時計リセット作用があるほか、食物繊維はタンパク質と同様、昼食、夕食の血糖値上昇を抑える「セカンドミール効果」が得られます。
食物繊維の中でも、水溶性食物繊維は腸の体内時計のリズムにより、朝のほうが高い整腸作用が期待できるので、朝食でとるのは腸活的にも◎。
昼食については、不足しがちなミネラルやビタミンが含まれる野菜をしっかり確保したいですね。また、夕食の2時間前にナッツなど、食物繊維を多く含む間食をとると、夕食の血糖値が上がりにくくなるので、空腹を我慢するより、間食も有効に活用したいですね。
夕食はにんじんやいもなど血糖値を上げにくい(※)地下茎でんぷんがおすすめで、主食の代わりにしてもいいと思います。ほかにも、夜はカルシウムの吸収が高まるので、高野豆腐などカルシウムを多く含む食品や、睡眠の質を高めるGABA(アミノ酸の一種)を含むトマトやかぼちゃなども夕食のおすすめ食材です。
※にんじんやいもは「GI値が高く血糖値が上がりやすい」といわれることがあるが、これは誤解。GI値は炭水化物50gを摂取した際の血糖値の上がり方を示した数値で、にんじんで炭水化物50gをとろうとすると、総量830gが必要となり、現実的ではない。実際に食べる量を考慮したうえで、血糖値の上がり方を評価するGL値では、地下茎でんぷんの食品は数値が低く、血糖値を上げにくい食品に分類される。
時間栄養学的視点で、とりたい栄養素・食品
【朝食】
・タンパク質+糖質(穀類でんぷん)
・魚油(DHA、EPA)を含むツナや焼き魚
・コーヒーなどカフェインを含む食品
・納豆などビタミンKを含む食品
・食物繊維(特に水溶性食物繊維)
【昼食】
ミネラル、ビタミンを含む野菜全般を多めに
【夕食】
・にんじんやいも、大根などの地下茎でんぷんや、それを原料とした春雨
・高野豆腐などカルシウムを含む食品
・トマトやかぼちゃ、じゃがいもなどGABAを含む食品
──朝はなかなか時間がないので、凝った料理はできない人も多いと思います。前述のような栄養素を手軽に摂取するコツはあります?
古谷:チーズや納豆、卵といった食品はご飯やパンの上にのせてタンパク質を手軽にとりやすいので積極的に活用したい食品です。また、ツナやさんまの蒲焼といった魚の缶詰は、タンパク質に加え、DHA、EPAがとれるうえ、味が決まりやすい優秀アイテム。食物繊維確保にはすぐ使えるカット野菜や海苔が便利です。
タンパク質が足りない場合は、豆乳や牛乳、プロテインドリンク、高タンパク質食品をプラスオンして、30g達成を目指しましょう。ここでは、忙しい朝でも簡単にできて、時間栄養学的に押さえたい栄養素がとれるレシピを紹介するので、活用してみてください。
うまみたっぷりでやみつきに! 海苔納豆トースト/タンパク質量(1枚あたり):約21.2g
タンパク質量(1枚あたり):約21.2g|水溶性食物繊維がとれる海苔、ビタミンKがとれる納豆、優秀食材のツナ缶に、チーズをトッピングしてタンパク質をかさ増し。 初出:古谷彰子先生監修「海苔で健康推進委員会」https://www.nori-japan.com/recipe/6/
材料(トースト2枚分)
・食パン(6枚切り) 2枚
・海苔 1/2枚
・納豆 1パック(50g)
・ツナ缶 1缶(70g)
・マヨネーズ 大さじ1
・とろけるチーズ 大さじ1
・刻み海苔(トッピング用) 適量
作り方
【1】納豆(タレ、からしも一緒に混ぜてOK)とツナ缶を混ぜる。
【2】食パンにマヨネーズを薄く塗り、海苔を食べやすい大きさにちぎって、食パンに並べる。
【3】【1】を【2】の上にのせ、とろけるチーズをのせたら、チーズが溶けるまでトースターで焼く。刻み海苔をお好みでトッピングして完成。
幸せな甘さ。グラノーラのクリームチーズトースト/タンパク質量(1枚あたり):約12.5g
タンパク質量(1枚あたり):約12.5g|クリームチーズの濃厚さ、グラノーラのザクザク感、蜂蜜の優しい甘さが絶妙にマッチするトースト。体内時計リセット作用のあるコーヒーとの相性も抜群!
材料(トースト2枚分)
・食パン(6枚切り) 2枚
・クリームチーズ 80g
・グラノーラ 30g
・とろけるチーズ 大さじ1
・蜂蜜 適量
作り方
【1】クリームチーズとグラノーラを混ぜる。クリームチーズが硬い場合は、数十秒レンジにかけてもOK。
【2】【1】を食パンに塗り、とろけるチーズをトッピングしたら、チーズが溶けるまでトースターで焼く。お好みで蜂蜜をかけて完成。
パスタソースを活用。即席タコスライス/タンパク質量(1食あたり):約11.7g
タンパク質量:約11.7g|パスタソースを活用すれば、タコライスも即席で作れて、朝から大満足。レタスやトマトで食物繊維やミネラル、ビタミンも補給できる一品。
材料(1人分)
・ご飯 150g
・パスタ用ミートソース 1袋
・レタス 2枚
・トマト 1/2個
・とろけるチーズ 大さじ1
作り方
【1】レタスは食べやすい大きさに手でちぎり、トマトは1センチ程度の角切りにする。
【2】ミートソースを温めたら、ご飯のうえにかけ、【1】ととろけるチーズをのせて完成。
前日に仕込んでのせるだけ。タンパク質たっぷり漬け丼/タンパク質量(1食あたり):約48.3g
タンパク質量:約48.3g|DHA、EPAがとれるタンパク質リッチなマグロに、さらに納豆、卵をプラスオンして1杯でタンパク質がたっぷりとれる漬け丼。前日に割引きの刺身を買って漬けておけば、朝は盛り付けだけで簡単&お得!
材料(1人分)
A
・まぐろの刺身 120g
・醤油 小さじ2
・料理酒 小さじ2
・ご飯 150g
・納豆 1パック
・大葉 2〜3枚
・温泉卵 1個
作り方
【1】前日の夜にAを混ぜて、一晩冷蔵庫で寝かせる。
【2】タレ、からしを加えて納豆を混ぜ、ご飯にのせたら、【1】、温泉卵、千切りにした大葉をトッピングして完成。お好みで刻み海苔や小ネギを散らしてもおいしい。
タレとチーズの相性が抜群! さんまの蒲焼ドリア/タンパク質量(1食あたり):約23.5g
タンパク質量:約23.5g|高タンパク質でDHA、EPAがとれるさんまの蒲焼缶はチーズとの相性が◎。耐熱皿の底に千切りキャベツを敷けば、お米がべちゃっとせず、食物繊維もプラスできて一石二鳥。
材料(1人分)
・ご飯 150g
・さんまの蒲焼 1缶(100g)
・キャベツの千切り 適量(お皿の底が埋まるくらい)
・とろけるチーズ 大さじ1
作り方
【1】耐熱皿の底にキャベツを敷き詰めて、ご飯、さんまの蒲焼、とろけるチーズをのせる。
【2】チーズがとけるまで、レンジもしくはトースターにかけて完成。お好みで小ネギをトッピングすれば、見栄えも◎
【朝タンパク質の黄金メニュー・コンビニ編】タンパク質30g以上確保! 時間栄養学的におすすめの組み合わせ
組み合わせを工夫して、コンビニで高タンパク質朝食
──体内時計をリセットして、一日の体のリズムを作るのに欠かせない朝のタンパク質と糖質。最近ではコンビニでも手軽にタンパク質がとれる食品が増え、上手に活用することで、時間栄養学を実践するハードルが下がりそうです。
古谷彰子さん(以下、古谷):はい。コンビニの食品やレトルト、冷凍食品、野菜ジュースやカット野菜などに対して、体に悪かったり栄養が逃げていたりするイメージを持っている人もいるかもしれませんが、どう選んで、どういう組み合わせで食べるかを考えるのがとても大事。上手に活用すれば、忙しい毎日の強い味方です。
納豆や温泉卵、ゆで卵、焼き魚はどこのコンビニにもあるし、ツナやサラダチキン、サラダフィッシュはサラダのトッピングとしてちょい足ししやすいです。
また、お弁当や冷凍食品でも糖質とタンパク質がワンプレートにのっているものを活用すれば、デザートや飲み物を足すだけで、十分な量のタンパク質をとることができます。
──確かに、コンビニにはちょい足ししやすいタンパク質食材が多いですね。具体的にコンビニ食品の組み合わせのコツを教えてください。
古谷:ベースのルールは固定しつつ、プラスオンする食品や飲料、魚や肉の種類を変えることで、飽きることなく、栄養バランスを安定させることができます。今回は目標の目安であるタンパク質30g以上を確保できる、3つの組み合わせパターンを紹介するのでコンビニで選ぶときの参考にしてください。
コンビニの食品はこう選ぶ!黄金バランスを作る朝食メニュー
おにぎり+焼き魚の和定食に、ちょい足し納豆&温泉卵/タンパク質量:約32.6g
古谷:和定食はやはりバランスがとりやすく、ちょい足しアイテムも活用しやすいです。例えば、タンパク質が具材のおにぎりに、焼き魚、ちょい足しアイテムとして納豆+温泉卵の納豆卵を副菜として加えれば、ボリューム的にも食べやすく、かつ30g以上のタンパク質を確保できます。
タンパク質量:約32.6g
また、水溶性タンパク質を含む海苔、ビタミンKを含む納豆、DHA、EPAを含む鮭と、タンパク質、糖質以外にも体内時計を整える栄養素がばっちりとれるのも和定食のいいところです。
サラダ+サラダチキン+ゆで卵+グラノーラと高タンパク質ヨーグルト/タンパク質量:約41.0g
古谷:タンパク質豊富な代表食材といえばサラダチキン。食物繊維をとれるサラダに、ゆで卵、グラノーラと一緒にのせて、シーザードレッシングをかければ、タンパク質たっぷりかつ、糖質、食物繊維も一気にとれる絶品シーザーサラダが完成。
グラノーラは栄養バランスを整えるのに役立つだけではなく、サラダに合ってとてもおいしいんですよ。
タンパク質量:約41.0g
デザートに、高タンパク質ヨーグルトをプラスオンすれば、これだけで40g以上のタンパク質がとれるという黄金メニュー。サラダチキンの代わりに魚をトッピングしたり、アレンジしやすいのもこの組み合わせのいいところですね。
糖質+肉のワンプレート+ちょい足し豆乳&豆腐バー/タンパク質量:約38.1g
古谷:ストックにも便利な冷凍食品でワンプレートになっているものを活用すれば、タンパク質をちょい足しするだけで、バランスの整った朝ごはんメニューが作れます。
タンパク質量:約38.1g
ちょい足しには牛乳や豆乳といったタンパク質がとれる飲み物や、デザート感覚で食べられる豆腐バーなどを選ぶと、ボリューム的にも食べやすく、気持ちの満足度も高い。
野菜が不足している場合は、ツナなどタンパク質食品がトッピングされた小さなサラダを追加することで、タンパク質と食物繊維が一緒にプラスでき、バランスを整えるのに使い勝手がいいです。
食べる習慣がない人は、最初はなかなか食べられないと思います。ですが、何かを体に入れることを習慣づけて、徐々にタンパク質の量を増やしていくと、朝ごはんを食べられる体に必ず変わります。コンビニでも買えるカップのお茶漬けからスタートして、タンパク質食材をちょい足ししていきましょう。
タンパク質量:約3.1g
ダイエットをしている人にとっても、朝はしっかり食べて、夜は糖質を抑え、メリハリをつけたほうが、選べる食品の幅も広がり、ストレスも減るので、続けやすいと思います。
おまけに、健康や美容にもうれしい効果が得られるとなれば、実践しない手はありません。忙しい毎日の中で、コンビニ食も活用しながら、自分に合った朝食スタイルを見つけてくださいね。