ソロアーティスト“Kawaguchi Yurina”として、2ndシングル『Cherish』をリリースする川口ゆりなさん。3回にわたるインタビューの2回目となる今回は、プレッシャーのかかる場面の乗り越え方や、コミュニケーションにおいて大切にしていることを教えてくれました。すると、話は子どもの頃のエピソードにまでさかのぼることに。
インタビュー1回目はこちらから!

頬杖をつくようなポーズの川口ゆりなさん

川口ゆりな/Kawaguchi Yurina

1999年6月19日生まれ。宮崎県出身。2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞し、芸能界入り。2016年にアイドルグループ「X21」に加入するが、グループが2018年に解散。女優としての活動を続けるなか、2021年「Girls Planet 999:少女祭典」に参加。第1回視聴者投票で、444万6387点を集め1位を獲得。2022年3月21日に、“Kawaguchi Yurina”としてデジタルシングル『Look At Me』でソロデビューを果たし、雑誌『MORE』でモデル活動もスタート。7月20日には2ndシングル『Cherish』をリリース。公式サイト■https://www.universal-music.co.jp/kawaguchi-yurina/

“緊張しない”秘訣は、徹底した準備と楽しむ気持ち

――オーディション番組から現在のソロ活動まで、ステージに立ちつづけるのは体力的にも精神的にもハードだと思います。どのようにプレッシャーと向き合っていますか?

私、ステージに立つときにまったく緊張しないんです。オーディション番組ガルプラ(「Girls Planet 999:少女祭典」の通称)に出演していたときも、ステージでパフォーマンスすること自体はまったく緊張せず、審査員の方々から評価されるときだけ緊張していました。そして今、ソロアーティストとして立つステージでは、応援してくださるファンの方々に向けて、自分を100%表現してパフォーマンスすることに集中するだけ。緊張よりも楽しむ気持ちのほうがずっと大きいです。

本番を楽しむために必要なのは、ひたすら練習して歌や振り付けを体に染み込ませること。それさえできれば、あとは毎回ステージに立ったときのフィーリングを表現するだけ。ステージごとに感じる雰囲気の違いが表情やしぐさに現れることで、その瞬間にしかできないパフォーマンスにつながると思っています。

扉から中を覗き込む川口ゆりなさん

――緊張しないなんて驚きです! 本番に強いのは子どもの頃から?

実はそうではなくて。小学生のときはプロゴルファーを目指していたので、ゴルフに打ち込む毎日を送っていましたが、大会に出るときはいつもガチガチに緊張していました。試合直前にお腹が痛くなってトイレから出られなくなり、結局棄権したことも何度かあって…。でも、棄権になったあとはすっかりお腹の痛みがなくなるんです。

歌やダンスは、振りや歌詞が頭に入れば、本番は自由に思いを表現することができる。でも、ゴルフの場合は、ひとつのピンに向かって正確に打たなければならない、ミスできないプレッシャーがすごくありました。出身地の宮崎県はゴルフが盛んなので、一緒に練習してきた子が大会で上位を争っているのを見て「自分も追いつかなくちゃ」と焦りを感じたり、自分で自分を追い込んでしまうこともあったと思います。

そんなゴルフ大会での私を知っている家族は、芸能界に入るきっかけになった『全日本国民的美少女コンテスト』に私が出場したときも、アイドル活動を始めたときも、「またプレッシャーでトイレから出てこられなくなるんじゃ…?」って心配していました(笑)。でも、意外にもケロッとしていたので、「ゆりなにはこの道が合っているのかも?」と思ったみたいです。

覗き込む川口ゆりなさん別カット

――ゴルフで実力の高い同年代の子を見て焦ったように、芸能の道に入ってからもまわりと自分を比べてしまうことはありましたか?

素敵だなと思う人を参考にすることはありますが、今は人と比べて落ち込むことはないです。誰かに対して思う“いいな”を、“私も頑張ろう!”というエネルギーに変えるんです。それに、私らしい表現は私にしかできない。尊敬するアーティストの方々はたくさんいますが、「私を表現できるのは私だけ」ということを忘れないようにしています。

ーーまわりと比べず自分を信じられるようになった、ターニングポイントと呼べるでき事はありますか?

人生の転機になったガルプラでの経験がきっかけです。99人もの練習生の中にいると、どうしても皆の魅力的な部分が目に入ってきて、自分のウィークポイントが浮き彫りになるんです。最初は焦りもあったけれど、「自分にしかないキャラクターや表現がある」と考え直してからはまわりが気にならなくなって。グループで課題曲のパート分けをするときも、「いかに自分の魅力を発揮できるか」を基準にパートを選ぶようになりました。それまでは、センターやキリングパートなど目立つパートをやりたいと思っていたけれど、自分らしく輝ける選択をするようになったんです。

人とぶつかることが多かった幼少期。心を開けるようになった今

川口ゆりな「乗り越えるべき壁がなければ、今の私はいない」。変化を恐れず、経験を糧にする力_4

ーー数々の経験を糧に、今、さらに新たに活躍の幅を広げている川口さん。新しく出会った人たちとのコミュニケーションや、ファンの方々との関係性において意識していることはありますか? 

オープンマインドでいること! そして、「相手にしてほしいと思う対応を自分からする」ようにしています。例えば、笑顔! 相手の笑顔が見たいと思ったら、まずは自分から積極的に笑顔で接します。初対面だと会話を続けるのも難しいけれど、自分からいろんな質問を投げかけることで、相手にとって関心のある話題を引き出すとうちとけやすいですよね。

あとは、「敬語だけどタメ口っぽい感じ」を出す(笑)。明るいトーンの話し方だったり、少しくだけた表現を混ぜたりすると、緊張がゆるんでいい雰囲気がつくれるんです。どんな場面でも第一印象は大事だし、ファンの方とのオンラインイベントなどでも親近感を持ってもらいたいので!

ーーコミュニケーションの達人ですね!

もともと得意なわけではなく、たくさんつまずいた経験があるからこそ今があると思っています。小学生や中学生の頃の私は、怖いもの知らずで勝気な性格だったので、誤解されたり人とぶつかることもありました。そのせいで、友達から仲間はずれにされた時期があったんです。そうした経験を通して、自分のことを客観的に見るようになったり、コミュニケーションの取り方を考え直すようになりました。

芸能の道を歩みはじめて宮崎から東京の高校に転校したときも、私が育った環境とは異なるバックグラウンドを持つクラスメイトたちとどうやったらうちとけられるか、いろいろと試しました。そうした経験が、コミュニケーション力を上げてくれたと思います。

川口ゆりな「乗り越えるべき壁がなければ、今の私はいない」。変化を恐れず、経験を糧にする力_5

――学生の頃からトライ&エラーを繰り返すことで、人との関係性の築き方を学んでいったんですね。

そうなんです! まだ人づき合いが不器用だった当時の私を知る人が今の私を見ると、「あのゆりなちゃんが!?」と驚かれます(笑)。その言葉を聞くたびに、自分だけの力ではここまで成長できなかったなとつくづく思います。乗り越えるべき壁がなかったら、あの頃のまま変われずにいたかもしれない。この先の私にも試練は必要だと思うし、その渦中はつらくても、自分がいい方向に変わっていくためだと受けとめて、その時々で壁を乗り越えていきたいと思います。

▶︎続くインタビューラストはこちらから!

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撮影/MELON(TRON) ヘア&メイク/河嶋 希(io) スタイリスト/小泉 茜 取材・文/海渡理恵 企画・編集/高戸映里奈(yoi)