自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。
Q28.射精した後、猛烈に眠くなるのはなぜ?
28個目のギモンは、【射精した後、猛烈に眠くなるのはなぜ?】。セックスで射精した後にそのまま眠ってしまったり、猛烈な眠気によりパートナーとのピロートークを疎かにしたり。すぐに眠くなることでパートナーに不満を抱かせているかも…というお悩み、どうやら射精後にやってくる賢者タイムと関係がありそう!
A28.賢者タイム=消退期の反応の一種かも
小堀先生:【Q27:射精後にやってくる「賢者タイム」の正体は?】で説明した性反応の消退期に関連し、プロラクチンの働きによって眠気を誘っている可能性が高いです。一説ではマスターベーションとセックスではプロラクチンの分泌量が変わるともいわれ、セックスで射精した後のほうが眠気を感じやすい人は、パートナーを喜ばせるために頑張っていた証拠かもしれませんね。
それ以外に考えられるのは、興奮状態から元の状態に戻る際に副交感神経が優位になってリラックス状態になっている、体力を消耗して疲れが一気に押し寄せる…などでしょうか。いずれも医学的根拠があるわけではないので、あくまで参考程度に。「自分は射精後に眠くなる」という自覚を持っておくだけでも十分ですし、その旨を事前にパートナーに伝えて不安を感じさせないようにするのも良いと思いますよ。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。
取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)