自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン26

Q26.体に異常があるときの精液の状態が知りたい!

26個目のギモンは、【体に異常があるときの精液の状態が知りたい!】。精液の色は健康状態や食事内容によって変わりますが、体に異常や病気が隠れている場合、精液には何かしらの症状が出るのでしょうか? 【Q25:精液の色が茶色っぽいのは問題ないですか?】では前立腺がんの可能性についてお話しいただきましたが、それ以外にも病気のリスクがあるのかお尋ねしました。

A26.体調不良が精子の状態に影響を与えることがあります

炎症が起こると、精液の状態が悪化する

小堀先生例えば、インフルエンザやコロナウイルス感染を起こして高熱が出た場合は、精子の所見が一時的に悪化することが知られています。また、クラミジアなどの性感染症や、雑菌による前立腺炎を発症することにより、精液中に膿(白血球)が混じることにより、見た目が黄色くなったり、精液中の精子の状態が悪化する場合もあります。元の疾患を治療することにより、状態が改善する可能性もありますので、体調を整えることは重要です。

精液の観察

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 画像デザイン/永見花奈 企画・構成/木村美紀(yoi)