自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン35

Q35.お酒を飲むと中折れしてしまいます。これって年齢のせいですか?

35個目のギモンは、【お酒を飲むと中折れしてしまいます。これって年齢のせいですか?】。中折れとは、セックスの際にペニスが勃起して挿入はできるものの、行為の最中に勃起状態が維持できずに少しずつしぼんでいってしまうこと。お酒を飲んだときだけ中折れしてしまうのは、加齢による衰えが原因なのでしょうか?

A35.飲酒量が多すぎるのかもしれません

小堀先生:毎回ではなく、お酒を飲んだ時にだけ中折れすることに困っているのなら、単純にご自身のキャパシティに対して飲酒量が多すぎるのが原因かもしれませんね。適量であれば心身の緊張がほぐれて勃起力アップに期待できますが、飲みすぎると脳や神経の伝達機能を低下させ、勃起を促す指令が伝わりにくくなります。自分にとって適度な飲酒量を把握しておき、飲みすぎないように気をつけるのが得策です。

ただし、毎回のように中折れしてしまうのはED(勃起不全・勃起障害)の症状です。「今まで同じ飲酒量でも中折れしなかったのに……」という人は、何かが原因で勃起力が低下していると考えられます。加齢のほか不健康な生活習慣や心理的な要素、薬の副作用でも起こり得ますが、そのほとんどはED治療薬を用いれば解消できますよ。EDや勃起力については【Q17:ペニスの勃起力をアップするにはどうすればいいですか?】【Q20:男性性機能が低下しはじめる具体的な時期は?】で解説していますので、ご参照ください。

飲酒 セックス 中折れ

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 画像デザイン/永見花奈 企画・構成/木村美紀(yoi)