今年、デビュー10周年を迎え、ミニアルバム「スポットライト」を8月30日にリリースした大原櫻子さん。キャリアを積むなかで学んだ、心との付き合い方について語っていただいた前編に続き、インタビュー後編をお届けします。後編では、数日間におよぶライブや演劇の公演期間や、ハードスケジュールのドラマ撮影期間の体をケア方法や、ルッキズムとの向き合い方について教えていただきました。

大原櫻子 俳優 歌手 デビュー10周年

歌手・俳優

大原櫻子

1996年1月10日生まれ、東京都出身。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の全国ヒロインオーディションで約5000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。2014年には、大原櫻子名義でも歌手デビューを果たし、同年の第56回日本レコード大賞で新人賞を受賞。ドラマ、舞台など、演技活動も盛んで、現在はドラマ「結婚予定日」に出演中。8月30日にリリースした、ミニアルバム「スポットライト」を発売中。

“オープンに話すこと”は、自分の体の状態を知ることにつながる

――デビューから10年間を振り返って、体との向き合い方に変化はありますか。

大原さん:この10年間で体に関する知識が格段に増えたので、向き合い方は変化していると思います。変わったことのひとつが、コロナ禍に栄養を学んだことで、自炊する機会が増えたこと。体にいいメニューや、手作りのパンやパスタとか、自分で楽しみながら“作る”という行為が、体だけでなく心を豊かにしてくれたと思います

――体に関する知識は、どのように獲得していったのでしょうか。

大原さん:まわりの人に聞くことが多いかな。私、男女問わず、体のことについてあけすけに話せるタイプで。「ここの調子が悪いんだけど、どうしたらいいか知ってる?」、「体型を変えたいんだけど、どういう運動したらいい?」とか。女性特有の体の話も、隠さずに話してくれる友人が多いのでしますね。“オープンに話すこと”は、自分の体の状態を知ることにつながるし、困り事もすぐに解決するのでいいなと思います

――ライブや演劇など、相当な体力が必要となると思いますが、どのようにケアしているのでしょうか。

大原さん:たしかに、ライブや舞台は相当な体力が必要。でも毎日1時間半、必ずストレッチと筋トレをしているので、ステージがある時期に特別なケアをするということはないんです。普段からコツコツと体づくりをしています。歌手にとって大切な喉は、鼻呼吸を促してくれる「ネルネル」という口閉じテープを使って守っています。これを使うのと使わないでは全然違う! もう長年愛用している手放せないアイテムですね

最近は、ドラマの撮影中なので、肌やヘアケアに力を入れています。毎日2回フェイスパックをしたり、ビタミンを意識して摂ったり、髪の毛にいいとされるタンパク質が含まれたトリートメントを使ったり。自分の体に合ったケアを日々試行錯誤しています。

大原櫻子 俳優 歌手 花を持つポートレート

落ち込んだら外へ出てみて。ちょっとでいいから

――大原さんのように表舞台に立つ方は、いまだにルックスやあらゆる選択に対して、他人からジャッジされてしまうこともあるかと思います。

大原さん:確かにいろんなメッセージが耳に届きますが、心無い言葉は無視しちゃいます(笑)。でも、マイナスな意見を完全無視するわけではなくて、「こういう声もあるのね!」と一度受け入れて、参考にできるものは自分に取り入れるようにしていますね

もし気持ちが沈んでしまったら? 外に出て太陽の光を浴びる。やっぱり光合成すると元気になるんですよ! yoi読者のなかに、今落ち込んでいるという人がいたら、「一度、外へ出てみて。ちょっとでいいから」と声をかけたい。あとは、私のアルバムの収録曲『寂しいの色』を聴いてほしいな。私自身も大好きな曲で、ぽっかり空いた心の穴に、優しく寄り添ってくれると思います。

大原櫻子 俳優 歌手 口笛を吹くポートレート

自分で責任を持って選択をすることが、心の安定につながる

――ミニアルバム「スポットライト」には、『寂しいの色』以外にも、人生の伴奏曲になるような楽曲がそろっていますよね。

大原さん:そうなんです。今回のアルバムのテーマは、“光と影”。人生が持つ二面性を描いています。そのテーマをよく表現しているのが、直訳すると“甘くて苦い映画”の『bitter sweet cinema』。私がこの10年間に経験した光と影を、まるで映画を観ているかのように追体験できる曲で、自分の人生を重ね合わせながら聞くこともできるかなと。ほかにも、日常の中で感じるいろんな感情に寄り添う楽曲が収録されているので、どれか一曲でも聴いた人の心に響くことがあればうれしいです。

――初回限定盤に付属のBlu-rayディスクには、過去作も収録されています。その中には、〈10年後の未来のことなんてわかんないよ〉と歌った『明日も』も。最後に今、10年前の自分に声をかけるとしたら何と伝えたいですか。そして、これからの10年をどう過ごしていきたいか教えてください。

大原さん10年前の自分には、「もうちょっと肩の力を抜きなさい。今、あなたの感じている緊張が、いい緊張に変わる日が来るよ。頑張って!」と伝えたいです

これからの10年は、私の人生のテーマ、“目の前のことに、丁寧に向き合う”という構えを忘れずに過ごしていきたい。そして、まわりの人を大切にしながら、常に夢は持ち続けていたいです。だって、自分がやりたいことをしていれば、心は元気でいられるはずだから

大原櫻子 俳優 歌手 踊るポートレート

大原櫻子 mini ALBUM「スポットライト」8月30日発売!

大原櫻子 ミニアルバム スポットライト

通常盤【CD】¥2,420

2013 年の俳優デビュー、2014 年の歌手デビューからそれぞれの10 周年となり、まさにその「10 周年イヤーの始まり」となるミニアルバムが発売! 今作タイトルには、俳優人生と歌手人生の10 年間で起きたさまざまな出来事の表側の部分、その裏側に隠れた苦難や努力の道のりの中での「光と影」、と言う2 つの意図が込められています。

取材・文/海渡理恵 撮影/森川英里 ヘアメイク/木内真奈美(Otie) スタイリスト/佐野夏水 企画・編集/木村美紀(yoi)