アーティストとして活動する傍ら、6歳の男の子の母でもある伊藤千晃さん。現在は日本フェムテック協会認定資格も取得し、「女性が輝く優しい世の中」を目指し日々奮闘中。フェムケアやフェムテックに興味を持ったきっかけや現在の思いを伺いました。

伊藤千晃ポートレート

伊藤千晃
伊藤千晃

2017年、男女混合のパフォーマンスグループ「AAA」を卒業。2018年よりソロ活動を開始し、現在はアーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍。2022年3月に「フェムテック協会認定資格2級(認定フェムテックエキスパート)」を取得し、フェムテックに関する情報を積極的に発信している。

30歳で出産。そのとき感じた体の変化

30歳で出産した伊藤千晃

フェムテックという言葉を知ったのは1年半くらい前のこと。「海外では盛り上がっているみたいだよ」、「女性なら知っておいたほうがよいこと」、など他愛もない会話の中でのことでした。

30歳で出産を経験してから骨盤が開いてしまい、以前はできていたダンスの振りができなくなったり、ストレッチをすると背中が反ってしまったり…。PMSや生理痛もきつくなり、体の変化をまざまざと感じていた頃でした。

興味を持って調べていったらもっと知りたくなり、日本フェムテック協会認定資格2級を取得しました。

カフェで勉強しながら専門用語と格闘し、覚えることが多くて大変でしたが楽しかったですし、何より知識が増えたことがうれしかったです。

伊藤千晃 フェムケア資格を取得

伝える側として、できることを考えた

資格を取得した2022年頃はフェムテックという言葉が今ほど一般的に認知されてはいませんでした。でも私はフェムテックがこれからもっと一般的になると思っていたし、発信できる仕事をしている以上、多くの人に伝えていかなければと思っていました。

女性にとってフェムケアは無視できないことだし、まだ知らない方には少しでも知ってほしいという気持ちがありましたから。何も知らずに生理痛を我慢したり、出産したりするなんて、おかしいと思うんです。

女性特有の体の悩みは口に出すべきではない、我慢するもの、という空気が漂っていた時代が長かったと思いますが、分かり合えることだと思ったし、そこに対して優しい言葉を掛け合える日本であってほしい。私は伝える側として、変えていかなきゃと思いました。

最近は、以前に比べてフェムテックという言葉が新鮮に響いていますし、私自身が発信することに関しては、資格を取得したことで性の話や女性の体についての話を圧倒的に日常会話にも落とし込みやすくなりました。

そして学んでいくほど、フェムケアは私たちの生活と密接につながっていると気づかされます。膣まわりのケアに関しても、ただ保湿する、清潔にするだけでなく、まずは自分の体をよく知って、日常的な運動や食生活がベースになっていることもありますし、結局は生活全般につながってくるんですよね。

セルフプレジャーに関しても、心身の健康の維持につながるし、健康チェックにもなる。セルフプレジャーをするとすっきりするという感覚はありましたが、ちゃんとした意味があるとは学ぶまで知りもしませんでした。

正しい知識を得ることで人生の選択も広がる!

ニットセットアップを着る伊藤千晃

これからはシェアしていく時代だから、それぞれが月経のこと、セクシャルなこと、セックスのことなど、正しい知識を得ることが重要だと思います。

今はたくさんの情報を手に入れることができるから、自分に近い悩みの解決法も見つかりやすいはずですし、正しい知識を得ることで人生の選択の幅も広がるはずです。パートナーにも協力してもらえるならそれに越したことはありませんし、知っていてほしいですしね。

そんな優しさや寄り添いを大事にできる世の中になるように、私はこれからも女性が生き生きと輝くような日々を送るためのお手伝いをしていきたいです。

ニット ¥90,200・スカート ¥75,900/ともにSAMUEL GUÌ YANG(サカス ピーアール 03-6447-2762)リング 参考価格 ¥25,300/PAWNSHOP LONDON(ノウ ショールーム hello@ontheparkstreet.com) イヤカフ/スタイリスト私物

撮影/松岡一哲 ヘアメイク/岡田いずみ スタイリスト/中井彩乃 取材・文/通山奈津子 構成/渋谷香菜子