「yoi」読者のみなさま、こんにちは。集英社yoiエディターズ、エクラ編集部のＮです。今回は「エクラ」最新号より、“歯の見た目”の最新メンテナンス事情を紹介します。色やツヤ、歯並びが少し変わるだけで、その人の印象をガラッと変えてしまう大事なパーツ。どんなアプローチがあるのか、さっそくチェック！
歯科医
アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿院長。歯科医師。抗加齢医学会認定専門医。鶴見大学歯学部卒業後、都内歯科医院で経験を積み’06年に現クリニックを開院。健康と審美を両立する最新の矯正治療を提供。
大人になるにつれて、“残念な歯”が増える‼
まずは、こちらのイラストをご覧ください。歯の黄ばみや黒ずみ、歯列の乱れなど、“残念な歯”がずらり。「私の歯は、まだここまでじゃない！」と思う方が多いと思うのですが、「エクラ」の読者である50代の中には、歯の見た目に自信が持てないと悩む人が実に多いのです。
私もエクラ世代に近いですが、歯の隙間が目立ってきたり、黄ばみがひどくなってきたり、かみ合わせが悪くなってきたりと、40代になって歯のトラブルが急増（泣）。若いときに、もっと歯を大事にしてあげればよかったと絶賛後悔中です。
その人の見た目印象を左右する、4つの“残念な歯”とは？
今回お話を伺った歯科医の小川朗子先生によると、年齢を重ねるほどにトラブルとなって現れる“残念な歯”は、主に以下の４つ。
①歯の黄ばみ、黒ずみ
着古したシャツのように、毎日歯を磨いていても防ぎきれない、うっすらとした黄ばみ。口もとの清潔感に影響が。
②歯列の乱れ、すき間や変形
食いしばりや歯ぎしりで、歯の形が変わったり、欠けたり、すり減ったり。さらに、年齢を重ねると歯茎が下がり、歯と歯のすき間が目立ってきたり歯並びががたつく可能性も。
③さし歯・セラミックの劣化
保険がきくレジン（プラスチック素材）のさし歯は、経年劣化で黄色く変色。セラミックの場合も、歯茎がさがると歯の根元が見えてしまい、“人工的な歯”に見えて悪目立ちする可能性が。
④銀や金の詰め物・被せ物
虫歯治療で入れた銀歯や金歯の輝きは、やや古臭い印象を与える場合が。また、古くなると金属イオンが溶け出し、金属アレルギー発症や二次虫歯の原因にも。さし歯も耐久年数は10～20年程度。
今は大丈夫でも、こんなトラブルが出てくる可能性はゼロじゃありません。「歯の見た目が気になりだしたときこそ、お口の健康と向き合う絶好のタイミング。歯の印象悩みに合わせたメンテナンスを始めて、美しく健やかな歯を手に入れてください」（小川先生）
まずは、「歯の表面」の白さを取り戻すことから！
では、具体的にどこからメンテナンスを始めればいいかというと、おすすめは「歯の白さ」から。口もとの清潔感に直結するので、自分が望む歯の白さの“レベル”に合わせて、クリニックケアを検討してみて。
レベル１：「クリーニング」で歯の表面の汚れをオフ
クリーニングには、保険適用と自由診療の2タイプが。その違いを説明します。
医療保険適用クリーニング＝薄い着色汚れに
どんな施術？
歯周病予防が目的。歯石や歯垢を専用の器具などでオフ。薄い着色汚れも一緒にとれる。
費用は？
目安は3か月に１回で、費用は￥2,000～￥3,000。
自由診療クリーニング＝頑固な着色汚れに
どんな施術？
アミノ酸の微粒子パウダーを、ジェット水流で歯の表面に吹き付ける。痛みや刺激はなく、歯石や歯垢はもちろん、頑固な着色汚れやバイオフィルム（細菌性の膜）も除去。歯の表面がツルツルになるので、新たな汚れが付きにくい。
費用は？
1回約60分、目安は￥5,000～￥15,000程度。
レベル２：「ホワイトニング」でイメージどおりの歯のトーンに
クリーニングでも取れない黄ばみや茶ぐすみを、白く明るく変えたいならホワイトニングがおすすめ。「歯の表面のエナメル質とその内側の象牙相に薬剤をしみこませ、1回で確かな漂白効果と透明感を得られます」（小川先生）。
こちらも2タイプあるので、自分の歯の状態や希望に合わせてセレクトを。
歯を削らず1回で白くしたい、医師にすべてを任せたいなら、「オフィスホワイトニング」
・薬剤を塗り、LEDライトを照射するものや、低刺激で歯にしみにくい薬剤を使うものも。ライト照射は、施術後に痛みや知覚過敏を感じることも。
・効果は半年間程度。
・セラミックやさし歯は適用外。
・費用の目安は￥38,000～。
自分の好きな時にホワイトニングしたいなら、「ホームホワイトニング」
・歯型をとったマウスピースにホワイトニングジェルを流し込み、種類により1日10分～2時間ほど装着。
・自分のペースでできる。オフィスホワイトニング後のメンテナンスとしても。
・ジェルが歯茎につかないようになど、使用上の注意あり。
・費用の目安は、上側のみ￥16,000～。
マウスピースとジェルのセット。薬剤濃度が高いのでホワイトニング効果が高く、気になったときにいつでも使える
レベル３：「ラミネートベミア」で理想の白さと形をデザイン
自前の歯を超えたさらなる白さが欲しい場合は、歯の表面に張りつける「ラミネートベニア」という選択肢も。
どんな施術？
さし歯や詰め物の変色、すき間や短くなった歯の形を修復。麻酔をして歯の表面を0.5～0.7㎜削り、セラミックの薄い板を張り付ける。
仮の歯で色と形をシュミレートできて、天然の歯に近い仕上がりに。
注意するポイントは？
一度削った歯はもとには戻せない。
費用は？
目安は1本￥120,000～。
前歯数本だけ、形と色を同時に整えたい人や、思い通りの白さを長期間維持したい人におすすめ。
BEFORE
AFTER
そのほかにも、被せ物を変えたり最新の矯正法で歯並びを調整したり、“残念な歯”のメンテナンス法はたくさんあります。にこっと笑った時、明るく輝く歯がちらっと見えるだけで、その人の印象までポジティブなものに変える重要なパーツ。気になった方は、ぜひエクラホームページ「Webエクラ」をチェックしてみてくださいね！
取材・文／片岡えり イラスト／佐藤ワカナ 症例写真提供／アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿
