今、気になる“あの人”に、リレー形式でバッグの中のセルフケアの愛用品をご紹介いただく人気連載「SELF-CARE RELAY」。前編に引き続き、歌人の伊藤 紺さんにお話を伺います。後編では、伊藤さんの愛用するセルフケアアイテムをご紹介! “妙に気に入っている”ものが詰まった、バッグの中身を見せていただきました。
Vol.14 歌人・伊藤 紺さん
いい作品を生み出すためにも、できるだけ心身を平穏な状態にしておきたいと言う伊藤さん。愛用するケアアイテムは、流行にかかわらず、自分にしっくりくるもの。年を重ねることでの変化や、その日そのときの気分を大切に、自分と向き合っているそう。
バッグの中身はこんな感じ
「バッグは、『me ISSEY MIYAKE(ミーイッセイミヤケ)』のもの。普段、黒や紺など暗い色の服が多いので、この赤いバッグの登場頻度が高いです。多少乱暴に扱ってもプリーツが全然崩れなくて助かっています。『無印用品』のミニポーチには、薬を入れています。最近ひどい風邪をひいたので喉をケアする『龍角散ダイレクト』や、車酔いしやすいので、あると安心な酔い止めも。移動中に欠かせないイヤホンは、有線を愛用しています。何度かワイヤレスにも挑戦したけれど、結局EarPodsに戻ってきます」
自分にとって嘘がない、吉本ばななの描く世界
ひとかげ/よしもとばなな(幻冬舎文庫)
購入時に本に挟まっているスリップをしおりにしている
「移動中や、病院や待ち合わせの待ち時間に本がないとその時間の充実度が全然変わってしまうので、基本的にいつも持ち歩いています。でも、ここ数年ゲームをやるようになって。思考が完全に止まるので、いい気分転換にはなるのだけど、やっぱりやりすぎは罪悪感があります。ゲームの時間と読書の時間はせめぎあっているのですが、経験上、読書の時間が多いほうが精神的にも状態がいいので、最近は意識的に本を読むようにしています。
今読んでいるのは、吉本ばななさん(当時はよしもとばなな)の『ひとかげ』。ばななさんの小説はずっと大好き。自分の考える“真実”というものに一番近い気がします。生や死と同様に、見えない力が普通に存在すること。何かを受け取って、自分もまた何かを手渡していくこと。嘘くさいものが何もなくて、しょっちゅう泣きながら読んでいます」
妙に気に入っている100均のくしとミラー
100円均一のくし(右)とビューティー ミラー/PAUL & JOE BEAUTE(左)
「くしが一本あるだけで、ずいぶん髪がきれいに保てることに気づいて、持ち歩くようになりました。いつもポーチに入れているのは、この100均のくし。クリアブラックに雑なラメが入っていて、水でさーっと洗えるし、意外と頑丈。このチープさが妙に気に入って、二本持っています。つげぐしも持っているのですが、やっぱりお手入れがめんどうで…。このくしは、特別かわいい!というわけではないのに、なんとなく愛着が湧いています。
『PAUL & JOE BEAUTE(ポール & ジョーボーテ)』のミラーは、学生時代から使っていて、この薄さと軽さが持ち歩くのにもちょうどよくて、気に入っています」
無限に使える? 『ヴィヴィアン・ウエストウッド』のタオルハンカチーフ
タオルハンカチーフ/Vivienne Westwood ACCESSORIES
「ハンカチがびしょびしょになるのが苦手で、学生時代から愛用しているのが、『ヴィヴィアン』のハンドタオル。生地が分厚くて、とにかく丈夫。柄も派手でかわいいんです。長く使っていても全然くたびれず、なぜか色褪せたりもしない。無限に使えそうなタオルです(笑)。種類もたくさんあるので、たまに買い足すのも楽しいです」
荒れやすい唇に必須。『メンソレータム 薬用リップ』
「唇が荒れやすいので、リップクリームは必ず持っています。いろいろ試したけれど、結局ほとんどのコンビニで買える『メンソレータム 薬用リップ Hfca』がいちばんいいとわかって。敏感肌なので香料入りは使えない場合もあるのですが、これは無香料でさらにUVカットも。出先で忘れてしまったときは、必ず買いに行きます」
(左から)ジューシーラスティングティント 13 イートドトリ/rom&nd ディオール アディクト リップ マキシマイザー 021 シマータンジェリン/DIOR メンソレータム 薬用リップ Hfca/ロート製薬
遅れてやってきたティントブーム。『rom&nd』のジューシーラスティングティント
「ずっと口紅派だったのですが、最近遅ればせながらティントが本当に落ちないことに感動して、『rom&nd(ロムアンド)』のジューシーラスティングティントをはじめの一本として買ってみました。ジュワッと滲むような発色がどこか幼い雰囲気に見せてくれるのが新鮮です。
これまでは、マスカラもリップもブラウン系ばっかりだったのですが、このあいだ、急に『赤いリップに黒いマスカラをしたい!』と思い立って、すぐに買いに行きました。メイクは全然うまくないし、詳しくないけれど、最近特に楽しくて好きです。いまゆっくり覚えているところなので、やってみたいメイクのイメージを思いついたらすぐに試してみるようにしています」
うるおって、気分までキラキラ。『DIOR』のアディクト リップ マキシマイザー
「唇が敏感で荒れやすいので、保湿ケアもしてくれる『DIOR(ディオール)』のマキシマイザーを愛用しています。本当にうるうるのぷっくり唇になります。これがないと唇が保てません...。この021は、オレンジにゴールドラメがたっぷり入っていて、すごくかわいい。ラメを使ったメイクも年々好きになっていて、最近は、唇だけでなく、目元や下地もキラキラです。やりすぎかなとも思うのですが、やりすぎていこうと思っています(笑)」
選択肢を広げてくれた、『ジエノゲスト(ディナゲスト®)』
「もともと生理不順で生理がいつ来るかまったくわからないのがストレスで。さらに、生理前にうつっぽくなってしまうのがすごく嫌でした。そんなわけないのに『友達はみんな私のことを嫌いなんじゃないか…』と本気で思ってしまうので、すごく困って。
この症状がPMSだと気づいたのは、低容量ピルを飲み始めてから。それまでは『たまにすごく落ち込む…!』くらいの自己認識でしたが、低容量ピルで生理をコントロールするようになって、自分の気持ちの浮き沈みのタイミングから、PMSなのだと気づきました。
ピルで毎月生理がくるようになると、月に1回の出血が本当に不快で。生理を3カ月に1回にできる低用量ピルを処方してもらおうと婦人科に相談に行き、そこで紹介されたのが、『ジエノゲスト』でした」
「私の場合は、保険適用で毎月1000円程度の負担で悩みを解消できて、本当に助かっています(※)。今まで、いくつかの婦人科で低容量ピルを処方してもらったけれど、教えてくれたのは今回の先生が初めてで。『ジエノゲスト』について友達に聞いてもみんな知らないし、『これまで知る機会がなかったのは、なぜだろう』と婦人科診療について改めて考えるきっかけになりました。
低容量ピルに種類があることもそうですが、まだまだ情報が浸透していないように思います。もちろん個人差はあると思うので一概にはおすすめできないのですが、今、生理に悩んでいる人がいたら、ケアの選択肢を広げるひとつのきっかけになればうれしいです」
(※)個人差があり、人によっては副作用が現れることもあるため服用には医師の診察が必須です
撮影/長田果純 取材・文/秦レンナ