年末年始はイベントが多く、お酒の飲む量が増えたり、糖質・塩分の多い食事になりがち。さらに寒い毎日で、運動不足とくれば、体調管理が必須です。そこで、今回は忙しい人でも無理なく健康的に実践できる「コンビニ3品ダイエット」をご紹介。考案者の齋藤好美さんに、基本ルールと続ける秘訣を伺いました。
イートバランス代表取締役
ビバランスダイエット協会代表理事。30年にわたる自身のダイエット経験から、無理のない、バランスよく食べるダイエット方法を確立し、「ビバランスダイエット」を立ち上げ、食事指導などを行っている。受講生の多くをダイエットの成功だけではなく、肌ツヤや便秘改善など、体質改善にも導いている。アメーバブログ1記事で10万PV、ダイエット記録ジャンル1位獲得し、2024年1月に自身初の著書『カロリー気にせず食べて健康に痩せる コンビニ3品ダイエット』(かんき出版)を上梓。
「コンビニ3品ダイエット」とは?
──齋藤さんが考案した「コンビニ3品ダイエット」。基本のやり方やルールについてまずは教えてください。
齋藤好美さん(以下、齋藤):やり方は本当にシンプルで、一食の中に糖質、タンパク質、食物繊維、この3つをそろえた「痩せ食トライアングル」のメニューを食べるだけ。
カロリーではなく、栄養のバランスを整えることに重きを置くことで、新陳代謝がよくなり、エネルギーを発しやすい体に変わり、最終的には健康的に体重を減らすことができます。
ぱっと見、3品で足りるかなと思う人もいるかもしれませんが、栄養が満たされていると見た目よりも満足感があることを体感できると思います。
もちろん、あまりにもハイカロリーでボリューミーな物を選ぶのはカロリー過多になりNGですが、カロリーだけを重視してしまうと、必然的に栄養バランスは偏りやすくなってしまうので、コンビニ3品ダイエットでは、「痩せ食トライアングル」を基準に選びます。
加えて、「食物繊維→タンパク質→糖質」という順番で食べれば、血糖値の急上昇を防ぐことができ、腹持ちがアップし、脂肪がつきにくくなります。
すごくシンプルなルールなのですが、ご自身の食事を振り返ると、3食とも「痩せ食トライアングル」を実践できている人って意外に少ないのではないでしょうか。重要なのは、朝・昼・夜、3食とも3つそろえることです。
運動をする人など、活動量が多い場合は、どれか1つを増やすのではなく、3つともバランスよく、全体を増やしましょう。
コンビニ3品ダイエットの基本ルール
①1食に糖質、タンパク質、食物繊維の3つ(痩せ食トライアングル)をそろえる。
②食物繊維→タンパク質→糖質の順番で食べる。
甘い物も揚げ物もOK。とにかく続けやすい理由
──ご自身も「コンビニ3品ダイエット」で健康的なダイエットに成功したそうですね。実体験で感じた「コンビニ3品ダイエット」ならではの利点を教えてください。
齋藤:妊娠・出産を機に体重が増えてしまったときに、学生の頃と同じように食べないダイエットをしたら、体調が悪化し、最終的には胃腸炎で入院することになったんです。その時に、病院の先生から「栄養不足で肥満になっている」と指摘されたことをきっかけに、栄養の勉強を始め、バランスよく食べることの大切さを知りました。
しかし、子育てに仕事と忙しい毎日を送る中で、自炊だけで栄養バランスが取れた食事を作り続けるのは大変でした。そこでコンビニ食を活用した「コンビニ3品ダイエット」に行き着いたんです。
3つそろえるというルールなら、コンビニだけではなく、自炊と組み合わせたり、外食にも応用が効くし、一般的にダイエットの敵とされやすい菓子パンや揚げ物なども、「コンビニ3品ダイエット」では食べてOK。
このメソッドでは、何よりも簡単で、ストレスなく続けやすいことを重視しているので、仕事や家事、育児で忙しい人でも気負わずに実践できると思います。
3食別に解説! コンビニ3品ダイエットの食材選びのコツ
──実際に、コンビニで売られている商品を例に、朝食・昼食・夕食でどんな物を選んだらいいか、具体的なアドバイスをいただけますか?
齋藤:時間帯別に、おすすめのメニューをご紹介しますね。ご自身のライフスタイルに合わせて、コンビニ食だけではなく、さまざまなシーンで応用してください。
朝食|体を温める物、フルーツを積極的にチョイス
齋藤:起床後は、いちばん体温が下がっている状態。朝食により体温が上がり、一日の消費カロリーが増えるので、味噌汁やスープ、おかゆ、ホットミルクなど温かい物を選んだり、シナモンを飲み物にオンしたり、ブラックペッパーをサラダにかけるなど、スパイスを活用することで、より効果的に体温アップがねらえます。
また、ネギ類やニラは体を温める効果があるので、汁物の具としておすすめ。
食物繊維としては、消化しやすい果物を選ぶと便通改善につながるうえ、ヨーグルトと一緒に食べれば相乗効果も期待できます。さらに牛乳とビタミンCの多い果物を組み合わせると、カルシウムの吸収がアップするので、朝食時にセットで取ると◎。
食物繊維が豊富なパイナップルやバナナ、キウイ、リンゴはコンビニでも手に入るのがうれしいですね。
昼食|糖質多めでもOK。揚げ物、甘い物はお昼に
齋藤:夕食との食間が長くなりがちで、活動量も多い日中は、糖質多めの物や、菓子パンといった甘い物、揚げ物なども食べてOKです!
揚げ物も選ぶときはカロリーではなく素材基準で。肉が多くなりがちな人はエビフライやアジフライといった魚介系の揚げ物を選ぶといいでしょう。最近のコンビニはホットスナックが充実しているので上手に活用するのもありです。
この時期食べたくなる肉まんは主食カテゴリに。糖質だけではなく、タンパク質もプラスで取れますが、油が多めなので他の食品や前後の食事でバランスを取りましょう。
夕食|糖質過多に要注意。消化しやすい物を選んで
齋藤:夕食は、糖質を抜くのではなく、適度に満足感が得られつつ、消化に優しいお米やフォー、そうめん、春雨がおすすめ。丼物やラーメンはどうしても糖質が多くなりすぎてしまうので夜は控えたほうがベターですね。
また、消化が終わっていない状態で就寝すると、睡眠の質が下がったり、体内時計のリズムを乱す原因になるので、食べる時間が遅くなるほど消化に優しい物を選びましょう。
この時期だと、おでんは満足感、消化ともに優秀な食品なので、積極的に活用しましょう。タンパク質は、脂質の少ない魚介類や、豆腐を選ぶといいでしょう。
食物繊維なら、消化を助けてくれる大根サラダやオクラや長芋といったネバネバ食材や、満足感を得やすい根菜類の煮物がおすすめです。
残業などで夕食がかなり遅くなるときは、糖質を先に食べる分食をしましょう。
とにかく3品、バランスよくチョイスするだけのお手軽ダイエットなので、体を引き締めたい方はもちろん、年末年始に不摂生をしてしまったという方は体を整えるためにもぜひ、トライしてみてください。
イラスト/フジノマ 構成・取材・文/長谷日向子