yoiエディターのK&Tと、ライターRの同世代組3人が、個人的に「yoi!」と思うアイテムやエンタメを紹介する連載「yoiチョイス!」がスタート! 第1回のトークテーマは、「女性の生き方を考える映画」。20代後半〜30代前半世代に刺さりすぎる11作品をピックアップ!
♡メンバープロフィール♡
エディターK:1992年生まれ。好きなものは映画と漫画と酒と宝塚歌劇団。よく「落ち着いてるね」と言われるが、酒が入ると超陽気になる。
エディターT:1993年生まれ。趣味はpodcastを聴くことと海外のドラマやリアリティ番組を見ること。アウトドア派に憧れているインドア派。
ライターR:1991年生まれ。韓国&UKカルチャーと星野道夫のエッセイ「旅をする木」を愛してやまない。内向的なひとり好き。
#MeToo 三部作を通して、三者三様の立場から性暴力問題を見つめる
エディターK:「yoiチョイス!」の初回のテーマは、「女性の生き方を考える映画」。早速だけど、Rさんのおすすめ作品は何ですか?
ライターR:実際に起きた連続レイプ事件を基にした小説が原作の『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(2023年6月2日公開)ですね。性被害に遭った女性たちが、加害者の男性らを赦すか、彼らと闘うか、それとも村を去るか。その選択の話し合いを描いた作品で、直接的な性暴力シーンがないと知って観に行ったのだけれど、最近観た映画の中でいちばん心に刺さった。
エディターT:話題になっていますよね!
6/2(金)公開『ウーマン・トーキング 私たちの選択』予告編
ライターR:この映画を観て感じたことのひとつが、“対話”の重要性。大きな問題解決のために、意見の異なる女性同士がどう話を進めて、どう連帯していくのか…。その過程にハッとさせられることが多くて。“分かり合うためのコミュニケーション”の大切な心得が詰まっていた作品だったなと。
あと、この作品で印象的だったのは、書記係として女性たちの手助けをするオーガストという男性の存在。女性が起こそうとしている変革に、男性も携わっているところがいいなと思ったんだよね。
エディターK:私は女性だけれど、オーガストにいちばん共感した!
エディターT:性被害を描いた作品といえば、アカデミー賞脚本賞を受賞した『プロミシング・ヤング・ウーマン』も有名ですよね。性暴力によって自殺に追い込まれた親友のために、主人公が男性たちに復讐をしていくという内容。いまだ武勇伝のように語られることがある“お持ち帰り”や、“若気の至り”で見過ごされてしまった性暴力をあぶり出している作品だなと。
エディターK:たしかに。登場人物の言動を通して、マイクロアグレッション(無自覚の偏見や差別)に気づけるよね。私が勝手に、セクハラや性暴力の告発運動“#Me Too三部作”と呼んでいる、『スキャンダル』、『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』、『アシスタント』は、いろんな視点から性暴力やハラスメントの問題が描かれているから観てほしい。
『スキャンダル』は、2016年に米国の大手テレビ局で実際に起きた、3人の女性キャスターによるセクハラ訴訟を描いた作品。自分たちの告発が、世界に与える影響の大きさを自覚している人たちによる勇気ある行動は素晴らしいなと。
©2020 Lions Gate Entertainment INC.All Rights Reserved.©2020 LUCITE DESK LLC AND LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
●U-NEXTにて配信中
エディターK:『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』は、#Me Too運動の発端となった、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行事件を暴いた実話。女性新聞記者たちが主人公で、二人の働いている職場はすごく先進的! 妊娠や子育てをしている人もきちんと活躍できるような、リベラルな価値観を持つ人が集まっているから、他の2作品と比べて、共闘する人を見つけやすい。
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved. ●U-NEXTにて配信中
エディターK:現在公開中で、yoiでも監督のインタビューを行った『アシスタント』は、映画会社で働く新人アシスタントの一日を通して、業界でもみ消され続けてきたハラスメントの原因を細かな描写であぶり出している作品。こういった問題が、声を上げればすぐに解決できる単純な問題ではないことや、権力を持たない人が闇深い現実から抜け出すことがどれほど難しいかを思い知らされました。
そういえば、『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』や『スキャンダル』のなかで、告発しようとしている人が、同じく性被害に遭った人たちに、「告発してください!」と求めるシーンがあって。何人かは告発しなかったりとか、告発したのにもみ消される描写があるんだけれど、そういうことが、現実世界でもたくさん起きているんだろうなと。
この3作品を観れば、性被害やハラスメントの問題に立ち向かう方法はひとつではない。立場や環境、周囲の人の価値観によって変わるってことに意識的になれるんじゃないかと思います!
エディターT:たしかに。想像力を広げるきっかけになりますね。
映画『アシスタント』予告編
クォーターライフクライシスをどう乗り越える? 同世代の主人公に学ぶ、人生を楽しく生きるための心持ち
エディターT:お二人は、エンパワーされた映画ってありますか? 私は、ダンサーを目指す女性を描いた『フラッシュダンス』。10年以上前に観てから大好きで。私、16年くらいダンスをやっているんですけれど、工事現場で働きながら、ダンサーになるために自分と向き合い、必死に練習する姿に毎回感動しちゃうんですよね。主題歌『Flashdance... What a Feeling』も、聴くとテンションが上がる!
© 2021 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
●U-NEXTにて配信中
エディターK:私は、『キューティー・ブロンド』かな。“ブロンドヘアだから”という理不尽な理由で政治家志望の恋人にフラれた主人公が、一念発起して彼と同じハーバード・ロー・スクールに入学するってお話。主人公がチャーミングだし、結末も爽快で最高。観ていて元気になる!
© 2001 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. All Rights Reserved
●U-NEXTにて配信中
ライターR:私は、テイラー・スウィフトのドキュメンタリー映画『ミス・アメリカーナ』かな。16歳でデビューしたときから30歳になるまでの成長の軌跡が描かれていて、世間から押し付けられる“女性ソロアーティストはこうあるべき”というイメージから自分を解放していく姿や、仕事とプライベートのバランスを模索する姿がカッコいい。「私も頑張るか!」っていうパワーをもらえるんだよね。
エディターT:表舞台に立っているときの煌びやかなイメージしかないから気になる! ミュージシャンのドキュメンタリー映画はたくさんあると思うけれど、その中でもこの作品を選んだ理由って?
Netflix映画『ミス・アメリカーナ』独占配信中
ライターR:テイラーが、同じ時代を生きてきた同世代だからかな。自分の人生と照らし合わせながら観ることができて、共感できるポイントが多かった。私、年を取ることにネガティブ思考を持っていたタイプだったんだけれど、年を重ねることに前向きなテイラーの姿を見ていたら、年齢の呪いがちょっと解けたんだよね〜。ちなみに、ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンの半生を描いた伝記映画『TOVE トーベ』も、自分らしく生きるヒントをくれた!
エディターK:年齢を重ねることの不安や、人生の選択への迷いといえば、『2つの人生が教えてくれること』と『わたしは最悪。』は、恋愛や結婚、出産とかに悩む20代後半から30代の人には刺さりすぎる映画かも。ひとつ目の『2つの人生が教えてくれること』は、“妊娠した場合”と“妊娠していない場合”の2つの人生が並行して描かれた作品。
エディターT&ライターR:めっちゃ面白そう!
エディターK:私、絶賛子どもを持つかどうか悩み中で…。今はいろんなことが楽しいからこのままでいたいと思っているけれど、未来の自分は子どもが欲しいと思うかもしれない。“子どもを産む、産まない”、どっちの人生に進むべきか決めきれないでいて…。
エディターT:あぁ〜すごく分かります。どちらかを選ぶと、どちらかを諦めないといけないのかな? って…。
エディターK:この映画は、そうやって私たちのように選択に悩む人に、どちらの人生を選んでも“幸せ”と“苦労”があること、そして、どんな人生も自分次第でハッピーエンドにすることができるんだと気づかせてくれる。
Netflix映画『2つの人生が教えてくれること』独占配信中
エディターK:北欧映画の『わたしは最悪。』は、いろんな才能を持っているけれど、優柔不断で、仕事も恋愛も長続きしない30代の女性が主人公。たとえば、年上のパートナーに結婚を提案されたけれど、フィーリングの合うコーヒーショップの彼を選んで、せっかくのチャンスを逃すとかね…。選択しきれないことで、なんとも言えない人生を送っている彼女の姿を見ると、自分の人生は自分でつくっていかないといけないんだと痛感させられた。
ライターR:身につまされそうな映画だ…!
エディターT:本当に…今度観てみます! では、そろそろ今回のトークはお開きにしましょう。次回は、「愛用しているフェムテックアイテム」をテーマに話していきたいと思います。公開日は8月9日予定! お楽しみに♡
全員:では、また次回!
文/海渡理恵 企画・編集・イラスト/木村美紀(yoi)