2024年10月から、「yoi」
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2024年10月から、「yoi」
【高校生と大学生のスキンケア】ブライトニング系コスメをコスパ&成分で厳選!
高井:まずは、『Seventeen』の読者層である高校生、そして『non-no』の読者層の大学生のスキンケア事情やウェルネス意識について伺いたいです。それぞれ、お肌の悩みって違うのかな?
青柳:2024年夏号の「JKスーパーアンケート」企画で美容の悩みを調査したところ、今年は1位がニキビ、2位が鼻の形、3位が一重まぶた。思春期特有のニキビの悩みはこれまでと変わりませんが、対策としてビタミンCを豊富に含むコスメを使う人が増えている点が印象的でした。いわゆるベスコスにあたるランキングでは、『メラノCC』(ロート製薬)が上位にランクインしました。
メラノCC 薬用 しみ 集中対策 美容液[医薬部外品](20ml)オープン価格/ロート製薬
高井:『メラノCC』はロングセラーの名品ですね! どんな理由で高校生に選ばれているのでしょう?
青柳:近年、ブライトニング効果のあるビタミンCの注目度が急上昇しています。高校生はニキビが気になる一方、通学や部活による日焼け対策もしたい。そこで、ニキビケアとブライトニングが同時に叶う『メラノCC』が選ばれていました。
高井:デイリーにしっかり対策をしているんですね。スキンケアの意識が根付いてる!
青柳:今、高校生にとっては日焼け止めも1年中塗るのがスタンダード。ウォータープルーフでベタつかない『ALLIE』(カネボウ化粧品)が人気です。
アリィー クロノビューティ ジェルUV EX(90g)¥2100(編集部調べ)/カネボウ化粧品
高井:なるほど~! 『non-no』読者層の大学生はいかがですか?
石井:『non-no』読者の間でも、ブライトニング効果のあるアイテムはかなり支持されています。『メラノCC』もですし、同じくロングセラーの『肌ラボ®︎ 白潤』(ロート製薬)シリーズも人気です。
高井:どちらも、手に取りやすい価格、かつ実力派ですね。
青柳:高校生はスキンケアを親に買ってもらう子が多いので。コスパのいい商品を選ぶことに加えてしっかり厳選している印象を受けます。
石井:大学生の『non-no』読者は、価格以上に効果を重視している人が多いです。特にスキンケアに関しては、成分を重視する傾向が急速に高まっていると感じます。
肌ラボ白潤 薬用美白化粧水[医薬部外品](170ml)¥814/ロート製薬コミュニケーションコール
【高校生と大学生の情報源】No.1アイコンは一致! 知識豊富なお姉さん世代の芸能人
高井:成分か~。美容リテラシーの高さに驚きました! 今、高校生と大学生はスキンケアの情報をどこから収集しているのでしょう?
石井:『non-no』読者は、芸能人の発信を参考にしている人も多いですね。読者アンケートやヒアリング会では、田中みな実さん、指原莉乃さん、MEGUMIさんといった方々の御名前がよく挙がる気がします。
青柳:田中みな実さんは、『Seventeen』読者の間でも美容のアイコン的存在。“キレイになるために参考にしている人”をアンケート調査したところ、ダントツで1位に。2位は中町綾さん、3位は元『Seventeen』モデルで現『non-no』モデルの久間田琳加さんでした。
高井:どちらの世代も、年上の人を参考にする傾向がありますね?
青柳:もともとの美しさに加え、セルフプロデュースによってさらに輝いている姿に憧れがあるのかな、と。努力による変化が見えることで、その人が実践してきたことや使っているアイテムの信憑性が増すのだと思います。
石井:久間田琳加さんは『Seventeen』時代から美容番長として活躍していたので、『non-no』専属モデルとなった現在も絶大な影響力を持つ一人です。『FATUITE』は、彼女が愛用していると明かしてから、読者の支持率も上がったように思います。
ブライテスト ファーストエッセンスa(120mL)¥8100/FATUITE
【高校生と大学生のコスメ選び】自分の肌に合うものを徹底的に研究
高井:なるほど! 石井さんが言っていたように成分を重視してスキンケアを選ぶ子が増えているのも、知識豊富な先輩たちを参考にしているからなんですね。
石井:近年はYouTubeなどで発信する美容家や美容皮膚科の医師が激増し、プロの意見や正しい知識に、手軽にアクセスできるようになったことも大きいと思います。「アットコスメストア」などの店舗でも、“ビタミンCコスメ”、“レチノールコスメ”と成分で分けて陳列していたりするから、自然と意識は高まりそう。
青柳:同感です。読者やモデルと話していて感じるのは、高校生の子たちって、自分のことを知ろうとする熱意がすごいんです。ほとんどの子が自分の骨格タイプやパーソナルカラーを知っていて、それをベースにコーデやメイクを考えるのが普通になっている。同じように、自分の肌タイプに合ったケアをするために、さまざまなソースを元に徹底的に研究しています。
石井:大学生も同じだと思います。美容のアイコンたちがおすすめする商品も、口コミを調べて、自分に合うのかしっかり吟味してから買う。他人と自分をきちんと差別化して、自分と向き合っている印象があります。
高井:SNSネイティブな世代だけあって、さすがの情報収集力。20年ほど前、私が『non-no』編集部に在籍していたときは、“ニキビ肌がコンプレックスで人前に出たくない”なんて悩みが寄せられていたけれど、そういった声はまだありますか?
青柳:たしかにニキビの悩みは多いですが、読者もモデルも、ニキビができると皮膚科へ行くという子が増えていると感じます。解決する術を熟知しているから、とことん悩むまでには至らないのかも。
石井:『non-no』読者も、ホームケアで効果が感じられないまま長期間、それを続けることはしないみたいですね。
【高校生と大学生のウェルネス意識】目指すのは他人ではなく、今よりもキレイな自分
高井:悩む前に対策できるのは、自分の肌状態を理解し、基礎知識があるからこそ成せること。高校生と大学生は、健やかでいられる自分をすでに知っているのかな? 近年は、心と肌のつながりや健康と美を同時にとらえる“ビューティウェルネス”への関心が高まっていますが、高校生や大学生の間ではいかがですか?
青柳:学校での人間関係や家族関係、進路など、それぞれ何かしらの悩みやストレスを抱えていますが、それと美容の悩みをあわせて考えている人は、あまりいない気がしますね。
石井:『non-no』読者も同様ですね。まだ、ウェルネスの大切さを理解する段階にまでは至っていないのかもしれません。運動不足を解消するためにジムに行く人はいるけれど、メンタルとの関係を挙げる人はいないですし。
高井:なるほど。ウェルネスに高い関心を寄せる30代が多いyoiの読者層と比べて若く、体力があるから、まだそういった意識はないのかもしれませんね。
青柳:ただ、内面から出る美しさは理解していて、外見の美しさと同じかそれ以上、重視していると感じます。先ほども触れましたが、努力している人をすごく尊敬するのは、特徴のひとつかと。推しが好きな理由を聞くと、みんな必ず「努力しているから」と答えるんです。それに、他人の外見を批判しないのも今の高校生の特徴ですね。
石井:今の大学生は、自分を認めて受け入れているところが特徴的。K-POPアイドルなど憧れる同性の存在はいるけれど、「推しみたいになりたい」という声はあまり聞かないんです。他人ではなく、今よりもキレイな自分を目指しているのだと、会話を通じて感じます。
高井:思春期からSNSでいろいろな人の情報が目に入っている分、自分と向き合いつつ、他人は他人としてちゃんと受け入れる感覚がデフォルトなのかな。あと5年、10年したら、今30歳以上の世代とは、また違ったビューティウェルネスの感覚が育ってきそうですね!
撮影/柳 香穂 イラスト/MIDORI KOMATSU 構成・取材・文/中西彩乃