「いつかは…」と思いつつ、仕事やキャリアを考えると妊娠や出産がまだ現実的ではなかったり、現時点ではパートナーがいない、という人も多い20代後半~30歳前後のyoi世代。そこで、実際にSNSで届いた読者の不安やお悩みについて、メンタル、お金、仕事、体、それぞれの専門家にお答えいただきました。
【妊娠・出産Q&A・メンタル編】
Q. 子どもを持つと、我慢することが増えそうで心配
A.まずは「実現したい気持ち」と「我慢すること」を照らし合わせてみましょう
体のお話をすると、35歳を境に妊娠確率や出生率が低下していくので、「35歳までに子どもが何人欲しいのか」をイメージして、そこから逆算して考えるのもひとつの目安になります。そして、仕事やお金、趣味など、妊娠・出産によって我慢したり諦めたりするであろうこともリストアップして、今のご自分がどちらを優先させたいのかを考えてみてください。きっと多くの人が「今は我慢したくない」「こんなに我慢するなんて無理」と考えるかもしれませんが、それでいいと思います。大切なのは、今、この時点で自分なりに照らし合わせて、どちらを優先するか考える機会を持つこと。「あのときにじっくり考えた上で自分はこちらを選んだ」と思えれば、あとから後悔する可能性も少なくなります。(生殖心理カウンセラー小倉智子先生)
他にも、体型変化を受け入れられるか不安…。家事・育児の分担、みんなどうしているの? など妊娠・出産のメンタルにまつわる悩みについてもお答えいただきました。
【妊娠・出産Q&A・お金編】
Q. 妊娠・出産にかかる費用が知りたい
A. 出産にかかる費用の平均は46万8756円
妊娠が判明すると、出産までに14回前後の妊婦健診(妊婦健康診査)を受ける必要があります。保険適用されないため、1回につき3000円〜1万円程度、約15万円かかるケースが多いようです。ほとんどの自治体で平均10万7792円の助成や補助を受けられるので確認を。また、厚生労働省によると2022年度の帝王切開や吸引分娩なども含めた出産費用の平均で公的病院の費用は42万円、私立病院は49万円。全施設は46.8万円。また、無痛分娩を希望する場合、病院によって金額は異なるものの、通常の分娩費用+10〜15万円がひとつの目安に。 (ファイナンシャル・プランナー 井戸美枝さん)
他には、50万円近くの妊娠・出産費用、自分で払える気がしません…。産休中の給与ってどうなるの? などの相談が。
【妊娠・出産Q&A・仕事編】
Q. 転職して1年以内の妊娠は避けたほうがいいって本当?
A. 在職1年未満は育児休業などの制度が利用できない可能性あり
「よしとされるかどうか」というよりも、企業によっては在職期間が1年未満だと育児休業などの育児支援制度を利用できない場合もあるので、よく調べておきましょう。産休は労働基準法で定められているので6週間前から取得できますが、育児支援制度を利用できない場合、産後1カ月ほどで復帰しなければならないのでベビーシッターなどを手配する必要があります。とはいえ、もちろん出産を終えないと転職できないわけではありません。出産後、育てながら仕事を変えていく人もかなり多いですし、人材不足の時代に突入しているので、それが受け入れられる社会になりつつあります。ただ、制度のことを考えると、タイミングは意識したほうがいいかもしれません。(doda副編集長 川嶋由美子さん)
他には、フリーランスへのサポート制度はありますか? 今は仕事中心の人生。出産後、好きな仕事を続けられるか不安です。などの相談が。
【妊娠・出産Q&A・体編】
Q. AMH値が低い=妊娠の可能性が低いということ?
A. 卵胞の数を推測するAMH値と妊娠率は相関しません
AMH値は、年齢や喫煙のほか、卵巣腫瘍や子宮内膜症などで卵巣の手術をされた方、そして低用量ピルを服用していると数値が低く出る傾向があります。逆に高すぎる場合は、多嚢胞性卵巣症候群の可能性が考えられます。そして、AMH値が低い=妊娠率が低いと勘違いされる方が多いのですが、そうとは限りません。AMH値は卵子の質を示す数値ではないので、AMH値が低くても、質のいい卵子が排卵されれば自然妊娠できる可能性があります。卵子の数を増やすことはできないので、今からできるケアとしては卵子の質を落とさない&妊娠しやすい体に整えることが大切だと思います。(産婦人科医 大山 香先生先生)
他にも、風疹の抗体検査は受けたほうがいい? 今は避妊しているが、妊活をはじめたい。どんなステップを踏めばいい? などの相談も!