2024年8月より、多数ご応募いただいた中から読者代表として選ばれた「yoiクリエイターズ」による発信がスタート! 今回は高橋琴美さんに、廃棄食材をアップサイクルして犬のおやつを製造・販売している『mellowbear(メロベア)』をご紹介していただきます。

【yoiクリエイターズとは?】
yoiの読者としての目線を生かし、語学やアート、文章表現などのクリエイティブスキルを発揮して、情報を発信していくクリエイターのこと。ビューティーやウェルネス、カルチャーや社会派の記事など、それぞれの得意分野でyoi読者におすすめのコンテンツを毎月配信します。メンバーは24年1月現在石坂友里さん、くどうあやさん、高橋琴美さん。

高橋琴美

ライター

高橋琴美

女性誌のファッション担当として勤めたのち、WEB媒体の編集を経て、現在はフリーランスのライター兼エディターとして活動。2匹のミニチュアダックスフンドと、一歳になった娘が何よりも癒し。

今回は廃棄される予定だった食材を使用し、アップサイクルな犬のおやつを製造・販売する『mellowbear(メロベア)』と、その創設者である山本麻実さんに取材をさせて頂きました。

『mellowbear』とは?

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『mellowbear』は愛犬とのサステナブルでメロウな日常を提案するライフスタイルブランド。破棄予定だった食材を使用したアップサイクルな手作りのおやつや、ブランドがセレクトした安心・安全に遊べるおもちゃやグッズが購入できます。私が『mellowbear』に出合ったのは行きつけのカフェで、オーナーが『mellowbear』のおやつを私の愛犬(ラフとロイグ)に与えてくれたのがきっかけでした。

今回、ブランドの名前の由来ともなった山本さんの愛犬のメロをイラストで描きました(上)。これからご紹介する『mellowbear』のおやつのパッケージに使用されているカラーは山本さんの故郷である愛媛の自然から実際に抽出した色を使用しているそうで、今回メロを描く際にも同じカラーを織り交ぜています。自然や動物への愛にあふれた山本さんの人柄と、それを一身に受け強い絆で結ばれているメロのチャーミングなキャラクターが伝われば嬉しいです。

『mellowbear』を立ち上げた山本麻実さんにインタビューしました!

山本麻実

mellowbear Founder

山本麻実

愛媛県今治市出身。瀬戸内海の穏やかな海の近くで育つ。なんでも手作りする両親の影響で自然派の食事を好むようになり、フードロスや環境問題、社会問題にも関心を持つ。現在は3匹の愛犬と暮らす。

カフェでの『mellowbear』との出合いから程なくして、友人の紹介で出会ったのがFounderである山本さん。ですがブランドについてちゃんとお話を聞くのが今回が初めて。

高橋:もともとは企業の会社員であった山本さんですが、『mellowbear』を立ち上げるにあたって、どんなストーリーがあったのでしょうか?

山本さん:「私は自然豊かな愛媛県で育ちました。実家に帰省するたびに海辺のゴミを拾っているのですが、拾っても拾っても減らないゴミに頭を抱える日々。そこから環境問題に興味を持ち、まだ使い道があるのに大量に廃棄され問題となっているフードロスへたどり着きました。母の影響で無添加のお菓子作りが好きだったので、そういった廃棄予定の食材を使用して犬用のおやつを作ることを思いたち『mellowbear』を立ち上げました」

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高橋:『mellowbear』は、自然や家族、動物の愛へに溢れているブランドだなとお話を聞いて思いました。ブランドをカタチにするまで、大変ではなかったですか?

山本さん:「最初はチラシを配って、賛同してくれる企業を探し回りましたが、なかなか見つからない日々。やっと出合えた商店街の八百屋さんから野菜の端っこを提供してもらえることになりました。そこから数カ月かけて完成した、グルテンフリーのわんちゃん用お野菜クッキーは、幼い頃に姉と一緒に作っていたクッキーからアイディアを得ました。始めた当初は小さなオーブンひとつで商品を生産していました。スタートするのはすごく大変なことだと思っていましたが、やってみると意外とすぐできることがあるんだなと思いました」

最初から大掛かりな設備がなくても、自分がこれまで培った経験からできることがある。私自身に何ができるのか、改めて考えるきっかけとなったブランドです。活動を続けていくうちに口コミで広がり、今では東京都内でも多くのお店で取り扱いをされているそうです。

瀬戸内海の海のようなメロウな時間をおやつとともに

山本さん自身、ブランドを立ち上げるずっと前から、愛犬におやつをあげる時間が至福のひとときだったのだそう。うれしそうに食べている愛犬を見ると。幸せだなあと心から思えるのだとか。
大好きなわんちゃんやねこちゃんの体にいいものを選ぶことが、フードロス削減へとつながっていく。心地のいい循環の輪が、『mellowbear』のおやつとともに広がっているような気がします。私も、愛犬との掛け替えのない時間を過ごしながら、地球のために何ができるかをじっくり考えていきたいと思いました。

mellowbear メロベア 山本麻美 フードロス アップサイクル 食品廃棄 犬用おやつ お野菜クッキー

我が家の愛犬お気に入りのおやつはこれ!

『mellowbear』で販売されているお菓子はすべて添加物が入っていないものばかり。それぞれ捨ててしまうはずだった食材を生かし、おやつとして販売しています。小さな体のわんちゃんにとって食べ物の影響はとても大きいです。私も日頃からヒューマングレードなものを選ぶようにしており、『mellowbear』は安心してあげることができます。今回はその中でも我が家のラフとロイグのお気に入りのおやつを紹介します!

スケトウダラのネジネジトリーツ

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スケトウダラのネジネジトリーツ 40g ¥1800/mellowbear

山本さんの前職の同僚の方が経営する魚のハンバーグ屋さん「UOKIN LABO」から、製造過程で出てしまうタラの皮を何かに使えないかと相談が来たことで実現したおやつ。一本一本手作業でツイストし、乾燥したタラの皮は、わんちゃんたちが満足できる噛みごたえです!  低カロリーで高タンパクなタラは、OMEGA3やコラーゲンなど栄養価もたっぷり

自然の旨味たっぷり鹿肉のジャーキー

フリーステッチ ミニチュアダックスフント ペット用クッション

自然の旨味たっぷり鹿肉のジャーキー 50g ¥1400/mellowbear

日本の森ではニホンジカが増え、森林のありとあらゆる植物を食べてしまうことで問題となっていると教えてくれた山本さん。そして森を守るために、現在年間60万頭ものシカが駆除されており、その9割程度がゴミとして燃やされたり埋められたりしているそう。人間の都合で命を奪われることになったシカの命を次の命へとつなぎたいという思いから、シカのおやつの取り扱いを始めたと教えてくれました。

山本さんに話を聞き、私はこういった背景があることを初めて知りました。私もよく鹿肉のおやつをあげることがありますが、今からできる選択として『mellowbear』のような、命を無駄にしないおやつを積極的に選んでいきたいと思いました。

くんくん香るお魚のふりかけ

mellowbear メロベア 山本麻美 フードロス アップサイクル 食品廃棄 犬用おやつ くんくん香るお魚のふりかけ

右:くんくん香るお魚のふりかけ(かつお味)120g ¥3360、左:くんくん香るお魚のふりかけ(まぐろ味)120g  ¥3360/mellowbear

こちらは京都で120年以上続く老舗だし屋『うね乃』とタッグを組み誕生した、わんちゃんやねこちゃん用「くんくん香るお魚のふりかけ」。

無添加かつ上質な国産天然素材を活用した“おだし”の製造過程で生まれる“だしがら”を贅沢に使用しています。とても香りがよいので、食欲のないわんちゃんやねこちゃんの食欲促進にも。

大切な愛犬との暮らしも、日々取り入れるものにこだわるだけでお互い心地のいい毎日になるような気がします。そういった小さな幸せを通して、その先にある大きな社会問題についても考えていきたいと思いました。

イラスト・構成・文/高橋琴美