2023年、“メンタルヘルス”ジャンルで最も読まれた記事BEST5を発表! 女性同士がマウンティングを取り合うのはなぜか、大人の発達障害、インポスター症候群、メンヘラなどyoi読者から支持された“メンタルヘルス”ジャンル記事はこちら!
※公開後1か月の数値をもとに算出
人気第1位 マウンティング記事まとめ
メンタルヘルス部門で1位となったのは、女性同士のマウンティングに関する記事まとめ。なぜ女性同士はマウンティングを取り合うのか、マウンティングは社会構造による影響? 今日からできるメンタルケアまで、臨床心理学者・森裕子さんにお伺いしました!
なぜ女性同士がマウントを取り合うのか
森さん:マウンティングを分類することで見つかったのが、女性のマウンティングは「三すくみの状態」になっているということです。女性に求められてきた役割の3つの側面は連動しないため、女性同士は競争が複雑化しやすいと言えます。ひとつのカテゴリーでのマウンティングバトルに負けたとしても、他の側面では優位に立てるというような状況が頻発するので、女性同士のマウンティングは決着がつきにくく、異なるカテゴリーで次々と行うことができるのです。そのため、連綿と続いてしまい、女性の傷つき体験となっていると考えています。
女性同士のマウンティングは、社会構造による影響がある
森さん:例えば「美しさ」のマウンティングは、世の中で「これが美しいよね」という世の中の共通認識によって起きているものだと考えると、確かに社会とは切っても切り離せないものであるとも感じています。
20代のころの「メイクがうまいね」については使うアイテムを変えたりすれば自分だけで動かすことができる問題ですが、「結婚・妊娠・出産」や「仕事・キャリア」については、自分だけではどうにもならないものです。つまり、対処や回避が自分だけではできない「マウンティング」が起きている。そう考えると、相手や周囲、または社会の変化が必要なところもあると思います。個人ではどうしようもないことなのに、マウンティングにより傷ついてしまう方がいることは、臨床心理学の観点から見ても問題だと感じます。
今日からできるメンタルケア
森さん:言語化してみるといいと思います。自分の中で考えたり紙に書いたりすることをまずやってみる。モヤモヤという曖昧な言葉に留めず、自分の感情を言葉にしてみる。
「豪華な婚約指輪を見せられたとき、普通の婚約指輪をもらった私が下の立場にいるような気持ちになった」「つまりあのときマウンティングだと感じたんだ」「だから嫌だったんだ」ということを、言葉で認識できるといいですね。何もわからないまま嫌な気分を抱えているよりも、楽になれるはずです。
さらに具体的な方法をお伝えすると、「自分が繊細になってしまう話題になったときは離席する」ですね。例えば友達と食事をしていて、その話題が出てきたら「ちょっとトイレ行ってくる」と離席すればいいだけです。トイレから戻ってきたタイミングだと「そういえば違う話なんだけどさ」と、話題を変えやすいという点もいいですね。
人気第2位 大人の発達障害記事まとめ
2位は、ここ数年でよく見聞きするようになった、大人の発達障害について。そもそも発達障害とは? 仕事で困ることとは? 対策&周囲ができることについて、昭和大学発達障害医療研究所の太田晴久先生に伺いました。
【大人の発達障害とは?】日々の“困りごと”は脳の特性が理由かも?
「発達障害」と呼ばれる脳の特性は、あらゆる人のなかにさまざまな形で存在し、私たちは誰もがそのグラデーションのなかに生きています。その特性を知ることは自分や誰かを知ることであり、困りごとの解消はもちろん、より生きやすいカラフルな社会へとつながっていくはず。そこで、発達障害の定義や「大人の発達障害」が注目される理由などをご紹介します。
【大人の発達障害かも?と思ったら】雑談や報連相が苦手…対策&周囲ができること
仕事の報告や相談がスムーズにいかない、雑談の場で何を話していいか分からない、チームで作業するのが苦手…そんなふうに感じたことはありませんか? 昭和大学発達障害医療研究所の太田晴久先生によると、発達障害の特性が強い人にとって、コミュニケーションは悩みの種になりやすいのだそう。そこで、コミュニケーションにまつわる困りごとの傾向と対策を、太田先生に教えていただきました。
人気第3位 インポスター症候群記事まとめ
70%の人が一生に一度は経験するという「インポスター症候群」。SDGs(持続可能な開発目標)のひとつである「ジェンダー平等の実現」を阻む要因としても注目されています。一体どんなものなのか、なぜ女性に多いのか、そして具体的なお悩みと解決策について、公認心理師の小高千枝さんに伺いました。
女性に多い「インポスター症候群」とは?
インポスター症候群とは、自分のことを信じられず、周囲からの評価と自己評価のギャップに苦しんだり、「実力がないことがバレるのでは」と不安にさいなまれたりする心理状態のことです。心の中で「人を騙しているような気持ち」になってしまうことから、その名称がつけられました。
特にデジタルネイティブである若い世代は、さまざまな情報に囲まれていることが当たり前の状況に生きています。自分の本質を模索する時期である10代からその中で過ごしていると、自分の意見ではない「誰かの言葉」や「情報」を土台にして、なんとなくアイデンティティを確立したような気になってしまうことも多いはずです。
そのため、社会に出て個人の意見を求められたときに等身大の自分の意見が出てこなくて自信を失ったり、自分の本質を見失ったり、空虚感から不安につながったりしやすのではないかと思います。
悩み別「インポスター症候群」に公認心理師がアンサー
性格や年齢を問わず、誰でもなりうる可能性がある「インポスター症候群」。具体的なお悩みについてにアドバイスをいただきました。
お悩み:仕事でリーダーになることが怖い
そもそも、「責任者は弱音を吐いてはいけない」「すべての知識を持っていなければいけない」といった、“責任者=完璧”という考え方を持ってしまっている人が多いように感じます。今は協働や連携が大切な時代。自分一人で完璧にこなそうとするのではなく、他のチームメンバーと一緒に学んでいく姿勢もポイントだと思います。責任者としてまわりの状況を見ながら、実務は得意な人に任せたり、教えてもらったりすることで、それぞれのモチベーションが上がり、自分の知識も増えるので一石二鳥です。
お悩み:SNSでキラキラした面だけを見せている自分は、嘘つきだと思う
「SNSに投稿しなきゃいけない」と自分に“指令”を出しているときは、ストレスがかかっているサインです。少し視点を変えて、本当にやらなければいけないことなのか、自分がどうしたいのかを考えてみましょう。いきなり100%離れると、そのストレスから他のことに依存してしまう可能性があるので、できる範囲で少しずつ距離をとることを心がけてください。「楽しいと感じたときに投稿する」「気がのらないときは投稿しない」など、自分なりの基準を設けてみるのもいいですね。
人気第4位 メンヘラ記事まとめ
4位は、ここ数年、ネットを中心によく聞くようになった「メンヘラ」について。メンヘラという言葉の意味やとらえ方、日本と海外の「メンタルヘルス」事情、“メンヘラ”かも…と自分や大切な人が心配になったら、どうしたらいい? 精神科医の藤野智哉先生に伺いました。
「メンヘラ」という言葉に含まれる社会的偏見とは?
「メンヘラ女子」「メンヘラ男子」などと、精神的に不安定な人や弱い人に対して、差別的なニュアンスで使われることもある「メンヘラ」という言葉。そうした状態になることは誰にでも起こりえますが、メンタルに不調を抱えている人や、精神疾患に対して偏見持っている人はまだまだ多いと精神科医の藤野智哉先生は言います。メンタルヘルスについて、多くの人の正しい理解が広がるほど、生きやすくなる人が増えるはず。改めて「メンヘラ」という言葉の意味やとらえ方について伺いました。
“メンヘラ女子”は日本だけ?日本と海外の「メンタルヘルス」事情
改めて「メンヘラ」という言葉について考えてみようと、メンタルヘルスと社会問題をテーマに情報発信を続ける、インディペンデント・メディア「Blossom The Project」を立ち上げた中川・ホフマン・愛さんと、精神科医の藤野智哉先生にインタビュー。日本と海外のメンタルヘルスの考え方の違いや、メンタルヘルスと社会問題のつながりについてお話しいただきました!
“メンヘラ”かも…と自分や大切な人が心配になったら、どうしたらいい?
ネットから生まれ、心に不調や問題のある人を指して使われるようになった「メンヘラ」という言葉。そこに含まれる、精神的に弱い人を差別するような意味合いについて、改めて考えてみようというこの企画。「メンヘラかも…」と思ったときに自分やまわりができること、メンタルヘルスの問題を抱えながらも心地よく生きていくためにできることなどを、「Blossom The Project」の中川・ホフマン・愛さんと、精神科医の藤野智哉先生に伺いました!
人気第5位 劣等感記事まとめ
「私なんて」と自分を卑下してしまったり、誰かと比べて落ち込んだり…生きづらさの要因になりうる、「劣等感」。これはどこから来るの? 解決のヒントとは? 臨床心理士の石上友梨さんに伺いました。
劣等感の正体と解決のヒントを臨床心理士が解説
劣等感は、自分自身とまわりの人/テレビ・SNSで見ている人、または現実の自分と理想の自分などを比べて「劣っている」と思う感情で、見た目の美しさや性格、置かれている環境など人それぞれ比べるポイントは違います。劣等感を抱くことで、人生がうまくいっていないように感じたり、満たされていない気持ちになったりするため、“生きづらさ”を感じる要因のひとつになってしまうことがあります。
それと向き合うには、思いやりを“他人ではなく自分に向けて大切にすること。自分に優しさを向けることで、幸せホルモンともいわれる「オキシトシン」という神経伝達物質が分泌され、気持ちが安定するという研究結果が。
"劣等感"を解消する「セルフ・コンパッション」今日からできる実践法
今日からできること① 体を優しくタッチする
今日からできること② 安心できる場所を思い出す
今日からできること③ 暗い感情も受け入れる
今日からできること④ 1日を振り返り、優しい言葉をかける
他、全9つの実践法については元記事でぜひチェックを。セルフ・コンパッションは、毎日コツコツと続けていくことが大切なのだそう。少しずつ毎日の生活に取り入れてみて。