妊活において、男性自身も自分の体をよく知っておくことが大切です。陰嚢の大きさと精子の量の関係、精子が作られて射精するまでのメカニズム、精子によくない生活習慣など、妊活に関わる疑問・質問を、プライベートケアクリニック東京・東京院の院長 小堀善友先生にお答えいただきました。
- Q.陰嚢が大きい人ほど精子が多く性欲が強いって本当ですか?
- Q.サウナや熱いお風呂に入るのは精子によくないって本当ですか?
- Q.精子が作られて射精するまでのメカニズムが知りたい!
- Q.ペニスや陰嚢が小さいと生殖機能に影響はありますか?
- Q.男性性機能が低下しはじめる具体的な時期は?
- Q.精力増強に亜鉛やマカが効くって本当ですか?
- Q.精液の量や濃さが変化する原因は?
- Q.バイアグラは、体に悪影響がある?
- Q.精子や男性の妊活にとってよくない生活習慣は?
- Q.精液の濃度や量は妊娠のしやすさと関係ありますか?
- Q.精液の色が茶色っぽいのは問題ないですか?
- Q.体に異常があるときの精液の状態が知りたい!
- Q.高齢になるほど精子が劣化し、胎児に影響があるのは本当?
- Q.精子の活動寿命はどれくらいですか?
- Q.妊活を始めてから、「排卵日だから」とセックスしようとすると、勃たなくなってしまいました。原因と対策を知りたいです。
- A.緊張の神経である「交感神経」が優位になると、勃起しづらくなります
- Q.男性のブライダルチェックってどんなことをするの?
- A.性感染症と精液の検査を行います
Q.陰嚢が大きい人ほど精子が多く性欲が強いって本当ですか?
A.陰嚢内の精巣(=睾丸)が大きい人はテストステロンや精子の量が多いです!
陰嚢よりも、陰嚢内部にある精巣(=睾丸)の大きさが関係
小堀先生:陰嚢そのものというより、陰嚢内部にある精巣(=睾丸)の大きさが関係しています。精巣はテストステロンなどの男性ホルモンと精子を作る役割があり、例外はありますが、精巣(=睾丸)の大きさは精子の生成量や濃度とも相関があります。
また、精巣(=睾丸)が大きい=性欲が強いとされる理由はテストステロンにあります。テストステロンは性欲や勃起のために重要な男性ホルモンですが、二次性徴時に筋肉や骨格の成長を促す役割があります。これも例外はありますが、精巣容積の大きい方がテストステロン分泌が多いと考えられます。その分泌量と生成量は気力や行動力などの精神面にも影響してくるため、日常を活発に過ごせるメリットも大きいと思いますよ。ただし、性欲というものはホルモンだけでは説明できない場合もありますので、注意が必要です。
Q.サウナや熱いお風呂に入るのは精子によくないって本当ですか?
A.常識的な範囲で楽しむぶんには問題なし。妊活中は注意が必要
小堀先生:体温よりも低い温度の精巣内にいる精子にとって、外的環境が高温になることが悪影響であることはデータとして出ています。だからといって、日頃からサウナ習慣のあるカナダ人やノルウェー人が、サウナが原因で精子が作られずに滅んだというデータはありません(笑)。あくまでも常識的な範囲で楽しむ分には問題ないのです。
ただ、妊活をしている人と、精子の生成量と活動量が極端に悪い人は、サウナや熱いお湯への入浴を避けたほうがいいでしょう。ほどほどであれば絶対にNGというわけではないものの、やはり精子は熱に弱いのです。心配ならば精液検査して、精子の状態をチェックしてみるのがおすすめですよ。
Q.精子が作られて射精するまでのメカニズムが知りたい!
A.精子が作られた後、3つのプロセスを経て射精します
出典/プライベートケアクリニック東京WEBサイト(https://pcct.jp/repro/)
まずは脳からの司令で精子が作られる!
小堀先生:まずは精子が作られる工程から説明しましょう。精子は精巣内で自動的に作られるのではなく、脳の視床下部と下垂体から分泌される性ホルモンによって生成を調節されています。視床下部から分泌される“ゴナドトロピン放出ホルモン=性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)”が下垂体を刺激し、“黄体化ホルモン(LH)”と“卵胞刺激ホルモン(FSH)”を分泌するよう司令を出します。このふたつのホルモンが精巣内の「精細管(せいさいかん)」という細い管の中にある複数の細胞を刺激し、精子を作り出すのです。非常に面白いのは、同じホルモンが女性に働くことにより、排卵や生理が起こります。女性は約1カ月のホルモン周期で生理が起きますが、男性には女性のような大きな周期はありません。
精子のもとである「精祖細胞(せいそさいぼう)」から始まって「精母細胞(せいぼさいぼう)」、「精子細胞(せいしさいぼう)」となり、成熟すると頭と尾があるオタマジャクシのような形をした精子となります。その精子は精巣上体で熟成&貯蔵され、精管を通って体外に向かって運搬されるのです。
3つのプロセス、どこかに問題があると射精障害に
小堀先生:精管を通った精子が精嚢へ送られ、精嚢液や前立腺液と混ざって精液になった後、射精するまでのプロセスは3段階に分かれます。
①Emission(エミッション)…精子、精嚢液、前立腺液が前立腺内に送られる
↓
②膀胱頸部の閉鎖…膀胱側に精液が逆流しないように、膀胱頸部が閉じる
↓
③体外へ…筋肉がリズミカルに動いて精液が尿道側へ押し出され、3〜7回に分けて体外へ出る
この3プロセスのうち、どこかに問題が起きると「射精障害」となります。射精障害には遅漏や早漏、腟内で射精できない、射精する感覚はあるのに精液が出ない…などさまざまなタイプがあり、細かく原因を突き止めれば治療できる可能性が
出典/プライベートケアクリニック東京WEBサイト(https://pcct.jp/repro/)
小堀先生:ちなみに、一般的には勃起してから射精するのが一連の流れだと考えられていますが、勃起しないまま射精する人もいることをご存じでしょうか? そもそも勃起と射精は神経的にも解剖学的にもまったく別の現象で、勃起は血流と副交換神経系、射精は脳と交感神経系でそれぞれコントロールしています。そのため、勃起障害と射精障害とでは治療のアプローチも変わるのです。
Q.ペニスや陰嚢が小さいと生殖機能に影響はありますか?
A.陰嚢内の精巣(=睾丸)が小さい人は生殖機能に影響があります
ペニスの大きさよりも、機能面を気にするべき
小堀先生:ペニスのサイズで悩んでいる人が多いのは理解していますが、大きさや見た目よりは機能面を意識してほしいなと思います。男性器の機能は排尿や包皮が剥けて勃起でき、セックスできるのであれば何も気にする必要はありません。しかし陰嚢内の精巣(=睾丸)の大きさが直径1cm程度の人は精巣の機能が低いため、生殖機能に影響があると言えるでしょう。
生殖機能に関わるのは、ペニスの大きさではなく精巣(=睾丸)の大きさ
小堀先生:また、ペニスや精巣(=睾丸)が極端に小さい人の中には、ごく稀に染色体異常疾患の「クラインフェルター症候群」を抱えていることが。ほとんどの場合は健康上に問題がなく、遅れはあるものの二次性徴を迎えて勃起もするしセックスもできます。しかし、精巣萎縮や無精子症などが生じるため、妊活のときに検査をして初めて疾患に気づくケースが多いのです。
Q.男性性機能が低下しはじめる具体的な時期は?
A.生活環境などにより個人差があります
小堀先生:若くてもEDになる人はたくさんいますし、60歳を過ぎても子どもを授かる人もいます。勃起や射精といった性機能が低下する時期については、残念ながら個人差があるとしか言えません。
不妊外来に通う人に多いのが、一人で自慰行為をするとリラックスして勃起から射精までできるのに、子作りのためにセックスしようと思うと緊張して勃起しなくなるケース。このように緊張して交感神経が優位に働くと勃起しなくなるのは、頻繁に起こること! 女性がセックスに対して緊張感や抵抗意識があると腟があまり濡れないように、人間の体は年齢や時期に関わらずそのようにできているのです。
もちろん、年齢を重ねて糖尿病や動脈硬化が原因でEDになるケースも多数あります。若い30代でも糖尿病によって精液が出なくなる場合もあり、結局のところは個人差があるとしか言えません。Q17でもお答えしたようにすべての病気に言えることですが、健康的な生活習慣を取り入れて高齢になっても活発に動けることを目指せば、性機能の低下を防ぐことにつながります。
Q.精力増強に亜鉛やマカが効くって本当ですか?
A.確実に効果があるとは言い切れません
小堀先生:少なからず効果があるというデータが出てはいるのですが、大きなエビデンスとは言えず……。例えば亜鉛には精子の所見を改善する効果はあるものの、それだけで不妊症が改善されるわけではありません。勃起に対して多少の効果は望めたとしても、確かな効果を求めるならバイアグラやシアリスといったED治療薬に頼らざるを得ないのです。
そのため個人的には、劇的に効くわけではないというのが本音です。医師として積極的におすすめはしませんが、気になるならまずはマカや亜鉛が含まれる製品を試してみるのもいいかもしれませんね。
Q.精液の量や濃さが変化する原因は?
A.主な原因は加齢です
小堀先生: 1日に作られる精子の数と精液量は加齢とともに減少していきますし、精子の運動率が極端に下がるというデータが報告されています。ただ、年齢を重ねても濃度については大きな変化はありません。年齢が若くても、精液の量には個人差があり、そのときの状況や性的興奮の度合いによっても変化します。
疲れがたまっていると精液の量が少ないときもあるし、パートナーといつもとは違うシチュエーションでセックスをすることで量が増えることもあります。男性の体は不思議なもので、いわゆる“そういう気分じゃない”という状況が勃起力や精液の量に大きく影響してくるのです。女性でいうと、リラックスしているときや性的興奮が十分に高まっているほうが、腟が濡れやすくなるのと同じことだと思いますよ。
あとは、ご自身が抱えている病気が精液量に影響を与えている可能性も! 脊髄損傷や骨盤内の手術経験による神経障害、抗うつ剤などの薬剤性、もっとも多いのは糖尿病です。これらが原因で精液量が減っているならば、影響を与えている病気を治療すれば改善する場合があります。
Q.バイアグラは、体に悪影響がある?
A.悪影響はありません。困っているならどんどん使いましょう!
バイアグラは、むしろ体にいい!
小堀先生:困ったらどんどん使ったほうがいいです! EDの治療薬は週刊誌やメディアで「心臓がバクバクする」という体験談が発信されたことをきっかけに、体に悪いという都市伝説が広まってしまった。しかしこれは大きな間違いなのです。
ED治療薬は飲めば飲むほど心筋梗塞のリスクを下げることを証明した研究があります。医療者でも誤解があるのですが、ED治療薬は心筋梗塞の治療薬と併用が禁止されている薬ということだけで、必ずしも心臓に悪いという薬ではないのです。
ED治療専門のクリニックで処方できます
小堀先生:ちなみに、バイアグラなどのED治療薬はイギリスなどの国では薬局で処方箋なしに購入することができます。ただ、日本では、今のところ医師による処方のみの取り扱いとなります。
日本で主に使用されるのは、バイアグラ、シアリス、レビトラ(バルデナフィル)の3種類です。それぞれの長所と短所があるので、症状に合わせて使用することをおすすめします。処方してもらうには泌尿器科やED治療専門のクリニックにかかりましょう。基本は自費診療となりますが、ED治療専門のクリニックでは比較的リーズナブルなところが多いので、どんどん活用していくといいと思います。
Q.精子や男性の妊活にとってよくない生活習慣は?
A.一般的に健康によくないとされている習慣すべてです
健康によい生活習慣=精子の活動性や病気リスク回避につながる
小堀先生:人間は老化が進むにつれて、最初に衰えてくるのは生殖能力です。結局のところ、世間一般で「体によい」とされている健康的な習慣は、体にとっても生殖能力にとってもよいと言えます。バランスのとれた食事、適度な運動、適正体重の維持、タバコを吸わない、精神的ストレスをためない…など、健康によい生活習慣=精子の活動性や病気リスク回避につながっていくのです。つまり、これらと逆のことをするのが悪習慣! 何事も“過ぎたるは猶及ばざるが如し”ととらえて、常識的な範囲で健康的な習慣を取り入れていく意識を持ちましょう。
妊活に効果的な食習慣を知っておきましょう
小堀先生:ちなみに、食事で何を摂取したら精子にいいかはデータとしていくつか結果が出ています。鶏肉や魚、玄米や全粒粉、ナッツ類、オメガ3脂肪酸を含む食材などです。短期的に見ると精子によく、長期的に見ると生活習慣病の予防にも期待できますよ。
Q.精液の濃度や量は妊娠のしやすさと関係ありますか?
A.関係ありますが、“精子”数との関連性はありません
精液の量=精子の量ではありません
小堀先生:精液量は多いほどに、濃度は濃い人ほど妊娠率は高くなります。しかし精液量が多くても精子の数の割合は少ないケースもあり、100人に1人は無精子症だと言われています。そのため、精液の量や濃度と精子の数に関連はありません。
男性不妊の原因を調べるうえでもっとも簡単で確実な方法は、精液検査を受けること! なかなか妊娠しないことで悩んでいる人や、今後子作りを考えている人は、一度検査を受けてみるといいかもしれませんね。
精子の量は、検査してみないとわからない!
小堀先生:精子の数は精液の見た目からは判断できず、精液検査で初めてわかるもの。精液の色が濃いほどに妊娠しやすいとされていても、精液の色が薄いことで悩んでいる人が検査をしてみたら、精子がいっぱい存在していたという事例はたくさんあります! 精液検査は自費診療で行われることが多いですが、男性不妊が疑われる場合は保険適用されます。
Q.精液の色が茶色っぽいのは問題ないですか?
A.血が混じっているか、体に何かしらの病気が隠れている可能性が
小堀先生:精液が茶色っぽい状態は「血精液症(けつせいえきしょう)」です。精液に古い血液が混じる症状のことで、新鮮な血液が混じると赤やピンクっぽく見えます。原因は不明ですが、10代からお年寄りまでどの年代にも明らかな原因はないのに起こり得る症状です。血精液症自体は病気ではないのでご安心ください。自然治癒することがほとんどですが、症状が継続している高齢者の中にはごく稀に「前立腺がん」が隠れている可能性が! 50歳以上で精液に血が混じる人は、一度泌尿器科を受診することをおすすめします。
精液の色はさまざまな要因で変わります
小堀先生:正常な精液の色は白濁色ですが、健康状態や食事の影響で変化するもの。精液を構成する液体の中は、精嚢液と前立腺液があり、それぞれ体液ですので黄色味がかって見えてしまう場合があります。
ほかにもアルコール摂取や薬物、尿の混入、激しいセックスやオナニーなどでも色は変わります。色だけではなく、質感がドロッとしたゼリー状に変化することもあるのです。私がクリニックのブログで紹介した精液のカラーチャートを参考に、ご自身の精液状態が気になる方は精液検査をご検討ください。
Q.体に異常があるときの精液の状態が知りたい!
A.体調不良が精子の状態に影響を与えることがあります
炎症が起こると、精液の状態が悪化する
小堀先生:例えば、インフルエンザやコロナウイルス感染を起こして高熱が出た場合は、精子の所見が一時的に悪化することが知られています。また、クラミジアなどの性感染症や、雑菌による前立腺炎を発症することにより、精液中に膿(白血球)が混じることにより、見た目が黄色くなったり、精液中の精子の状態が悪化する場合もあります。元の疾患を治療することにより、状態が改善する可能性もありますので、体調を整えることは重要です。
Q.高齢になるほど精子が劣化し、胎児に影響があるのは本当?
A.本当です
35歳を過ぎると男女ともに生殖能力は下がります
小堀先生:ヒトという動物は35歳を過ぎると生殖機能が低下していくため、女性と同じように男性も35歳を過ぎたら高齢と判断されます。男性機能の低下については個人差がありますが、1日に作られる精子の数と精液量は加齢とともに減少&精子の運動率は極端に下がるのです。また、高齢出産によって自閉スペクトラム症など発達障害のリスクや、小児がんのリスクが上がるといったデータも出ているため、何かしらの影響はあるという考えが広まっています。
男性が高齢になってからの子どもは、長生きする可能性がある!?
小堀先生:しかし近年は、発達障害やがんのリスクが上がる可能性はあるものの、子孫の健康状態にとっては悪いことばかりではないかもしれないという説もあるのです! 過去の研究論文で、精子の中にある「テロメア」の長さは、高齢になればなるほど長くなることが発表されました。テロメアは遺伝子の安定化を担っており、テロメアがなくなると細胞が死んでしまうため、細胞分裂の回数券のような役割が。つまり、長いテロメアを受け継いで生まれてくる子どもは長生きできるのではないかと考えられているのです。
Q.精子の活動寿命はどれくらいですか?
A.腟の中で約2〜10日間。生殖は精子が出る限りは可能です
35歳を過ぎると男女ともに生殖能力は下がります
小堀先生:腟の中に射精した後、受精に適した健康な精子の寿命はおよそ2日間です。健康状態に関係ないものだと3〜10日程度生きている精子もあるので、妊娠を望んでいない人はきちんと避妊を行いましょう!
自然妊娠を望む場合は健康な精子の寿命を踏まえ、毎日または2日に1回はセックスすべし…と海外では言われています。ところが日本ではセックスの回数自体が少なく、ライフスタイル的にも毎日の頻度は難しいとされるため、不妊外来では2日に1回のセックスを排卵日前後に設定するようにと提案することも。排卵して受精できるタイミングは半日程度で、その間に女性生殖器内に健康な精子が存在していれば受精しやすい状況になるのです。つまり、2日に1回の頻度でセックスしていれば、健康な精子がいつでもスタンバイ状態に。自然妊娠の可能性につながります。
Q.妊活を始めてから、「排卵日だから」とセックスしようとすると、勃たなくなってしまいました。原因と対策を知りたいです。
A.緊張の神経である「交感神経」が優位になると、勃起しづらくなります
小堀先生:勃起は、リラックスしている状態の、副交感神経が優位のときに起こりやすくなるものです。だから、一人でマスターベーションするときは、問題なく勃起することができるのですが、いざ「排卵日だからセックスしなくちゃいけない」という義務感を感じたり、「何とか赤ちゃんを作りたい」というふうに頑張ろうと考えたりすると、逆に緊張の神経である「交感神経」が優位になってしまい、勃起できなくなってしまうのです。頑張ろうとすればするほど、かえって勃起できなくなってしまうのが、男のジレンマです。
男性が勃起しづらくなってしまうのは、パートナーに愛情がなくなったわけでなく、真剣に考えているからこそ勃起がしづらくなっているのです。その点をご理解ください。
対策としては、ED治療薬が非常に効果的です。基礎疾患がない人は、90%近くの人に効果があります。副作用が少なく、有効な薬ですので、ご利用いただくことをおすすめいたします。
Q.男性のブライダルチェックってどんなことをするの?
A.性感染症と精液の検査を行います
精液検査は自宅採取でも可能です
小堀先生:子どもをつくるにあたって影響があるかどうかを調べるのは男性も同じです。男性の場合は不妊症の原因となり得るものを調べるべく、性感染症をチェックするのが基本。また、ご希望があれば精液検査をお勧めしています。
精液検査ではWHOの基準をもとに、精液の量と濃度、精子の運動量、精子の形を調べます。当院は男性不妊を専門としていることから月に100人以上が精液検査を希望され、妊活中でなくても「結婚していないし恋人もいないけれど精子の検査をしたい」という人がいらっしゃいます。自分の精子がどんな状態かなんとなく気になる程度でもいいので、あまり重くとらえずお気軽にご相談ください。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。